シリアのアサド政権を軍事面で支援するロシアのプーチン大統領は7日、米国による攻撃に激しく反発した。ペスコフ大統領報道官は「大統領は『主権国家に対する侵略であり、国際法違反だ』と考えている」と述べ、米国を厳しく批判した。今回の攻撃で、プーチン氏が目指してきたトランプ政権との関係改善への期待は完全に裏切られた。米国のティラーソン国務長官が12日にロシアを訪問し、ラブロフ外相らと会談する予定だが、激しいやり取りが予想される。ロシア外務省は7日、シリア上空で米ロ両軍の安全を確保するための合意について、効力を停止すると発表。2015年10月以降続いた両国による飛行計画などの情報交換が中止される。両軍の偶発的な衝突の恐れも出てきた。
米国防総省は6日夜(日本時間7日午前)、米軍が巡航ミサイル「トマホーク」59発をシリアの同国空軍基地に発射したと発表した。シリアのアサド政権が同国北西部での空爆で化学兵器を使用したと断定し、対抗措置として軍事作戦に踏み切った。市民への無差別攻撃に対し、トランプ米政権は、軍事力の行使もいとわないとの姿勢を強く打ち出した。米軍のアサド政権に対する直接攻撃は初めて。
善光寺(長野市)の天台宗側のトップ、小松玄澄貫主(83)が職務をまっとうしていないとして、寺を共同運営している「大勧進」は2日の役員会で、小松貫主の給与を4月から停止し、副住職を職務代理者に推挙することを決めた。小松貫主に対しては、善光寺傘下の住職らでつくる「天台宗一山」の代表者たちが昨年6月、「職員に対して差別的な発言をした」などとして本堂への出仕停止を求める通告書を出した。これを受け、小松貫主は出仕を自粛していた。小松貫主は「差別発言はしていない。役員会に給与を止める権限はない。本人が辞めると言っていないのに、なぜ代務者をたてられるのか」などと反論している。
犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案は6日、衆院本会議で審議入りした。与党は4月中の衆院通過と、今国会での成立を目指す。野党側は「捜査機関が乱用する恐れがある」として、廃案を目指し徹底抗戦する構えだ。安倍晋三首相は「東京五輪・パラリンピックの開催を控え、テロ対策に万全を期すことは開催国の責務だ。国内法整備のためには法案成立が不可欠だ」と述べた。金田勝年法相は趣旨説明で「近年における犯罪の国際化と組織化の状況に鑑み、必要な法整備を行う」と意義を強調した。
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞(電子版)は5日、北朝鮮の軍事力について「水爆など多様化、軽量化された核兵器と運搬手段」を保有していると強調した。その上で「韓国と太平洋の米軍基地、米本土までも攻撃圏内に入れている」と主張し、常時攻撃が可能な状態だと威嚇した。また、金正恩朝鮮労働党委員長を狙った米国の「特殊作戦」が明らかになり、そのための兵力が韓国に展開中だと指摘。この状態が続く限り、「任意の時間に、事前警告なしに敵を無慈悲に踏みつぶす」と言及した。
ロシア第2の都市サンクトペテルブルクの地下鉄で3日午後(日本時間3日夜)に起きた爆発事件について、捜査当局は、イスラム過激派が関与する自爆テロとの見方を強めている。タス通信によると、爆発による死者は11人に増え、負傷者は51人となった。爆発について犯行声明は出ていないが、インターファクス通信によると、捜査当局は中央アジア出身の23歳の男が地下鉄「センナヤ広場駅」と「工科大学駅」の間を走行中の車両内で起爆装置を作動させ爆発を引き起こしたと見ている。男は爆発があった場所とは別の地下鉄の「蜂起広場駅」にも爆発物を仕掛けた疑いがあるという。同駅では3日、消火器に見せかけた爆発物が発見され、専門部隊によって処理されたという。
岸田外相は3日、韓国・釜山の日本総領事館前に昨年末、慰安婦を象徴する少女像が設置された問題への抗議のため、1月9日から一時帰国中の長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山日本総領事を4月4日に帰任させる方針を表明した。岸田氏は外務省内で記者団に、「大統領選の情報収集や、北朝鮮問題に対処するうえで、高いレベルの緊密な情報交換や連携の必要がある。慰安婦問題に関して、黄教安大統領代行に、日韓合意の強い順守を働きかけ、次の政権に継承してもらう必要がある」と語った。
天皇、皇后両陛下は2日朝、皇居外周の歩道を「お忍び」で散策し、見頃を迎えた沿道の桜を楽しまれた。宮内庁関係者によると、両陛下は皇居内にある住まいの御所周辺や、東御苑などを毎朝散策するのを日課としている。この日は午前7時半すぎ、東御苑から北の丸公園側の外周に約5分間、足を延ばした。両陛下は2014年4月にも桜を見るために同様のルートを散策したことがある。
気象庁は2日、東京都心で桜(ソメイヨシノ)が満開になったと発表した。全国で最も早い満開宣言で、平年より1日早く昨年より2日遅い。2日午前、気象庁の職員が靖国神社(千代田区)の境内にある標本木の花のうち8割以上が咲いているのを確認した。民間気象会社の予想では、3月中旬以降の寒の戻りで九州や四国を中心に開花が遅れたが、今週末にかけて西日本や東日本で広く満開になり、見ごろを迎えそうだ。北日本の開花は平年並みの予想で、宮城県、福島県が4月上旬、ほかの東北各県は中旬以降。北海道は4月末から5月にかけて開花する見通し。
米国株式市場で新政権の経済政策に期待して買いが先行する「トランプ相場」の息切れが鮮明になってきた。3月月間のダウ工業株30種平均は149ドル安と5カ月ぶりに下落。昨年11月にトランプ氏が大統領に当選してから初めて月間でマイナスとなった。3月31日のダウ平均終値は前日比65ドル27セント(0.3%)安の2万0663ドル22セントだった。ニューヨーク連銀のダドリー総裁やセントルイス連銀のブラード総裁などの緩やかな利上げペースを示唆する発言が相次ぎ、米長期金利が低下(価格は上昇)。金利低下が収益の重荷となる金融株を中心に売りが優勢となった。
韓国検察は31日未明、前大統領の朴槿恵容疑者(65)を収賄や職権乱用などの疑いで逮捕した。朴容疑者の支援者のチェ・スンシル被告(60)の国政介入疑惑に端を発した一連の事件は、国会の弾劾訴追による初めての大統領罷免を経て、逮捕に発展した。韓国で大統領経験者が退任後に逮捕されたのは、1995年に内乱罪や不正蓄財などに問われた盧泰愚氏と全斗煥氏以来、22年ぶり3人目。