タイ国のプラユット首相は、今月22日過ぎにも下院を解散し、5月7日に総選挙を
実施する方向で進んでいます。 どうやら総選挙は5月7日の日曜日になりますネ。
周知のように、プラユット氏はクーデター後に暫定首相を務め、2019年の下院選挙後に
親軍政党である「国民国家の力党」の支持で首相に選出されました。しかし今回は新党の
「タイ団結国家建設党」に 今年1月に入党しており、同党から首相再選を目指します。
<タイ団結国家建設党から再選を目指すプラユット氏>
「国民国家の力党」の党首であるプラウィット氏(77歳)は、プラユット首相(68歳)の
陸軍時代の元上官で、これまで支援を受けてきましたが、今回 袂を分かつ形になり、
5月7日に行なわれる総選挙では首相選を争うことになりそうです。
19年の総選挙の前年にできた「国民国家の力党」は、政治家のグループや一族から成り
立っており、彼らは議会で何議席を取るか、いくつの役職を得るか、そこからの利権を
どうやって獲得するか … … 等々の思考を持つ タイ特有の昔からの政治家の集まりです。
<プラウィット氏率いる国民国家の力党>
ましてやプラウィット氏は、昔からタイ国の裏社会との繋がりが噂されており、また 何かと
汚職や贈収賄事件にも絡むなど、国民の人気も余りありません。プラユットプ氏も それらを
よく承知しており、首相選後 プラユット氏は、同党と一定の距離をとり、権威を高める
戦略を執って来ました。近年は5月の総選挙を控え、同党と閣僚枠などで 対立が深まり、
「国民国家の力党」も党首のプラウィット副首相を首相候補とする方針を固めています。
プラユット氏が政治に関与し続けるためには新しい政党が必要で「タイ団結国家建設党」に
入党しました。コンセプトは、“心を一つにし団結して国家を建設する” と、謳っています。
<アヌティン氏のタイ名誉党>
そうでした、大麻解禁を押し進めた 推進派のアヌティン副首相兼保健相が党首を務める
「タイ名誉党」も選挙での躍進を画策し、あわよくば首相の座をも狙っている一人です。
タイ最古の政党 民主党は、ジリ貧の党勢を立て直すため、今頃になって大麻解禁の反対を
打ち出しています。また国民に一番人気のある最大野党の「タイ貢献党」は、タクシン元首相の
次女であるペトンターン氏を首相候補として、政権奪還を目指し、すでに活動しています。
<悲願の復権を目指すタイ貢献党はペトンターン氏>
上司部下の親軍勢力の分裂選挙でもあり、どこまでアヌティン氏の「タイ名誉党」が
食い込むか、はたまたペトンターン氏率いる「タイ貢献党」が人気どうりになるのか、
選挙戦とその後の政権の枠組みづくりは混沌としており、政治の優勝争いに興味津々です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます