表現160) I’ll be in your debt.(恩に着るよ。)
この間映画を見ていたら、今回の表現に出くわしました。debt(デッ(ト))は、(他人に)負っているもの、との意味から、文脈によって、物理的なものとしては、負債、借金、抽象的なものとしては、責務、あるいは恩義等の意味になる言葉です。なので、I’m in debt.というと、僕(男の場合です…)はデット(debt)の中にある、そのような状態にある、というわけなので、「僕には負債(借金等)がある。」という意味になります。ここまでは問題なく理解できますよね。
そして、時制を変えて、「負債を抱えることになるな〜」と未来の状態について言おうとすると…I’ll be in debt.になりますね。では以下を見てください。
1) I’ll be in debt.(負債を抱えることになるな〜。)
(今回の表現)
2) I’ll be in your debt.((君に)恩に着るよ。)
debt(デッ(ト))は「(他人に)負っているもの」という意味の言葉でしたよね。なので、debt(デッ(ト))という言葉を使う時には、そのdebtを負っている人が誰かわからなくてはいけませんよね。上の1)では、debtを負っているのは…主語がIなので、自分自身となりますね。なので、その意味はすんなり理解できます。では、2)の文章、今回の表現についてはどうでしょう?debt(デッ(ト))を持っているのは誰?「yourが前についているんだから、話し相手のデッ(ト)…じゃない?」と当然そう思いますよね。つまり、debtを持っている、何かを負っているのは、自分ではなくて、話している相手ということになりますよね。だとしたら、2)の文章は以下のような意味になるはずですね。
I’ll be in your debt.(僕はあなたの負債の一部になってしまいますね。)
「ん?今回の表現は「(君に)恩に着るよ。」なので、その恩を負っているのは話し手のIであって、話をしている相手のyouではないはず。おかしい…。」
はい、そこが今回のポイントです!I am/will be in your debt.の意味は、冒頭の意味で間違いありません。恩に着る人は「私(I)」であって、その恩を着る対象は「話し相手(you)」ということになります。このようなややこしい(英語を勉強する我々にとってですが)言い方をしなくても、実は同じ意味を別の言い方で表現することができます。以下を見てください。
I am in debt to you.(あなたに借金がある、あなたには恩ある)
意味は文脈により変わりますが、基本、何かを負っている人は「I」で、その対象となっている人は「you」であり、その関係性を示すのに使われるのが前置詞の「to」となります。これはわかりやすいですよね〜(笑)。
また、同じ意味を表す別の表現もあります。
I am indebted to you.
indebt(インデッ(ト))という言葉は、「…に負債を負わせる、責務を負わせる」といった意味を持つ古い言葉(動詞)で、今はそのまま動詞として使われることはありません。通常は、be indebted toという形をとり、indebted(インデティッド)は、誰かに何かを負っている、おかげである等の意味を持つ形容詞となります。なので、前述の文章と同じ意味になりますね。
I am in debt to you. = I am indebted to you.
「ほとんど同じ言葉のつながりじゃん!」あ、はい…おっしゃる通りです。最初の文章では、in debt(前置詞+名詞)、後の文章ではそれらの2語が一つになったindebtという動詞が過去分詞の形をとり、indebtedとなり、品詞は形容詞となります。この形は、be interested in のinterested、be surprised atのsurprisedと同じと考えると、分かりやすいですよね。
前置きが長くなりましたが…ということで、I am in debt to youやI am indebted to youと言えばその意味は文章構造上納得なわけですが、それが以下の文章でも同じ意味だと言われても…理解しがたいわけですよね〜(困惑)。
I am in your debt/I’ll be in your debt.(恩に着るよ。)*現在、未来の意味の違いこそあれ、基本、同じ気持ちを表します。
そこで、どうしてyour debtと言っているのに、debtを負っているのが自分(I)なのか、ネイティブスピーカー(アメリカ人)の友人に聞いてみました。友人はしばらく考えて…I have no idea.と言いました。そうです、ネイティブスピーカーの頭では、I’m in your debtと言えば、自分が相手に何らかの恩義(責務等)を感じているという意味でしかないのです!しかし、私としては、それでは納得いかない!そんな意味になるにはなんらかの理由があるはず!ということで、いろいろ調べてみました。その結果、理屈っぽい私をそれなりに納得させる説が見つかりました。よかった〜!(笑)。とはいえ、その説が真に正しいかは定かではありませんので、念のため…。ではその説をご披露します。
遠い昔、ある英語圏の国(アメリカかな?)ではいろいろな賭け事が流行っていました。そしてそこには、賭け事を仕切る元締めがいました。元締めは賭け事の内容に応じて賭けをする人を探し、お金を集め、勝った人たちにお金を配分します。基本、賭けをする人は元締めに現金を渡すわけですが、中にはつけにする人もいます。また、賭けに負けた場合、その仕組みによっては、ペナルティーとして、既に払ったお金以上の金額を払わなければならない場合もあります。そのような負債(debtデッ(ト))を抱えた人たちは、元締めのリストに載り、その後元締めはその負債(debtデッ(ト))を回収するべく様々な手を使って動くわけですが、お金(debtデッ(ト))を回収するのは大変です。同じ地域で賭けを行う元締めは当然一人ではなく、複数います。そこで、元締め同士が集まり、お互いの利益のためにお金の回収で協力するのが慣習となっていました。
「で…それが今回の表現と何の関係があるの?(苛立ち)」…あ、すみません、もうちょっと待ってくださいね(冷汗)。
続けます。各元締めが持っている負債者の借金・負債(debtデッ(ト))は、回収さえ出来ればお金に換えられますよね。つまり、「回収」という手続きは必要なものの、換金可能な債権と同じで、貴重なものだったわけです。元締めとしては自分の持っているdebtを早く回収したいわけですが、負債者によっては回収が容易ではない場合がある。怖い人とか〜いろんな性格や環境の人がいますよね。そこで、元締め同士が集まり、お互いに利益が出るように、それぞれが持っている回収のためのdebtを交換するのです。
ある元締め曰く、「この男は負債額(debt)が多いので回収すればそれなりに儲けは多いんだが、どこにいるか分からないんだな〜。」それに対してある元締めが「俺の部下はいろいろなネットワークを持っているので、探すのはそんなに難しくないな。ならば、俺が持っているdebtとそれを交換するかい?あんたが持っているその男のdebtより金額は少なくはなるが、これは回収にそんなに手間はかからないんで、儲けは早く手に入れることができるが…どうする?」といった話があったような、なかったような…(笑)。で、お互いのメリットを考えて、元締め同士でdebtを交換するわけです。
あ、ここまで言えばもうわかりましたよね。ん?わからない?…つまり、元締めにとっては、持っているdebt(デッ(ト))は自分の負債(debt)ではなく、回収すれば利益になる他人のdebtというわけです。そこで今回の表現をもう一度見てください。
I’ll be in your debt.
(恩に着るよ。)
I am in your debt.
(君のおかげだよ・感謝してるよ)
そう、元締めたちの話を前提にすれば、自分が相手のdebtになる(debtのリストに入る)、そのことで相手は自分から何かしらを回収できる、得るものがある(できる)ということになりますね。ということは、自分(I)の立場からみると、自分は相手に何かを負っている、お金かもしれないし、恩かもしれないし…。なので、今回の表現は理屈的にも問題がないということになるわけです。では、おさらいしましょう!
1) I’ll be in debt.(借金することになるな〜。)
2) I’ll be in your debt.((君に)恩に着るよ。)
僕は君が回収するdebtの一部になるよ、という意味合い(語源)が、いつの間にか、自分が相手に何らかの恩義がある旨を意味する表現になった、というのが、私の調査結果となります。いかがでしょうか。それなりに納得してもらえたでしょうか?ちなみに、このことを前述したネイティブスピーカーに伝えたところ、Umm... Really? I don’t know.というのが返答でした(笑)。
理屈はともかく、今回の表現、I am in your debt.あるいは、I’ll be in your debt. 何かしてもらった時、あるいは、何かを頼んで、それをやってくれると相手が言ってくれた時には、I’m in your debt. or I’ll be in your debt.使ってみてくださいね。
それでは今回はこのへんで…。この長いblogを読んでもらって、本当にありがとうございました。I thank you so much for that. I’m really in your debt. Thank you, guys! See you in the next blog. In the meantime, take good care! Nao
この間映画を見ていたら、今回の表現に出くわしました。debt(デッ(ト))は、(他人に)負っているもの、との意味から、文脈によって、物理的なものとしては、負債、借金、抽象的なものとしては、責務、あるいは恩義等の意味になる言葉です。なので、I’m in debt.というと、僕(男の場合です…)はデット(debt)の中にある、そのような状態にある、というわけなので、「僕には負債(借金等)がある。」という意味になります。ここまでは問題なく理解できますよね。
そして、時制を変えて、「負債を抱えることになるな〜」と未来の状態について言おうとすると…I’ll be in debt.になりますね。では以下を見てください。
1) I’ll be in debt.(負債を抱えることになるな〜。)
(今回の表現)
2) I’ll be in your debt.((君に)恩に着るよ。)
debt(デッ(ト))は「(他人に)負っているもの」という意味の言葉でしたよね。なので、debt(デッ(ト))という言葉を使う時には、そのdebtを負っている人が誰かわからなくてはいけませんよね。上の1)では、debtを負っているのは…主語がIなので、自分自身となりますね。なので、その意味はすんなり理解できます。では、2)の文章、今回の表現についてはどうでしょう?debt(デッ(ト))を持っているのは誰?「yourが前についているんだから、話し相手のデッ(ト)…じゃない?」と当然そう思いますよね。つまり、debtを持っている、何かを負っているのは、自分ではなくて、話している相手ということになりますよね。だとしたら、2)の文章は以下のような意味になるはずですね。
I’ll be in your debt.(僕はあなたの負債の一部になってしまいますね。)
「ん?今回の表現は「(君に)恩に着るよ。」なので、その恩を負っているのは話し手のIであって、話をしている相手のyouではないはず。おかしい…。」
はい、そこが今回のポイントです!I am/will be in your debt.の意味は、冒頭の意味で間違いありません。恩に着る人は「私(I)」であって、その恩を着る対象は「話し相手(you)」ということになります。このようなややこしい(英語を勉強する我々にとってですが)言い方をしなくても、実は同じ意味を別の言い方で表現することができます。以下を見てください。
I am in debt to you.(あなたに借金がある、あなたには恩ある)
意味は文脈により変わりますが、基本、何かを負っている人は「I」で、その対象となっている人は「you」であり、その関係性を示すのに使われるのが前置詞の「to」となります。これはわかりやすいですよね〜(笑)。
また、同じ意味を表す別の表現もあります。
I am indebted to you.
indebt(インデッ(ト))という言葉は、「…に負債を負わせる、責務を負わせる」といった意味を持つ古い言葉(動詞)で、今はそのまま動詞として使われることはありません。通常は、be indebted toという形をとり、indebted(インデティッド)は、誰かに何かを負っている、おかげである等の意味を持つ形容詞となります。なので、前述の文章と同じ意味になりますね。
I am in debt to you. = I am indebted to you.
「ほとんど同じ言葉のつながりじゃん!」あ、はい…おっしゃる通りです。最初の文章では、in debt(前置詞+名詞)、後の文章ではそれらの2語が一つになったindebtという動詞が過去分詞の形をとり、indebtedとなり、品詞は形容詞となります。この形は、be interested in のinterested、be surprised atのsurprisedと同じと考えると、分かりやすいですよね。
前置きが長くなりましたが…ということで、I am in debt to youやI am indebted to youと言えばその意味は文章構造上納得なわけですが、それが以下の文章でも同じ意味だと言われても…理解しがたいわけですよね〜(困惑)。
I am in your debt/I’ll be in your debt.(恩に着るよ。)*現在、未来の意味の違いこそあれ、基本、同じ気持ちを表します。
そこで、どうしてyour debtと言っているのに、debtを負っているのが自分(I)なのか、ネイティブスピーカー(アメリカ人)の友人に聞いてみました。友人はしばらく考えて…I have no idea.と言いました。そうです、ネイティブスピーカーの頭では、I’m in your debtと言えば、自分が相手に何らかの恩義(責務等)を感じているという意味でしかないのです!しかし、私としては、それでは納得いかない!そんな意味になるにはなんらかの理由があるはず!ということで、いろいろ調べてみました。その結果、理屈っぽい私をそれなりに納得させる説が見つかりました。よかった〜!(笑)。とはいえ、その説が真に正しいかは定かではありませんので、念のため…。ではその説をご披露します。
遠い昔、ある英語圏の国(アメリカかな?)ではいろいろな賭け事が流行っていました。そしてそこには、賭け事を仕切る元締めがいました。元締めは賭け事の内容に応じて賭けをする人を探し、お金を集め、勝った人たちにお金を配分します。基本、賭けをする人は元締めに現金を渡すわけですが、中にはつけにする人もいます。また、賭けに負けた場合、その仕組みによっては、ペナルティーとして、既に払ったお金以上の金額を払わなければならない場合もあります。そのような負債(debtデッ(ト))を抱えた人たちは、元締めのリストに載り、その後元締めはその負債(debtデッ(ト))を回収するべく様々な手を使って動くわけですが、お金(debtデッ(ト))を回収するのは大変です。同じ地域で賭けを行う元締めは当然一人ではなく、複数います。そこで、元締め同士が集まり、お互いの利益のためにお金の回収で協力するのが慣習となっていました。
「で…それが今回の表現と何の関係があるの?(苛立ち)」…あ、すみません、もうちょっと待ってくださいね(冷汗)。
続けます。各元締めが持っている負債者の借金・負債(debtデッ(ト))は、回収さえ出来ればお金に換えられますよね。つまり、「回収」という手続きは必要なものの、換金可能な債権と同じで、貴重なものだったわけです。元締めとしては自分の持っているdebtを早く回収したいわけですが、負債者によっては回収が容易ではない場合がある。怖い人とか〜いろんな性格や環境の人がいますよね。そこで、元締め同士が集まり、お互いに利益が出るように、それぞれが持っている回収のためのdebtを交換するのです。
ある元締め曰く、「この男は負債額(debt)が多いので回収すればそれなりに儲けは多いんだが、どこにいるか分からないんだな〜。」それに対してある元締めが「俺の部下はいろいろなネットワークを持っているので、探すのはそんなに難しくないな。ならば、俺が持っているdebtとそれを交換するかい?あんたが持っているその男のdebtより金額は少なくはなるが、これは回収にそんなに手間はかからないんで、儲けは早く手に入れることができるが…どうする?」といった話があったような、なかったような…(笑)。で、お互いのメリットを考えて、元締め同士でdebtを交換するわけです。
あ、ここまで言えばもうわかりましたよね。ん?わからない?…つまり、元締めにとっては、持っているdebt(デッ(ト))は自分の負債(debt)ではなく、回収すれば利益になる他人のdebtというわけです。そこで今回の表現をもう一度見てください。
I’ll be in your debt.
(恩に着るよ。)
I am in your debt.
(君のおかげだよ・感謝してるよ)
そう、元締めたちの話を前提にすれば、自分が相手のdebtになる(debtのリストに入る)、そのことで相手は自分から何かしらを回収できる、得るものがある(できる)ということになりますね。ということは、自分(I)の立場からみると、自分は相手に何かを負っている、お金かもしれないし、恩かもしれないし…。なので、今回の表現は理屈的にも問題がないということになるわけです。では、おさらいしましょう!
1) I’ll be in debt.(借金することになるな〜。)
2) I’ll be in your debt.((君に)恩に着るよ。)
僕は君が回収するdebtの一部になるよ、という意味合い(語源)が、いつの間にか、自分が相手に何らかの恩義がある旨を意味する表現になった、というのが、私の調査結果となります。いかがでしょうか。それなりに納得してもらえたでしょうか?ちなみに、このことを前述したネイティブスピーカーに伝えたところ、Umm... Really? I don’t know.というのが返答でした(笑)。
理屈はともかく、今回の表現、I am in your debt.あるいは、I’ll be in your debt. 何かしてもらった時、あるいは、何かを頼んで、それをやってくれると相手が言ってくれた時には、I’m in your debt. or I’ll be in your debt.使ってみてくださいね。
それでは今回はこのへんで…。この長いblogを読んでもらって、本当にありがとうございました。I thank you so much for that. I’m really in your debt. Thank you, guys! See you in the next blog. In the meantime, take good care! Nao