脱サラ陶芸家の干支ワールド/「つち団子ブログ」

干支の置物づくりの様子をご紹介/登り窯を焚く/深山焼 深山工房つち団子(ミヤマヤキ)

良い窯

2011-11-25 | 登り窯復活プロジェクト

先日、いい窯を見つけたんです。益子に行く途中の山里にある、鉢の子窯さんです。というのも10年以上前に一度、訪ねていたのですが、あれから何十回と通り過ぎてはいたものの、今回の窯の件で、また寄ってみようと思ったのでした。Resize0574 Resize0575

主の伊藤さんの作品は、ほんとカッコイイです。上手いです。

そして、気さくなかたで窯の事を色々と教えて頂きました。

レンガは3000丁ほど使い、約1ヶ月で自作したそうです。

この窯は、黒い焼き物「南蛮焼」を焼きたいがための窯だということです。細く小割した赤松を窯上部に開けた4箇所の四角い穴から入れて作品をずっと覆ったまま長時間かけ焼くのです。ずっと還元状態ため温度が上がらないので鉄分の多い土で作るのだそうです。時としてピンク色が出たり、玉ダレが美しい作品が現れます。紅花の灰釉で、炭化をやっている自分にとって魅力的な窯であります。

そして来春の窯焼きの時には、ぜひ見せて頂きたいと、無理ムリにお願いして鉢の子窯をあとにしたのでした・・・・。

と、ここまでは良かったのですが、いざ帰ろうと車に乗り、キーを回してもセルが全く動きません・・・。ここは山の中で道路はトンネルばかり、どうやらライトを点けっぱなしだったようです。伊藤さんは見送りに出てくれております。「ヤバイ・・」。ずっと下り坂なので、押しがけの要領でエンジンがかかるかも・・・とサイドブレーキを下ろしソロソロと静かに進みだしました。

軽く会釈。変に思われるかも。

でも今はハイブリッドもあるから大丈夫かア。

先ず、T字路左折をクリアして、車は加速。ギアをトップに入れてクラッチを離すと「ガクッガクッ」。オシイ!ダメだ。

もう一回トライ!まただめ。もう一回またダメ・・・・・。

山道を数キロ降りてきて・・・とうとう諦めました。

ここは携帯電話も通じずどうしようもありません。鉢の子窯に戻るしかない。

「えっ~」かっこ悪い!けどしょうがないよな~。

長い上り坂を、

人生は重き荷を背負いて 遠き道を行くが如し・・

「家康だっけ・・」

背中に重い荷を感じながら

トボトボ登って行ったのでありました。

コメント
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