タイ政府が行なっている とんでもないプロモーションとは、なんと “交通違反の特別罰金割引き”
ですって! 来月15日まで行なうらしいですが、信じられます? ・・・ 昨日からの続きです。
なんでも、運転免許証の不携帯やシートベルトの未着用など、比較的軽い交通違反での罰金を、
普段は500バーツ(約1,700円)ですが、100バーツ(約340円)にするというんです。
「じゃぁ~ せっかくだから、この期間に交通違反でもしておくかぁ~」 って なるのかな?(笑)
「新年のギフト」 としていますが、これは政府や警察が いかに交通違反を軽く見ているかの証左ですネ。
駐車違反など、他人に迷惑をかける違反は対象外としていますが、国民や子どもだって同じように
思い、“払えば許される” という違反に対して罪の意識が薄れ、ますます交通事故も増えるでしょう。
どこでも、こうした交通違反等の取り締まりは、法規に則って行なわれるべきものであり、警察や軍の
幹部が簡単に行政権限を変えられませんよネ。 「軍事政権下だから認められる」 と、また欧米から
突っ込まれそうです。 まぁ~ これもタイならでの特異性の一つでしょうか。 我々 外国人がタイ国が
決めたことをとやかく言いたくありませんが、飲酒運転の希薄さに繋がらなければと、思うばかりです。
かたや、年末年始を迎える今から1月5日の期間、軍が出動してまで飲酒運転の取り締まりも
強化している最中なのにねぇ~ タイのこの期間による事故件数といったら半端じゃありません。
2014年12月30日から今年1月5日までに発生した交通事故件数は2,997ですヨ。 死亡者は
341人で 負傷者は3,117人出ています。 このうち飲酒運転に起因している事故が、全体の
37%以上を占めたといいますからネ。 日本と比べてもいけませんが、日本の交通事故死亡者数は
65人前後で、タイの年末年始での死亡者数の多さは、目を見張るものがあります ・・・
今年の飲酒運転取り締まりは 軍と警察が相互協力しながら各地で検問を実施し、飲酒運転の事実が
認められたドライバーは酔いが覚めるまで拘束されるそうです。 自動車も一時没収され、年明けの
1月5日~7日に返却されると聞きました。 もちろん、行政処分や罰金は通常どうりで、特別割引
プロモーションはありません(苦笑)。 それにしても交通違反の割引には驚かされました。
そう言えば今年、タイ警察は汚職対策として、100バーツの賄賂を受け取らなかった警察官に1万バーツの
報奨金を出し、これがユーモアあふれる科学研究などを対象にした 「イグ・ノーベル賞」 の経済学賞に
選ばれて度肝を抜かれました。 まさか 同プロモーションで2年連続受賞なんてならないでしょうねぇ~
国民への年末年始の 「贈り物」 として、各種の優遇サービスを提供して低所得層を支援することは
結構なことですが、交通違反までは必要ないでしょう。 国民からも 「交通違反を増やしたいのか」 と
驚きの声が」上がっているそうな ・・・ 何か違いますよねぇ~
現在のタイ経済はデフレに落ち込みそうな不景気で、特に個人消費が停滞しています。
罰金を免除して、ショッピングに使ってくれた方がタイ経済には効果的です。
交通違反でも、シートベルトの不着用やバイクのノーヘルは、事故った場合、当人の自己責任になるだけで、他人には悪影響は無いので、問題なさそうです。
ただし、飲酒運転は厳罰で対処しないと行けません。
飲酒運転は他人を犠牲にしますから、徹底取り締まりをお願いします。
新年のギフトとしては、下記記事にあるような消費促進策も取られていますね。
◆期間限定消費促進策、1万5000バーツまでの出費を税控除対象
バンコク週報 27/12/2015
政府は国民への新年の贈り物として12月31日までの1週間における個人の出費1人当たり1万5000バーツまでを税控除対象とする措置を打ち出したが、アピサク財務相によれば、この消費促進策によって今年のタイ経済成長率が0・1-0・2ポイント程度押し上げられる見通しという。
この措置による消費の拡大は1500億バーツほどにのぼると予想されている。
なお、対象となるのは、付加価値税(VAT)制度に登録している小売店や流通業者からの買い物だが、酒類、タバコ、自動車、燃油などは対象外となっている。
国民がどう受け止めるかも重要ですね。