■□■カムイミンタラ■□■

旅の話、仕事の話、色々と書いてます。。。

少~しだけ

2006-11-28 19:47:22 | 病院のシゴト
70代で末期の胃ガン患者がいる。

1年以上前にも入院していたことがあって。

頭はクリアなんだけど寝たきりの状態。足に触れただけで異常に痛がる。

言語障害もあって何を言っているのか聞き取ることが難しい。

当時の私はまだ入職して3ケ月ぐらいで患者とのコミュニケーションを

取る余裕もない。このとっつぁんは気難しく特に苦労した。しかも、

トランス中に擦り傷を負わせてしまった苦く忘れられない患者。

今回の入院で久々に会ったけど痛々しいほどにやせ細っている。

お久しぶりですと挨拶したけど、私のことなんぞ覚えているわけもなく。

相変わらず、何を言っているのか分からず気難しい。

だから、あまり近寄りたがらない人が多い。

しかし、前回の私と今回の私、同じレベルのはずがない。

根気よく毎日、話しかける。

お菓子が好きだったはずだと話題を膨らませ、体が特に足が痛いことを配慮し

毎日のケアにあたる。じっくり話せば何が言いたいのか分かるのだ。

そのうち、毎朝、話しかければ笑って返事をしてくれるようになった。

前進した自分が嬉しい。

私が休んでいる間に容態が急変したらしく問いかけにも返答がない程の

レベルダウンという送りを聞いた。その足で、「とっつぁん、大丈夫?」と

様子を見に行くと酸素マスクの下から「だいじょうぶ~」とにかーっと笑った。

その場にいた受け持ちナースが驚いていた。当たり前だ、アンタのような

患者を「見よう」ともしないナースと一緒にしないでほしい。

酸素マスクも外れ、容態も落ち着いたので今日は手浴をしてみた。

箸を持てないのでいつも手でご飯を食べているし、血流が悪くいつも

ガサガサな手をしているのが気になっていた。

ケア中に「きもちいい~。こんなこと、してもらったのはじめてだ~」

って言われた。「これで終わりじゃないよ、最後にクリーム塗ったから

匂いをかいでみて。」「あ~いいにおいだ~」

いつもチアノーゼ満載で冷たい手が少~しだけ温かくなった。