FF14はスタンダードプランだと8人までキャラクターを登録できる。いろんなワールド(サーバー)にキャラ作って友達いっぱい増やしてねってことだと思われる。
せっかくなので、僕もメインで使っているキャラとは別に作ってみた。ミコッテ(猫耳種族)の女性、通称メスッテのサブキャラクターをメイン男と同じワールドに作ってみた。

FF11ではキャラクター間のアイテムやお金のやり取りができたので、荷物を持たせる専用の「倉庫キャラ」を作ったもんだが、FF14はキャラ間のやり取りが基本的にできないので、単に別のキャラである。
サブ子がエオルゼアに降り立ったとき、我がワールドはキャラが少ない時期に適用される「優遇ワールド」だった。優遇時にデビューしたキャラには経験値が2倍になるブースト効果が付くらしい。
へぇ。それいいね。
そのときは漠然とそう思っただけだった。当時の僕はメインキャラのメインクエストを進めるのに忙しく、サブ子で遊ぶ時間がなかなか取れなかった。
だが、たまに遊んだときは楽しかった。走る速さやジャンプの高さはメインのヒューラン男と同じだと思うが、身のこなしが軽やかで、体重が軽いのが操作していて分かる。モーションだけでこんなに体感を変えられるのかと感心するほどだ。
そして、仕草や表情がいちいちキュートだった。スタイルもいいし。やたらダイナマイトなだけの「黒い●漠」の女性キャラとは比較にならない、自然で品のよい体型デザインである。
これは皆メスッテ使うわけだわ。ヒューラン(普通の人種)女子と違ってネカマ感も多少薄れるし。
そんな6月のある日、メイン男も優遇のときに作ってればなあ、生まれた時代が早すぎたなあとか思いながら、経験値ブーストって永久なのかと気になり出した。レベル70までなのは分かってるが。
調べると、そのキャラ作成から90日だった。
やべえ。
保存してあるサブ子の外観データの日付は4月27日。つまり、経験値ブーストは7月25日までだ。
サブ子のジョブは幻術士(白魔道士)だった。急いで上げなきゃ、と焦るも、マイチョコボがない。テレポが一部しか解放されてない。移動がままならない。エオルゼアライフのための基本的な各種解放作業がまだまだ残りすぎている。
そしてまた白魔道士が弱い。レベルが上がれば攻撃力もそこそこあるらしいが、レベル20代だと同レベルのモンスターとタイマンがギリギリ。複数に囲まれたら危ない。主兵装のストーンが詠唱に二秒ちょいかかるので連打が効かず、接近されたら弱い。
2倍なのになかなかレベルが上がらない。ストレスがたまる。メイン男も進めなきゃならんのに。何か経験値ブーストを有効活用する方法はないものか。
数日間熟考して僕は課金アイテムの「冒険録」を使うことにした。「紅蓮の冒険録」は「紅蓮のリベレーター」までのメインクエストをクリアした状態になるアイテム。それと1つのジョブをレベル70にするジョブ毎の冒険録がある。本来は、すでにやってる友達と一緒に遊ぶために、新規が追い付くためのアイテムらしい。
二つ合わせて5400円は安くないが、経験値ブーストを有効利用するためだ。もはや目的と手段を履き違えているというか、本末転倒な気もするが、使ってみて「これは後悔はないな」と思った。
これはいい。なんの苦労もなくレベル70になっている。楽だ。
しかも、レベル70の最強装備「スカエウァ装備」一式と、旅の資金100万ギルまで貰えた。さらに、もう一式スカエウァ装備を整えられるだけのアイテムも。ちゃんとお金を払えば、それだけのものが貰えるんですよ。ガチャゲーとは違う。

ジョブの冒険録は機工士を選んだ。ヒーラーは白で懲りた。タンクは野良パーティーを先導する自信がない。シャキるまでに時間がかかるが、やはりDPSが気楽だ。機工士はメイン男でちょっとやってみて面白かったし、遠隔なのにキャストタイムがない(スキル即発動)のがいい。
というわけで、白魔道士のレベル上げ再開だ。白でクエストを受け、機工士で危険地帯を移動し、現地で白にチェンジして戦闘し、機工士で戻って白で報告。普通に正直に白を上げるより効率的だ。
だが、思わぬ落とし穴が待っていた。もっとも経験値を稼げるメインクエストは、すでにクリアしたことになっているのだった。
今の僕なら「レベルレ回せ」というところだが、当時の僕にその考えはなかった。どこのダンジョンをやらされるかわからないのが不安だった。ギミックをちゃんと覚えてないし、DPSと違ってヒーラーはパーティーの生死を握っている。責任が重い。
嗚呼、困った。時間ないのに。
いつものようにグリダニアのエーテライト広場を走ってたら、青い(!)マークを見つけた。いつもそこにあるやつ。いつもあるから気にしてなかったが、それはガンブレイカーのジョブ解放クエストNPCだった。
それだ。
FF14のジョブには、レベル1から普通に始めるやつと、途中から始めるやつがある。拡張パックで追加されたジョブは、途中から始まる。例えば暗黒騎士はレベル30から始まる。漆黒で追加されたガンブレイカーと踊り子は、最初からレベル60のジョブだった。
ガンブレイカーをブーストを生かしてレベル70まで上げる。貰ったスカエウァ装備もう一式がそこで使える。レベル60スタートならほとんど何をするにも不自由はない。何よりガンブレイカーはタンクだし。
タンク自信ないんじゃなかったっけ?
そりゃ野良でタンクやる自信はないが、レベル70までは蛮族デイリークエストでなんとかなる。あとはフェイスというNPCとダンジョンに通えば80まで上げられる。漆黒のメインクエストは途中に野良と組む討滅戦があるが、それは先行している機工士でやればいい。
あとガンブレイカーはメイン男で少しやってるので、操作に慣れてるのがいい。実は機工士は全然分からなくて難儀した。いきなりレベル70のフルセットのスキルを並べられて、さあ使えと言われても、って感じであたふたして、同レベルの敵に殺されかけたりした。

そんなわけで、ブースト期間残り二週間ほどでガンブレイカーを70まで上げなきゃならない。別に70じゃなくても、69で終わってもいいのだが、ブーストが70までなので、生かしきるには70だと僕は固執していた。
FF14で経験値アップといえば、普通のヒカセン(光の戦士)ならモブ討伐時だけだと思うだろう。ノンノン。優遇ワールドのブーストは、全部の経験値が対象だ。クエストの経験値も2倍なのだ。それプラス、レストボーナス等も付く。蛮族デイリークエストを1日分12個やると、レベルにもよるが400万くらい経験値がもらえるのである。
夕食後、ログインしてサブ子の蛮族デイリークエスト。毎日4つのエリアに通って同じようなお使いをこなす。お風呂に入って選手交代。メイン男でログインしてFCメンバーに挨拶し、漆黒のクエストを進める。全部の時間をメイン男に使えばもう少し早く漆黒を終わらせられるんだけどなあ。でもサブ子かわいいしなあ。
今なら攻略手帳のFATE10回もやれよというところだが、当時の僕はひたすら蛮族を回して68かな?になって残り三日を迎えた。ちょっと遅れてるかも。もうNEXTの経験値が1000万とかになっているレベル帯なのだ。ギリギリだ。
仕方ないので残り三日間はメイン男を封印し、サブ子に集中。蛮族の好感度アップでクエスト追加もあり、なんとか7月25日午後11時とかの際どい時間にガンブレイカーが70になった。
翌日からは反動で、メイン男ばかり使っていた。そっちの漆黒もまだまだ先が長く、どんどん進めて行かなくてはならなかった。
(続く)