虹の向こうに

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リバ剣、段位は三段。
なぜか少年野球の監督してます。

基準が矛盾

2006年01月12日 | ひとりごと
長崎の高齢者グループホームで火災があり、入所者9人のうち7人までが死亡するという痛ましい事故が先日ありました。

出火原因がタバコの不始末らしいこと、避難訓練が実施されていなかったことなど、施設側の不備的なことも少なからず報道されてきています。

でも、この事故で注目しなければならないことはいくつかある「基準」です。

まずは宿直の職員数

「利用者18人までは宿直1名」が基準らしい

無理ですね、現実的じゃない。

今回だって、夜間に9人を1人で避難させるのは人数だけ見ても非常に困難。
その上、一人で歩行できるのは3人だったというので、避難に当たって6人を介助することになる。
しかも入所者のほとんどが認知症の方。
そういった実態を踏まえると、根本的に避難体制が取れない状態であることは明白。
避難訓練だってやりようがなかったんではないでしょうか。

もう一つは、消火装置の設置基準。

詳細は覚えてませんが、要はこの施設の規模だとそういった装置は設置しなくてもいいということらしい。

でも、もしスプリンクラーが設置されていたらここまでならずに火が消えていたかもしれない。
もし自動通報装置が設置されていたら、虚偽通報を警戒して確認をとり出動が遅れるという事態は免れたかもしれない(というより、免れた)。

じゃあ、基準を超える宿直体制や環境整備をする施設側の努力が足りないと言うことになるのか?

国が定める基準のウラには、国が資金面などで援助する基準が隠れてる。

基準を超えることをするとなったら、それがたとえ利用者のためにどうしても必要なものであっても、施設などの努力と責任でやらなければならない。

しかし、こういった施設の経営母体はほとんどが社会福祉法人などの、資金面では豊かとは言えないものであるため、そこまで努力できる地盤がない。

だから基準の範囲内で苦しくってもだましだましやるしかない。

日本のお偉いさんは、どうしても経費やら手間やらから基準を考えるらしく、実態とは遠く離れたものが多い。

だいたい、実態を知らん人間が頭をどんなに突っつき合わせても、いかに金をかけないかぐらいの発想しか出ないのは目に見えてる。

それでいて、もったいぶった理由をこじつけるんだけどね。

実際現場で働く人たち、その施設などを利用する人たちの立場に立った基準作りができる日本に、なる日は来るんだろうか・・・