物欲王

思い付くまま、気の向くまま、物欲を満そう

※当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

博士の愛した数式

2006-02-27 23:28:56 | 
先日年が明けたばかりだと思った2006年も最初の2ヶ月が終わろうとしています。そういえば今年の元旦にも「この前正月を迎えたばかりだったのに」と1年があっという間に過ぎ去ることに驚いた気がします。現代人は徒然なるままに日暮らしとはいかず、1ヶ月あるいは1年を猛スピードで繰り返さなければならないのかも知れません。

しかし繰り返す周期が1ヶ月や1年ではなく80分だったとしたらどうなるのでしょう。最近映画化もされた『博士の愛した数式』は80分しか記憶が持続しない博士と、彼を取り巻く人たちの物語です。主人公の博士はとても興味深い人物で、可哀想なことに記憶は80分しか持ちませんが、整数論に詳しい学者で数学とはまったく無縁な家政婦とその息子に美しい数学の世界を優しく説いてくれます。その上野球に詳しかったり、言葉遊びに長けていたりと(小説として設定がややずるい感もありますが)話の展開を追っていくだけでもどんどん読み進めることができます。

ただ、この本が単なる「楽しいお話」にとどまらないのは、生き生きとした登場人物たちが実は各々どこかに欠けた部分を持っているからでしょう。記憶障害の老人、シングルマザー、鍵っ子、未亡人といずれもネガティブなカテゴリーに分類される人たちが心を通わせることでステレオタイプの埒を超えた幸せを手にするストーリーは心地良い読後感を与えてくれます。ちょっと行き詰まったときにでもソファーに寝そべりながら読みたい本ですね。


博士の愛した数式

新潮社

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久し振りに広辞苑を使う

2006-02-27 04:27:46 | 
広辞苑のページを最後に繰った日は何年前でしょう?

僕は辞書が好きでごく普通の会社員としては割と良く辞書を引く方だと思うのですが、それでもここ10年以上広辞苑にふれることがありませんでした。以前は(第4版が出た1991年前後でしょうか?)テレビ番組で何か馴染みの薄い話題が取り扱われる際にほぼ必ず「広辞苑によれば...」と同書の語義が引用されたものでしたが、最近はあまり見掛けなくなったような気がします。

今日はふとCD-ROM版広辞苑(第4版)を持っていたことを思い出したのでPCにセットアップして使ってみました。久し振りに読む広辞苑の語義は良くも悪くも懐かしい気分にさせてくれます。広辞苑の記述は最近愛用している明鏡国語辞典新明解国語辞典のように単語の意味や用法を能動的に示すものではなく、幾分百科辞典的な要素も加えつつカタログのように意味や使用例がならんでいます。明鏡国語辞典のような辞書が出てきている今となっては、かつて我々が古語辞典に抱いていたイメージに近い編集方針と言えるのかも知れません。

百科辞典的な要素と書きましたが、これを積極的に取り入れた国語辞典としては講談社の日本語大辞典のようにさらに上をいくものもありますし、パソコンで画像や音声をふんだんに使ったCD-ROM/DVD-ROMやWebページを閲覧できる時代であるだけに、中途半端な広辞苑の百科事典路線は岐路に立たされていると言えましょう。

最新の第5版がリリースされてすでに7年以上経つので、そろそろ新しい広辞苑が発表されても良い頃ですね。かつての国語辞典の王者がどういう舵取りをするのか興味あるところです。

# 次の版では「テクシー」みたいな誰も使っていない新語は削って欲しいです>岩波書店さん


広辞苑

岩波書店

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

機動戦士ΖガンダムII -恋人たち-

2006-02-27 03:20:50 | ガンダム
『星を継ぐ者』を買ってしまった手前、途中で止めるのも気持ち悪いので映画版Ζガンダム2作目の『恋人たち』も購入しました。結論から言えば今回ばかりはかなり微妙な出来です。

『星を継ぐ者』も批判的な意見が多かったものの、あれはあれとして単体で十分楽しめました。しかし本作は予備知識なしに理解することはほぼ不可能という印象で、ΖガンダムファンのためのΖガンダムという感が否めません。やはりわざわざ20年振りに映画化する以上、Ζガンダムをまったく知らない人が見ても映画としてある程度楽しめなければ意味がないと思うのですが、『恋人たち』というタイトルに押されてしまったのか映画の背景に流れているストーリーがよく見えなくなってしまった気がします。かといって『恋人たち』のタイトル通りに人間関係の描写が十分なされているかというとそうでもなく、見ていてフラストレーションがたまります。

# フォウのおかげで宇宙に戻れた直後にファとキスしようとしているカミーユをΖガンダムをまったく知らない人が理解するのは不可能ですよね?

もっとも3部構成が前提になっている新訳Ζガンダムですので、3作目次第では『恋人たち』の評価も変わってきます。来月まで『恋人たち』の評価は保留することにしましょう。


機動戦士ZガンダムII -恋人たち-

バンダイビジュアル

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする