オバマ大統領は27日午後、サミット会場の三重県志摩市からヘリコプターと専用機「エアフォースワン」を乗り継いで広島入りした。午後5時半前、西日が差す平和記念公園に到着すると、まず被爆者の遺品などを展示する広島平和記念資料館(原爆資料館)に向かった。志賀賢治館長らによると、館内では館側がロビーに用意したいくつかの展示物を見て回った。中でも関心を抱いたのは、被爆後に闘病生活を続けて12歳で亡くなり、平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルにもなった佐々木禎子さんが折った鶴だ。出迎えた小中学生に和紙の折り鶴を渡す場面もあった。「少し手伝ってもらったが自分で作った」と話したという。自作の折り鶴は子供に渡したほか、記帳した芳名録の横にも置いた。
中国外務省の華春瑩副報道局長は27日の定例記者会見で、先進7か国(G7)主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の首脳宣言に南シナ海の現状に対する「懸念」が明記されたことについて「強烈な不満」を表明した。華氏は「G7が南シナ海問題をあおり立て、緊張を誇張することは、情勢の安定に役立たない」とした上で、G7メンバーに対して「領土問題で特定の立場をとらないという約束を守り、一切の無責任な言動をやめる」よう求めた。また、一方で、中国外務省によると、オバマ米大統領の広島訪問について、王毅外相は27日、一部メディアに対し、「広島は注目を払うに値するが、南京は更に忘れるべきではない」と述べた。