日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 源正行 Masayuki Wakizashi

2017-01-13 | 脇差
脇差 源正行(清麿)

 
脇差 源正行

 備前伝と相州伝の融合からなる作風を得意とした江戸後期の刀工で、山浦正行(清麿)を知らぬものはないだろう。本作は、その備前風が勝っている中に相州伝の砂流し沸筋金線が顕著に入る出来。最初、正行は兄真雄と共に備前伝の刀工河村壽隆に学んだ。この脇差では互の目に丁子が交じる刃文構成に備前刀の面影が窺えるも、地鉄は柾気の強く交じった板目鍛えに地沸の付く出来を基本とし、それが微塵に詰んでいるのが判る。焼刃は沸が強く、匂も強く明るく交じり、刃中は冴え冴えとしている。この互の目の足を切り裂くように長く沸筋が走っているのである。刃中の沸が深く明るいために働きは分かり難いと思うが、光を反射させての鑑賞では、その景色が輝き浮かび上がる。





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