厚生労働省の有識者研究会が二十日、派遣労働のあり方に関する報告書をまとめた。
Q 主な内容は。
A 企業が派遣労働者を利用できる期間は現在、原則的には一つの業務につき最長三年つまり、三年以内に終了するような、臨時的な業務のみ派遣労働者を充ててよいという考え方だ。報告書はこの規制を撤廃すべきだと提言。実現すれば企業が派遣労働を活用できる業務が広がりそうだ。ただ、派遣労働者個人が同じ業務に就ける期間は最長三年とし、三年を超える場合は別の派遣労働者に交代させるべきだとした。
Q なぜこのような提言をしたのか。
A 報告書は「派遣労働者の保護」に重点を置いたとしている。現在の制度では、例えば、経理部で働く派遣労働者が二年で辞めた場合、後任者は最長一年しか経理に就くことはできない。こうした細切れの就労では派遣労働者の成長やキャリアアップが難しいとして、同じ業務に就ける期間を三年間確保できるようにする考えだ。ただ、結果的には経団連が七月に出した提言に沿う内容で、産業界の要望を後押しする形になった。
Q 懸念は。
A 企業がコスト抑制のため、正社員の担う恒常的な業務まで派遣に置き換えてしまうことだ。報告書は、一つの業務に三年を超えて派遣労働者を充てる場合は、労使に必要性をチェックさせ、安易な置き換えを抑える仕組みを作るべきだとしている。だが、多くの中小企業は組合が存在しないなど、チェックが形だけになる可能性は否定できない。派遣業務が広がり、正社員登用の門戸が狭くなるなど、報告書の狙いとは逆の効果をもたらす懸念もある。
同じ仕事をする正社員と派遣の賃金格差が埋まれば、派遣に置き換えるメリットは薄れるが、報告書は格差解消の具体策を示していない。
Q 対象となるのは。
A 人材派遣会社が六カ月や一年など期間を決めて雇い入れ、契約更新を繰り返して働く「有期雇用」の派遣労働者が対象だ。派遣会社が期間を決めずに雇い入れる「無期雇用」の労働者(正社員)もいるが、報告書は雇用が安定している上に専門性の高い人が多いとして、派遣期間の上限を定める必要はないと提言した。
Q このほかには。
A 翻訳やアナウンサーなど専門性が高いいわゆる「専門二十六業務」は現在、特例的に派遣期間の上限を設けていない。報告書はこの二十六業務の区分撤廃を検討すべきだとした。IT化や時代の変化で専門性があいまいになった業務があることなどが理由だ。
2013年8月21日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/economic_confe/list/CK2013082102000172.html
派遣見直し、企業に利 「26業務」の働き手、失業も
2013年8月21日7時23分 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/0821/TKY201308210008.html
Q 主な内容は。
A 企業が派遣労働者を利用できる期間は現在、原則的には一つの業務につき最長三年つまり、三年以内に終了するような、臨時的な業務のみ派遣労働者を充ててよいという考え方だ。報告書はこの規制を撤廃すべきだと提言。実現すれば企業が派遣労働を活用できる業務が広がりそうだ。ただ、派遣労働者個人が同じ業務に就ける期間は最長三年とし、三年を超える場合は別の派遣労働者に交代させるべきだとした。
Q なぜこのような提言をしたのか。
A 報告書は「派遣労働者の保護」に重点を置いたとしている。現在の制度では、例えば、経理部で働く派遣労働者が二年で辞めた場合、後任者は最長一年しか経理に就くことはできない。こうした細切れの就労では派遣労働者の成長やキャリアアップが難しいとして、同じ業務に就ける期間を三年間確保できるようにする考えだ。ただ、結果的には経団連が七月に出した提言に沿う内容で、産業界の要望を後押しする形になった。
Q 懸念は。
A 企業がコスト抑制のため、正社員の担う恒常的な業務まで派遣に置き換えてしまうことだ。報告書は、一つの業務に三年を超えて派遣労働者を充てる場合は、労使に必要性をチェックさせ、安易な置き換えを抑える仕組みを作るべきだとしている。だが、多くの中小企業は組合が存在しないなど、チェックが形だけになる可能性は否定できない。派遣業務が広がり、正社員登用の門戸が狭くなるなど、報告書の狙いとは逆の効果をもたらす懸念もある。
同じ仕事をする正社員と派遣の賃金格差が埋まれば、派遣に置き換えるメリットは薄れるが、報告書は格差解消の具体策を示していない。
Q 対象となるのは。
A 人材派遣会社が六カ月や一年など期間を決めて雇い入れ、契約更新を繰り返して働く「有期雇用」の派遣労働者が対象だ。派遣会社が期間を決めずに雇い入れる「無期雇用」の労働者(正社員)もいるが、報告書は雇用が安定している上に専門性の高い人が多いとして、派遣期間の上限を定める必要はないと提言した。
Q このほかには。
A 翻訳やアナウンサーなど専門性が高いいわゆる「専門二十六業務」は現在、特例的に派遣期間の上限を設けていない。報告書はこの二十六業務の区分撤廃を検討すべきだとした。IT化や時代の変化で専門性があいまいになった業務があることなどが理由だ。
2013年8月21日 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/economic_confe/list/CK2013082102000172.html
派遣見直し、企業に利 「26業務」の働き手、失業も
2013年8月21日7時23分 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/0821/TKY201308210008.html
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