昨日、タイ国内において新型コロナウイルスの感染者が新たに106人、死者が3人確認され、
計 827人 死者は4人に … 明日から「非常事態宣言」が引かれるよう。昨日からの続きです。
ある知人の話です。 日本から責任者として業務しているAさん、昨年12月から業績が悪く
本社から責められていました。が、“新型コロナウイルスのお蔭で その矛先が変わってきた” と、
胸をなで下ろしているそうです。 しかし 8月末で閉める伊勢丹は前々からの業績不振でした。
タイ経済の成長を追い風に、ここ30年でタイの消費市場は大きく変化してきました。ですが、伊勢丹は
サイアム・ドラゴンなどのように積極的な若者に対する新しい展開など取り組むことをしませんでした。
支持してくれていた富裕層は高齢化し、若い消費者はセントラル・ワールドへは訪れても
伊勢丹まで足を運びません。売り場は古くなって、取り残されてしまった感が否めません。
これを見ていて、たびたび寂しい思いをしていたものです。それは私だけではないでしょう。
伊勢丹が三越伊勢丹ホールディングスの傘下になって10年前後でしょうか? あるフロア
マネージャーによると「日本の本社は多少のリニューアルはしても宣伝費など使わず、バンコク
伊勢丹には力を入れていないように感じていた」といいます。 いつも、基本的には代わり
映えしない売り場となり、これではモチベーションも上がらずお喋りもしたくなるでしょうネ。
<エムクオーティア>
そこへ日本人が多く住むスクンビット通りに、前から存在するエンポリアム デパートの
向かいにショッピングモール「エムクオーティア」が建ち5年が過ぎようとしています。
そして、近くに2022年の完成を目指している「エムスフィア」が建設されますからねぇ~
サイアム ドラゴンはじめ、これらデパートを持つザ・モール グループは、高架鉄道プロンポン
駅が中心となるスクンビット通り(ソイ22~26)界隈を「シンガポールのオーチャード通りや
東京の表参道のようなショッピング地区に育てよう」という目論みがあるようです。 本社
伊勢丹も これらの動向を見て、何年も前から適わないと諦めていたのかも知れませんネ。
バンコク伊勢丹の撤退によって、日系のデパートはBTSナショナルスタジアム駅前の東急
(MBK ショッピングモール内)と、バンコクの対岸トンブリー地区のリバーサイドに誕生した
<サイアム高島屋>
「アイコンサイアム(ICONSIAM)」にある高島屋の2店に。 高島屋は18年 派手にオープン
しましたが、場所が悪く今の客足は良くありません。また東急の2号店は昨年に閉店しています。
伊勢丹の撤退は、バンコクに進出している日系店にとって、決して対岸の火事ではありません。
タイの小売市場は成熟化している上に、富裕層の高齢化も進んでいます。競争が益々 激化する
一方です。 そう、ドンキホーテも 更に出店するでしょうし、若者の日本旅行ブームで日本製品を
熟知してきており、タイの日系デパートも、日本での「デパート感覚」では勝てませんでしょうネ。
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日本のデパートが海外で儲けるのは基本的に難しいという構造があるからです。
タイの場合も、セントラルグループにしろ、モールグループ(サイアムパラゴン、エンポリウムグループの親会社)にしろ、デパートと言うより、基本的には不動産賃貸業です。
ショッピングモールの構造を見たら分かりますが、デパート部分は全体の2割くらいで、8割は専門店に賃貸し、其の賃料で利益を得ています。
バンコク伊勢丹のようにテナントとして入居したのでは儲からないのは必然なのです。
セントラルにしろサイアムパラゴンにしろ、デパート部分の売り場は人が少ない。
●バンコクには10万人弱の日本人が居住していますが、日本人駐在員・家族が住むスクンビット通りには、1990年代にエンポリウムデパートが誕生し、規模は小さいものの、センスが良く、いかにも百貨店らしい雰囲気に溢れていて、わざわざ、伊勢丹まで行く必要が無くなりました。
エンポリウムとFUJIスーパーで駐妻は十分ということになったのです。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00118/031700005/
MBKには東急百貨店がありますが、あんな品揃えでは恥ずかしくて日本の百貨店という看板が泣きますね。早くTOKYUという看板を外してほしいです。