深南部テロを解決しないと認められないタイ首相？

　　
　経済平和研究所（豪州のシンクタンク）の15年の世界テロ指数の報告で、昨年１年間に発生した
テロ回数と被害者数などのランク（世界162カ国）、タイは10位でした。昨日からの続きです。

10位になるのも当然です。タイでは昨年、テロ事件発生件数が前年比16％増の366件となり、史上
最多となりました。死者数も255人（09年）のピーク時より減りはしましたが、156人は多いです。

　

ほとんどのテロ事件の発生は、マレーシアとの国境に近い深南部ナラティワート・ヤラー・パタニー県に
集中していますが、タイからの分離独立を目指す反政府イスラム武装勢力とタイ政府との衝突が
続いています。衝突が始まったのが04年ですから、もう 10年以上も抗争を繰り広げていますネ。

その間、タクシン・スラユット・サマック・ソムチャイ・アピシット・インラック・プラユット首相と、
暫定首相を除くと７人の首相が歴任して来ていますが、誰として深南部抗争を解決できていません。
軍事政権であったスラユット氏と今のプラユット氏でもできず、解決の道はないんでしょうかネ。

　

先月23日に開かれたタイ投資委員会主催のセミナーで「欧米などから心配されている軍事政権だが、世界に
類を見ないほど上手くいっている。新しい政治スタイルということを証明したい」と声高だかに、現軍事政権の
正当性を訴えていましたが、深南部抗争も解決できて初めて、国内外で本当の評価がされるんでしょうネ。

タイ深南部ではマレー系のイスラム教徒が大半であり、反政府イスラム武装勢力とタイ政府の抗争は、
同地域の仏教徒とイスラム教の衝突にも繋がっており、全土の将来の不安視も広がっていると聞きます。

　

04年以降、約５千人の死者および数万人の負傷者を出しており、今でも局所的に起きています。昨年は
全76県のうちテロ事件が発生したのは18県のみですが、11県のみでテロ事件が発生していた13年より

発生地域が拡大しているようです。テロ事件が集中しているのは深南部３県ですが、いずれの県も人口は
100万人以下とさほど多くありません。しかし心配されるのは人口が多いバンコクなど大都市での衝突です。

　

昨年バンコクにおけるテロの発生件数は58件で死亡者は９人。一昨年と比較して５倍以上になっており、
これはバンコクにおける発生件数としては過去最高とのこと。そして とうとう今年８月にエラワン祠にて
爆発テロ事件が発生し20人が死亡。タイ深南部３県との抗争とは関係ありませんが、テロはテロです。

経済の立て直しと貧富の格差など、問題は山積みですが、「世界テロ指数 10位」なんて汚名も
早く消して貰わないといけません。　プラユット首相 頼みますヨ！