遊戯(ゆげ)

世の中は、なるようになるわ。
あきらめないで、悠然と生きる事を楽しむ・・・・
それが遊戯(ゆげ)の心です。

婦人公論6/7 号

2013-05-25 | Weblog
大谷直子さんの記事が載っていました。


「転ばぬ先の杖」という言葉は嫌いです。
80歳のおばあさんだって、40代の人だって将来は判らないのです。
明日何があるか誰にも判らない。

41歳で離婚して 18歳の長女、10歳の長男、6歳の次女を一人で育ててきた。
こどもたちはみな それなりにぐれたけどほおっておいた。
52歳で家のローンを払い終え、二人の子どもが出ていったので
家を売りに出して小さなマンションに移り住みスケールダウンした。
57歳のとき 悪性リンパ腫で余命5ヵ月と宣告された。
抗がん剤を8回やって楽になったが四年間仕事を入れないようにして 
ただ韓国語の勉強をしていた。語学を学びたいと思って居たから。
もう仕事に戻る気はなかった。

園子温監督から「希望の国」の主人公の妻の役を打診された。
責任の重い重要な難しい役だったので断ろうと思ったが・・・・・・・。 


試写会のとき おきゃくさんが「大谷直子って自然に演じてるわねえ。」
といっているのを聴いて嬉しかった。
「希望の国」の映画を観て こどもたちが認めてくれたので驚いた。

すぐあとで 新藤兼人監督と乙羽信子さんを描いた「最後のガチンコ」という
ドラマに出て、二作続けて良い映画に出られて女優になってよかったと思った。

一日一日 無事に過ぎれば良いと、淡々ととシンプルに生きている。
やまない雨はないから 欲張らず分をわきまえて生きていくのが良いと思う。



一人の女優の地に足の着いた生活を垣間見た。もともと物欲は無かったから
離婚してからは つましく生活してきた。抗がん剤を打つ時でさえタクシーに
乗らなかったという彼女の生活は 庶民の意識だ。誰でもいつ命が尽きるか
わからないのだ。潔い気持ちに圧倒された。
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中島京子作  妻がシイタケだったころ

2013-05-25 | Weblog
今朝のNHKラジオのラジオ文藝館の朗読が面白かったです。
中島京子さんの本は、「小さいおうち」を持っていますが
余り印象に残っていません。今日の朗読を聴いて 再度
読みたくなりました。

定年退職をして さあこれから・・・という時に 突然
妻がくも膜下出血でなくなってしまい、残された主人公が
妻が予約していた料理教室に通う羽目に・・・


「シイタケを5個甘辛く煮てお持ちください」ということで
買い置きの干しシイタケを探し出し、包丁を刺すが、かたくて
手が滑り指を切ってしまう・・・・救急テープを貼り、今度は
切らずに鍋に入れ醤油と砂糖を入れて煮込む。
ちょっと目を離したら醤油が煮詰まりそうになるがシイタケは
堅いまま。うんざりして寝てしまうが、翌朝良いにおいで目覚めると
シイタケに煮汁が浸み込み柔らかくなっている。水を加えて
もう少し煮てタッパに入れた・・・。

(聴きながら思いがけない展開にくすくすしてたら、
一緒に聴いていた夫が 「なんで?」はてなマーク????
わが夫もシイタケを戻すという意味が解らないようで
主人公と全く同じ反応で 笑ってしまいました。)


・・・妻の料理レシピのノートが出てきて、愚痴やら日記やら自慢が
書き留めてあったのです。

「私がタイムマシンでどこか行くなら、シイタケだったころに
行きたい」

いろいろあって 主人公は妻の気持ちを理解するのです。
・・・そしていつのまにか自分が、シイタケでクヌギの原木に腰掛け
流れる風を感じている・・・。
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