昨日も触れたように、11日は首相の退陣などを要求する反政府デモ隊と警官隊が
バンコク都内の戦勝記念塔などで衝突。デモ隊はトラックに放火したり、警官隊に
爆竹を投げつける等して 双方に負傷者が出ています。昨日からの続きになりますネ。
警官隊は催涙弾やゴム弾、高圧放水で応戦しながら、デモ隊の数十人を逮捕しています。
バンコク都内でのデモ隊と警官隊の衝突は続いており、今日13日も行なわれるようです。
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在タイ日本大使館の警告メールによると、デモ隊は午後3時ごろ、戦勝記念塔で集合し、
プラユット首相宅にデモ行進する予定です。現場に近づかないよう呼びかけていますネ。
でも時代の流れを感じますねぇ~ 昨日は16年に死去されたプミポン前国王の王妃で、
ワチラロンコン現国王の母親であるシリキット王太后の89歳のお誕生日ですヨ。
そして8月12日は、タイの「母の日」でもあり、各地で祝賀式典も行なわれました。
周知のように「父の日」は、12月5日で、プミポン前国王のお誕生日です。
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<12日、プラユット首相も祝賀式典を行ないました>
プミポン前国王が お亡くなりになる前は、お二人の誕生日前後の日に、反政府デモで
都市機能を混乱させることなど考えられないこと。そんなこと官民一体でご法度でした。
今までも、大規模な反政府デモや運動が行なわれても、王族の住居近くや王宮などで
集会を行なうことは避け、また王族関連の祝日前後も、そのような活動は控えたもの。
前国王のシンボルカラーは黄色。そして王太后は青色です。お二人のお誕生日が近づくと、
黄色、青色の旗や肖像画が各地で掲げられ、バンコク都内でも祝福モードで一杯になります。
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掲げられた肖像画に、合掌しながら一礼する光景があちこちで見かけたものです。しかし
昨日もショッピングセンター前などには、王太后の肖像画が掲げられていたでしょうが、
合掌する人は少ないでしょう。普段でも都内にワチラロンコン現国王の肖像画に合掌して
いる人を見かけなくなりました。それほど王室に対する考え方が変わってしまいましたネ。
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それもこれも、現王室に責任もありますが「タイ国らしら」や「タイ国の良さ」などが
薄れていくようです。ましてや11日の反政府デモで、警察隊と若者が傷を負う争いを
タイ人同士で行なっている光景、ニュースを見て、本当に寂しい気持ちになります。
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「タイでゴルフ友達になりましょ」 のホームページです
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コロナ感染拡大によって、活動そのものは規模が縮小されていますが、コロナ禍でのタイ経済の落ち込みによる国民の貧困化により、反政府運動は更に国民の全ての階層で激しくなっています。
しかし、ポイントは、若者を中心とした反政府運動の本質は「王室の改革」にある、ということです。
タイでは、憲法の上に、王室(国王)の政治権力が位置付けられており、実質は絶対王政といっていい権力構造になっています。
タイでは1930年代に立憲民主主義の政治になったはずなのに、いまだに王制が続いています。
王室と軍部が結託して、国民を抑圧し、絶対王政まがいの体制を生き延びさせようとしています。
タイが真の民主主義体制に移行するためには、王室改革(王室が持つ政治権力をゼロにする)が避けられないということです。
日本の政治体制のように、皇室は国民に君臨するものの、政治にはノータッチにしない限り、タイ式民主主義は、真の民主主義にはなり得ないということです。
名君の誉れ高いプミポン国王は再三、政治の舞台に登場し、裁定を下していましたが・・・民主主義から見たら「非常に可笑しな行為」でしかなかったのです。
タイの若者たちは、このような王室が持つ異常な政治権力を無くさない限り、真の民主主義はやって来ないことに気が付いた、ということです。
ブラユット軍事政権は、2014年に権力を握って以降、既に7年間にわたり、居座り続けています。
コロナ禍によって、更に、居座りの期間が長くなっていきそうです。
若者たちは、もう待ち続けることはできない、ということで、止むにやまれず、コロナ禍の中、立ち上がったということでしょう。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020111300648&g=int