車関係の売上げが好調を維持しながら、自由貿易協定の効果もあって また 世界経済の
回復も進み タイ国の輸出も9月度は、史上最高額を更新するなど、タイ経済は順調です。
こんな中 アピシット首相が、勢い余って タイ全国の一日当たりの最低賃金を、現行の206バーツ
(577円) から一挙に250バーツ (700円) に引き上げることを提案して、タイ政府と民間レベル
での違いが、物議を醸しています。
<大胆な提案でした…>
日本とタイの初任給を比較しても、あまり意味はありませんが、ちょっと並べてみます。
日本の今春の初任給 (経団連調べ) タイの未経験者の初任給 (タイ工業連盟調べ)
・高卒事務系 16万2,749円 ・職業学校卒者 6,590バーツ (1万8,452円)
・高卒技術系 16万3,279円 ・高等職業学校卒 7,697バーツ (2万1,552円)
・高卒現業系 16万3,836円 ・大学卒 1万1518バーツ(3万2,250円)
・大卒事務系 20万7,445円 ・修士号取得者 1万6,868バーツ(4万7,230円)
・大卒技術系 20万7,961円 ・博士号取得者 2万4,961バーツ(6万9,891円)
タイは学歴社会と言われますが、高卒と大卒の初任給の違いでは、日本の方が格差が大きいような・・・
でも 物価や諸事情が違いますので、単純に比較分析は難しいのですネ。 が、参考にはなります。
<給料上げろ・・・>
さて、その首相の提案ですが、雇用者、被雇用者の代表からなる中央賃金委員会は 「首相案は人気
取りが目的。 雇用者側の意見が考慮されていない。 受入れ可能な賃上げ幅は約10バーツ」 と
大きな開きが出ています。 一方、労働組合関係筋は 「最低賃金が1日421バーツ程度でなければ、
労働者は家族を養っていけない。 だが ここまでの賃上げは、当座は無理なので、首相案を支持する」と
しています。 どの辺で妥協されるのか、一般市民も注目の的として見守っているようです。
<上がれば頑張るさぁ~>
ただ タイの英字新聞、バンコクポストが冷静に分析していましたネ・・・
アピシット首相が提案しているように、最低賃金を全国一律に250バーツに引き上げたら現在の法定最低
賃金で最も高いバンコクとサムットプラカン県は206バーツで、21%の上昇、一方、全国で最も低い最低
賃金はメーホンソンなど北部4県の151バーツで、66%の上昇となる。 最低賃金が200バーツに
届かない地方では打撃が大きい。 外国人労働者の流入や、工場の海外移転の加速も予想される、と・・・
<北はタクシン氏の基盤…>
更に、北部・東北部など低賃金が200バーツに届かない地方は、タクシン元首相の地盤であり、彼も
以前の選挙時に タクシン派の最大野党のプアタイ党 (タイ貢献党) が、選挙に勝った場合は、最低
賃金を300バーツに引き上げると約束したことがある… アピシット首相が次期総選挙をにらみ、
票獲得のため最低賃金を上げようとしているのは明白なようだ、と 結論付けていました。
さぁ~ どなることやら? ワタシらも見守りましょう!
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タイ・ゴルフを何でもランキングで紹介する情報サイト
考えてみれば、安い所に住んで生活すれば 日本人でも10万円でも生活できましょう。
一番高くつくのは、ゴルフと交際費でしょうから、これらもエンジョイするとなると、最低20万円は必要でしょうね。(一人で)
これは、人のよって様々ですから、数か月住むなり、一度体感する必要がありますね・・・
タイは階級社会と言われますが、日本のような社会主義国(?)から見ると、想像外の格差です。
タイは工業化の道を歩んでいますが、まだまだ農業従事人口が多いです。
農業の場合、イサーン(東北部)の平均的な現金収入は、下記サイトによれば、年間3万バーツだそうです。
バンコクの日本人ロングステイヤ―なら、2~3週間の生活費かも知れません。
http://ameblo.jp/bangken/entry-10662344076.html
タイの工業化の恩恵を存分に受け、消費が沸騰する豊かなバンコク都民、一方では、年間3万Bで暮らす農民貧困層、ここに、タイの政治・社会が抱える大問題があります。
この経済格差が解消しない限り、タイ社会の安定は実現しないでしょう。
近隣国のマレーシアでは、国内の経済格差解消のために、プミプトラ政策(マレー人優遇政策=マレー人を華僑・印僑よりも優遇する政策、公務員への優遇採用、大学への優先枠)が採用されてきました。(この政策は副作用が大きく、マレーシアの大学レベルの低下などを招いた)
タイでも、思い切って、イサーン人の公務員への優先雇用、大学への優先入学などの政策を採用する以外に、国家安定への方策が見出せないのが現状です。
日本の自動車産業の急速な工場移転などで工業化の道をひた走るタイ王国の中で、経済発展から取り残された農民階層をどのように救済して行くのか・・・・タイの未来はまだ見えません。
給料だけ見てますと、日本人の国民年金の6万円で十分に生活できそうですが、実際は無理ですよね。
タイの皆さんはよく生活が出来るものです。
将来長期滞在しながらタイ生活を楽しみたいと思ってますが、結局経費がいくらかかるのか、今回の給料リストを見てますと全く解らなくなりました。