日経新聞12月14日「ポスト平成の未来学」の記事を、朝日カルチャーのレッスンで紹介した。
殆どの方が、全くご存知ない話だった。
たとえば鶏肉の場合、《有精卵から肉として育てたい特定の細胞を取り出して培養液で増やし、肉の塊にする》技術だそうだ。
家庭でも自宅で培養肉をつくり、電子レンジのように3Dプリンターで料理をする日が来るかもしれないと、記事にはあった。
宇宙滞在する宇宙飛行士に提供される可能性を、米国宇宙局(NASA)がテキサス州の企業に出資して研究開発を進めているそうだ。
培養肉の利点がいくつかあげらられている。
家畜が増えると穀物需要が逼迫する、その解決策になるかも知れない。
日本は少子化で人口が減っていくが、他方、世界的には人口増がおこり、水と食料の争奪戦がすでに現実味を帯びている。
無菌状態で製造できる。等々。
実は、今朝のNHKニュースで、イクラの高騰が起こっている理由を報道していた。それを見て培養肉製造も不思議ではないと思えた。
日本では、イクラの高騰は、鮭の漁獲量が減ったことにある、という。
のぞみは養殖魚にかかっている。
リポートではノルウェーを紹介していた。ここでは殆どが機械化されていて、人間は何台ものコンピューター画面で、養魚場内の様子を見ながら、魚の生育具合で餌の量を調節し、水質・温度管理等を調整している。
水揚げされた?鮭は、コンベアーに乗せられて、同じ重さで箱詰めされ出荷されていく。
大規模養殖場の映像が流されていた。あたかも魚の工場製品の様相だった。
翻って、日本で大規模な養殖場が出来ないのは、沿岸地帯に工場が多いことだそうだ。
陸地での優良養魚場を紹介していたが、ノルウェーに比較して全く歯が立たない極小規模に過ぎない。
このニュースを見ながら、都心のビルで製造される「培養肉工場」、もはや絵空事ではないような気がしてきた。
実は、17日・日曜日のクラスが終わって新宿駅までそぞろ歩いてご一緒したM嬢が、ぽつりと言った言葉が耳に残っている。
「培養肉の話を聞いて最初に浮かんだのは、カニ蒲鉾をはじめて食べたときの衝撃だったんです。あれを作っちゃったんだから、培養肉もその延長線上にあるのかなー?????? でも、何か違うようなー」
それっを受けて男性が呟やいた。
「昆虫食の話があって、そこまでは仕方ないと思うけど、培養された肉はどうもー」
このあと載せる箇条書きの最後に、家畜の生態系への影響、食物連鎖の崩壊など、未来への課題が大きいことが指摘されていた。
2013年にはオランダの大学教授が、一個3800万円のハンバーガーの試食会を開いたそうだ。
よしとなれば、ものすごい勢いでコストダウンがはかられる可能性は高い。
なにしろ私のイマジネーション能力を超えた課題を突きつけられて、こういう時代に生きているのか、と腕組みして新聞記事を読んだことをお伝えした。
先ずは、考える参考に、Web検索でであった記事『ヒトがつくる「培養肉」は正義か悪か。SFの世界を現実にする、日本の若き研究者』、少しでも興味を感じた方は、読んでください。
iPS細胞技術より少し簡単な作業で肉を製造できるところが、倫理観を低くしてしまう要素の一つかと。
しかし「命への問いかけを行う」野口体操としては、時間をかけて考えていきたい、としか今は言えない。
正直、逃げの姿勢で、「肉を食べるのに、自然肉か培養肉か」と、問いかける時代には私は生きていないだろうなー。
ちょっとホッとしたりして、複雑であります。
思考停止状態に陥らないために、目を開いておきましょう。
まとめに箇条書きにしたものをここに載せておきたい。
※ 日経新聞2017・12・14『健康イノベーション「畜産」王国に 培養肉は世界を救うか』ポスト平成の未来学
* 2030年東京都心が鶏肉の一大産地?
* 無菌状態空間のビル内、基となる細胞と培養液から、水耕栽培の野菜のように焼き肉やステーキ用の肉が出来る。
* 鶏の肝細胞を培養して「培養フォアグラ」試験映像。
* 女子医科大学先端生命科学研究所と共同研究しているインテグリカルチャー(社長 羽生雄毅32歳)。
* 食肉を得るために動物を殺傷する必要がなくなる。
* 衛生管理も徹底できる。家畜の飼育に較べて地球環境への負荷も低い。
* 宇宙の閉鎖環境で培養肉工場を宇宙船内につくる。宇宙飛行士の食料。
* 3Dプリンターと大差ない仕組みで調理可能。
* カートリッジに樹脂などの代わりに肉や野菜の食品素材を投入し、ピザや菓子を立体的につくる。
* いつか、自宅で培養肉をつくり、電子レンジのように3Dプリンターで調理をする時代がくるのか?
* 既に牛乳が工場製品だと思う子供、イクラが生の魚卵だと知らずに幼児に食べさせる母親がいる。
* 家畜の生態系への影響、食物連鎖の崩壊。どんな未来が。
以上
殆どの方が、全くご存知ない話だった。
たとえば鶏肉の場合、《有精卵から肉として育てたい特定の細胞を取り出して培養液で増やし、肉の塊にする》技術だそうだ。
家庭でも自宅で培養肉をつくり、電子レンジのように3Dプリンターで料理をする日が来るかもしれないと、記事にはあった。
宇宙滞在する宇宙飛行士に提供される可能性を、米国宇宙局(NASA)がテキサス州の企業に出資して研究開発を進めているそうだ。
培養肉の利点がいくつかあげらられている。
家畜が増えると穀物需要が逼迫する、その解決策になるかも知れない。
日本は少子化で人口が減っていくが、他方、世界的には人口増がおこり、水と食料の争奪戦がすでに現実味を帯びている。
無菌状態で製造できる。等々。
実は、今朝のNHKニュースで、イクラの高騰が起こっている理由を報道していた。それを見て培養肉製造も不思議ではないと思えた。
日本では、イクラの高騰は、鮭の漁獲量が減ったことにある、という。
のぞみは養殖魚にかかっている。
リポートではノルウェーを紹介していた。ここでは殆どが機械化されていて、人間は何台ものコンピューター画面で、養魚場内の様子を見ながら、魚の生育具合で餌の量を調節し、水質・温度管理等を調整している。
水揚げされた?鮭は、コンベアーに乗せられて、同じ重さで箱詰めされ出荷されていく。
大規模養殖場の映像が流されていた。あたかも魚の工場製品の様相だった。
翻って、日本で大規模な養殖場が出来ないのは、沿岸地帯に工場が多いことだそうだ。
陸地での優良養魚場を紹介していたが、ノルウェーに比較して全く歯が立たない極小規模に過ぎない。
このニュースを見ながら、都心のビルで製造される「培養肉工場」、もはや絵空事ではないような気がしてきた。
実は、17日・日曜日のクラスが終わって新宿駅までそぞろ歩いてご一緒したM嬢が、ぽつりと言った言葉が耳に残っている。
「培養肉の話を聞いて最初に浮かんだのは、カニ蒲鉾をはじめて食べたときの衝撃だったんです。あれを作っちゃったんだから、培養肉もその延長線上にあるのかなー?????? でも、何か違うようなー」
それっを受けて男性が呟やいた。
「昆虫食の話があって、そこまでは仕方ないと思うけど、培養された肉はどうもー」
このあと載せる箇条書きの最後に、家畜の生態系への影響、食物連鎖の崩壊など、未来への課題が大きいことが指摘されていた。
2013年にはオランダの大学教授が、一個3800万円のハンバーガーの試食会を開いたそうだ。
よしとなれば、ものすごい勢いでコストダウンがはかられる可能性は高い。
なにしろ私のイマジネーション能力を超えた課題を突きつけられて、こういう時代に生きているのか、と腕組みして新聞記事を読んだことをお伝えした。
先ずは、考える参考に、Web検索でであった記事『ヒトがつくる「培養肉」は正義か悪か。SFの世界を現実にする、日本の若き研究者』、少しでも興味を感じた方は、読んでください。
iPS細胞技術より少し簡単な作業で肉を製造できるところが、倫理観を低くしてしまう要素の一つかと。
しかし「命への問いかけを行う」野口体操としては、時間をかけて考えていきたい、としか今は言えない。
正直、逃げの姿勢で、「肉を食べるのに、自然肉か培養肉か」と、問いかける時代には私は生きていないだろうなー。
ちょっとホッとしたりして、複雑であります。
思考停止状態に陥らないために、目を開いておきましょう。
まとめに箇条書きにしたものをここに載せておきたい。
※ 日経新聞2017・12・14『健康イノベーション「畜産」王国に 培養肉は世界を救うか』ポスト平成の未来学
* 2030年東京都心が鶏肉の一大産地?
* 無菌状態空間のビル内、基となる細胞と培養液から、水耕栽培の野菜のように焼き肉やステーキ用の肉が出来る。
* 鶏の肝細胞を培養して「培養フォアグラ」試験映像。
* 女子医科大学先端生命科学研究所と共同研究しているインテグリカルチャー(社長 羽生雄毅32歳)。
* 食肉を得るために動物を殺傷する必要がなくなる。
* 衛生管理も徹底できる。家畜の飼育に較べて地球環境への負荷も低い。
* 宇宙の閉鎖環境で培養肉工場を宇宙船内につくる。宇宙飛行士の食料。
* 3Dプリンターと大差ない仕組みで調理可能。
* カートリッジに樹脂などの代わりに肉や野菜の食品素材を投入し、ピザや菓子を立体的につくる。
* いつか、自宅で培養肉をつくり、電子レンジのように3Dプリンターで調理をする時代がくるのか?
* 既に牛乳が工場製品だと思う子供、イクラが生の魚卵だと知らずに幼児に食べさせる母親がいる。
* 家畜の生態系への影響、食物連鎖の崩壊。どんな未来が。
以上