虹の向こうに

4人の子どもの父親をしています。
リバ剣、段位は三段。
なぜか少年野球の監督してます。

マスコミの力

2009年06月15日 | ひとりごと
以前、阪神淡路大地震に遭遇し、避難所でボランティア活動をした方(仮にAさんとします)の話を聞いたことがあります。

そこで聞いた、テレビである避難所が取り上げられたエピソード。

同じ震災でも、避難所によって届く救援物資の量や質には若干の差があるらしいんです。

で、そのテレビで取り上げられた避難所は比較的物資が豊かだった。

ボランティアが「助かってます」なんてお礼もしている。

その放送を「ここは恵まれてていいねぇ~」と、Aさんは仲間と一緒に見ていたんだとか。

ところが、その放送を境に、それまで少しずつでも届いていた救援物資がぱったり来なくなった。

どうやら、その放送を見た視聴者が、「なんだ、物資は足りてるみたいだ」と勘違いして出し控えたらしい。

実際には、まだ物資が必要な避難所もあったのに、たまたま取材を受けた避難所が恵まれていただけで誤った認識を与えてしまったということでしょうか。


最近の新型インフルエンザの報道の流れを見ていて、このエピソードをちと思い出しました。

「落ち着いた」という報道はまだされてないけど、明らかに扱いが少なく、また小さくなってきた。

で、なんとなく大したことではなくなってきた空気さえ感じる。

でも、まだ日々感染者が確認されているし、範囲も拡がっている。

たまたま死亡例や重症化した例が日本ではないけど、それだってこの先は判らない。

なのに、ボクも含めて多くの人が安心してしまっている空気。


マスコミ報道による「過熱化」はよく問題になるけど、「過冷化」させることも往々にしてあるということを頭に置いて、しっかり行動しなければ。

百聞は一見にしかず。

「一見」とは、自ら体験し、体感したことという意味。

テレビで「見た」ことに、あるいは「見なくなった」ことに惑わされてはいけないのだ。