タイ選挙委員会は19日、先月14日の総選挙での下院500議席を確定したと発表しました。
これを受けて、7月上旬に国会が開会し、やっと次期首相を選出する見通しと なりました。
首相指名選挙は、早ければ7月中旬になる見込みです。
総選挙は、旧野党陣営の革新系を率いるピター党首の前進党が151議席、タクシン元首相派で、
その次女ペートンターン氏のタイ貢献党が141議席を獲得し、1位・2位を争ったことは周知
の通りです。 その両党は、下院議長のポストを巡って対立していると言われています。
3位は、アヌティン氏(現保健相)が党首で与党第2党の財閥、政治閥の集合体である
タイ名誉党が 71議席となり、連立与党の中核を担ったプラウィット副首相率いる親軍の
国民国家の力党が 40議席、プラユット首相が所属し王党派の新党国家建設党には、
厳しく36議席、タイで最も古い政党の民主党は25議席、その他で終わりました。
前進党とタイ貢献党の下院議長のポストを巡って、前進党は、“最も多く議席を獲得した党から
出すべきで議長を決めるのは、我党の当然の権限だ” と主張していたのに対し、タイ貢献党は、
“過去の事例から必ずしも最多議席獲得の党から下院議長を出す必要はない” として
タイ貢献党から出すことに問題はないと主張し、それぞれ 言い張っていました。
それが下院の正議長1人を前進党から、副議長2人をタイ貢献党から出すことで意見が
一致したようです。役職取りで政党がいがみ合う構図は、日本でもどこでも一緒です。
今後は、前進党とタイ貢献党が民主派の小政党6党などと連立政権を樹立する方針ですが、
首相指名選挙にはプラユット軍事政権が選任した上院 250議席の王党派の投票も必要です。
王党派は前進党の不敬罪の改正、徴兵制の撤廃などを掲げた公約と正面から対立しており、
首相指名で上院250議席の支持を、連立が どれだけ得られるか、どうかは 全く不透明です。
そうでした、旧与党陣営・王党派は、“ピター党首がメディア会社の株式を所有していて現行
憲法に違反している” として、ピター党首の公職追放を求めており、裁判所命令による
前進党の解党を目指す動きもあり、いつ結論が出るのか 当面は不安定な政局が続いています。
上院議員から連立政権に票が流れればピター氏が首相に選ばれる可能性がありますが、
ピター氏には、このメディア株問題があり、タイ貢献党も見守っている情況でしょう。
タイ貢献党の幹部であるペートンターン氏も、“ピター氏の首相就任を後押しする意向だが、首相
就任が不可能になった場合、自ら首相に就任する用意があると明言しています。さてどうなるか?
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