きょう2012年12月21日はマヤ暦による世界滅亡の日なのだそうだ。中国ではこの終末論が拡大して、影響を受けた男が数日前に学校で刃物を振り回し、子どもたちを刺傷させるというおぞましい事件も起きた。
テレビニュースを見ていると、マヤ文明の遺跡に集まった人たちの中の一人の紳士は「ここにいれば宇宙人が助けに来てくれる」と真面目な顔をして言っていた。フランスの小さな村では「ここいれば生き残れる」と噂が広まって大勢の人が集まり、警察官まで出動する騒ぎの中、インタビューされた中年男性は「世界滅亡の危機が来ても警察官が救ってくれるさ」と語っていた。こちらはどこまで本気やら冗談やら…
マヤ文明で用いられた長期暦というのが、2012年12月21日から12月23日頃に1つの区切りを迎えるとされることから連想された終末論であるという。よくある話のひとつだろうけれど、世界中のマスコミが煽るせいか、騒ぎが各国に波及しているのはちょっと怖い話だ(その点、日本人は概ね無関心なのでよかった)。
「世界の滅亡」をテーマにした映画では「渚にて」や「ディープ・インパクト」「インデペンデンス・デイ」などが有名だけれど、僕らの世代はこういうテーマになると必ず「ノストラダムスの大予言」を思い出す。五島勉という人が書いたこの本は1973(昭和48)年に発行され、バカ売れして、どこの書店にも在庫がなくなるほどブームになった。「1999年の7月に“恐怖の大王”が来て人類が滅びる」…という話で、翌年には東宝で映画化もされた。でも僕はこの本は読んで、な~んだつまらない…という感想しか持てなかった。同じような時期に刊行された小松左京の「日本沈没」のほうが、その何十倍も面白かった。
定かではないが、この「ノストラダムスの大予言」の影響を受けて、後にオウム真理教が生まれた、とも言われている。終末論というのは、とにかくそこから広がって行く恐ろしい要素をいっぱいはらんでいる。
さて、年の瀬も迫ってきた。2012年もあと10日で無事(?)に暮れようとしている。平成24年というのは、僕が昭和24年生まれだけに、何となく親近感を覚えてきた1年間だった。
で、来年は平成25年…ということは、平成の御世になって早くも四半世紀が過ぎるわけである。あれからもう四半世紀か?…と思うと不思議な感じがする。
あれから、というのは…
昭和天皇が崩御されたのが昭和64年(1989年)1月7日だった。そして1月8日に元号が昭和から平成に変わった。たまたまその翌9日は、僕が40歳の誕生日を迎えた日だった。つまり平成が誕生した1月8日は、僕の30代の最後の日でもあったのだ。そのことが、大げさではなくつい最近のことのように思われる。「月日の経つのは早いなぁ」というのは、近頃の僕の口癖になってしまった。
「昭和族」という言葉がある。いろんな意味合いで使われるようだけど、たとえば元号が平成に変わって、昭和生まれの人の年齢が、単純に引き算ができないから何歳なのか分りにくくなった。そこで、昭和から通算して数え、今年は昭和でいうと87年なので、それを頭に入れておけば昭和何年生まれの人はいま何歳かすぐにわかる。うちの母親は昭和3年生まれだが、親の年齢をいちいち覚えていられなくても、87から3を引いて84歳だとすぐに分かるから、なかなか便利だ。
この「今年は昭和で言えば〇〇年だ」と言う人のことも「昭和族」と称するそうである。僕もその意味で「昭和族」の一人なんだなぁと思う。
さあ、来年は「昭和88年」だ~。また頭を切り替えなければ。
ちなみに去年は「大正100年」だった。
「昭和100年」を迎えるのは、あと12年ちょっとである。…とずいぶん先のことを書くようだけど、この調子ならあっという間に経ちそうだ。
もっとも、まだ世界が滅亡していなければ…という条件つきですけれど。