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2017-11-23 20:18:22 | 経済指標(製造業)
『初の国産量子コンピューター 無料公開
11月20日 19時14分IT・ネット
スーパーコンピューターをはるかにしのぐ性能が期待される次世代のコンピューター、「量子コンピューター」の初の国産機の開発に成功したと国立情報学研究所やNTTなどのチームが発表しました。複雑な組み合わせを解く問題でスーパーコンピューターの100倍のスピードを発揮したということで来週から世界中の研究者が利用できるようインターネット上で無料公開するということです。
量子コンピューターは、光の粒や電子など量子と呼ばれる極めて小さな物質の世界でおきる物理現象を応用した次世代のコンピューターです。

カナダのベンチャー企業が6年前、世界で初めて販売を始め、グーグルやIBM、マイクロソフトなどの大手IT企業も開発を進めるなど世界中でしれつな競争が展開されています。

初の国産量子コンピューターの開発に成功したと発表したのは、国立情報学研究所やNTT、それに東京大学など国のプロジェクトチームです。

従来のコンピューターでは、半導体の電圧で「0」か「1」の情報を表現し計算処理を行いますが、この量子コンピューターでは、全長1キロのループ状の光ファイバーに光の粒を大量に入れ、この光の粒が「0」であると同時に「1」でもあるという量子力学の特殊な物理現象「重ねあわせ」を応用することで超高速の計算を行います。

チームでは、送り込む光の粒を2000個にまで増やし計算能力を高めることに成功した結果、10の600乗以上という宇宙空間に存在するとされる観測可能な原子の数よりも多い組み合わせの中から最適な組み合わせを選ぶ問題をスーパーコンピューターの100倍のスピードで解くことに成功したということです。

この能力を使えば、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムで観客数万人が同時にスマートフォンなどの無線LANを使った場合近隣の基地局にどうつなげば混乱を起こさないかや、大都市の交通渋滞の解消、病気の原因となるたんぱく質に結合してその働きを抑える物質を膨大な数の化合物から探しだし画期的な新薬を開発することなどが期待できるということです。

プロジェクトチームによりますと国産の量子コンピューターの開発に成功したのはこれが初めてで、今月27日から世界の研究者が利用できるようインターネット上で公開し、利用方法を広げるためのソフトウエアの開発や性能の向上を目指すことにしています。

スタンフォード大学名誉教授の山本喜久プログラムマネージャーは、「今回公開する量子コンピューターの性能は現時点で世界最高峰だと自負している。世界に公開することで改善点や新たな利用法を見つけ出し、量子コンピューターを日本のお家芸としたい」と話しています。
国産量子コンピューターの原理
今回、開発された国産量子コンピューターは、光の粒など極めて小さな世界で起きる「重ねあわせ」と呼ばれる物理現象を応用し、超高速の計算を実現しました。

量子コンピューターの中に入っているのは、全長1キロのループ状の光ファイバーです。

この光ファイバーに光の粒を大量に入れると「0」と「1」の両方の状態を示す「重ねあわせ」とよばれる現象を示しながら超高速で回転します。

そこにどのような組み合わせ問題を解くのか問題内容を表す別の光の粒を入れてやると光の粒が互いに影響しあい、全体のエネルギーが最も低い状態、つまり最も最適な組み合わせの計算結果が一瞬にして出る仕組みです。

カナダのベンチャー企業が6年前、世界で初めて発売した量子コンピューターでは、この「重ねあわせ」を摂氏マイナス273度ほどという絶対零度近くまで冷やし超伝導状態にした金属の中で電子を使って作り出していましたが、今回の国産量子コンピューターは光を使うため室温で動作する点がすぐれているということです。
しれつ化する開発競争
量子コンピューターは1980年代にその理論が提唱され、多くの研究者が開発に取り組んできましたが、実現するのは早くても今世紀の末頃だろうと言われていました。

ところが6年前の2011年、カナダのベンチャー企業、「D-Wave Systems社」が世界初となる量子コンピューターを発売し、世界を驚かせました。

このマシンは膨大な組み合わせの中から最適な解を探す「組み合わせ最適化問題」に特化した「アニーリングマシン」と呼ばれるタイプのものでグーグルやNASAなど世界的な企業や機関が次々と導入し、高い能力が明らかになりました。

これに対し、グーグルやマイクロソフト、IBMなどの大手IT企業も独自に量子コンピューターの開発を進めこのうちマイクロソフトは量子コンピューターで使用する独自に開発したプログラム言語をことし9月、初めて公開しました。

またIBMも、開発中の量子コンピューターをインターネット上で公開し、性能を試験できるサービスを始めています。

次世代のコンピューターと期待される量子コンピューターは、世界のスタンダードとなればばく大な需要が見込まれることから、先陣争いの開発競争はしれつを極めています。
複雑な人間関係 2000人の分け方
今回、国産量子コンピューターが性能を発揮したのは、「組み合わせ最適化問題」と呼ばれる問題です。

互いに仲のいい悪いの人間関係がある人を、仲の悪い人が最も少なくなるよう2つのグループにわけるとします。全体の人数が増えていくと組み合わせの数は指数関数的に増え、その計算には膨大な時間がかかるようになります。

今回国産量子コンピューターが挑んだのは、2000人にまで増えた場合。組み合わせは、10の600乗以上。宇宙空間に存在するとされる観測可能な原子の数よりも多いと言われますが、計算を始めると一瞬で2つのグループにわけられました。

かかった時間0.005秒以下。

スーパーコンピューターの100倍のスピードでした。

こうした量子コンピューターの能力は大都市の複雑化した交通網や電力網、それに無線通信のネットワークを最適化したり、膨大な組み合わせが考えられる化合物から新たな薬を開発したりするなど現代社会のさまざまな分野で大きな力を発揮すると期待されています。
消費電力はスーパーコンピューターの100分の1
量子コンピューターは、その計算速度だけでなく消費電力量の面からも注目されています。

現在使われているコンピューターは、半導体の電圧の切り替えなどで情報処理を行うため、計算量が増え大型化するとそれだけ消費電力も大きくなります。大手IT企業も巨大化したデータセンターなどの消費電力量をどう削減するのか課題に直面しています。

これに対し、量子コンピューターは量子の「重ね合わせ」状態を作り出すために、コンピューターの回路を絶対零度近くまで冷やしたり、光の信号を発生させたりする際に電力が必要になる程度で、消費電力ははるかに少なく済むといいます。

プロジェクトチームの山本喜久プログラムマネージャーによりますと、今回の国産量子コンピューターの単位時間当たりの消費電力は1キロワットほどで、計算能力を比較したスーパーコンピューターのおよそ100分の1だということです。』
『イジングマシンを再現したシステムに、カナダD-Wave Systems社が既に販売する「D-Wave 2000Q(2000Q)」などがある1)。1)野澤,「16qubitsの量子コンピュータ,カナダのベンチャーが開発」,『日経エレクトロニクス』、2007年3月12日号,pp.32-33.

2000Qは、動作原理は完全に物理現象である一方で、量子ビット同士は、配線を用いて結合させるため、実装上の制約から結合数は最大で約1万2000本。「実施的に約60量子ビットのシステムになっている」(ImPactにおけるプログラム・マネージャーである山本喜久氏)という。

 一方、QNNはすべての量子ビットを実質的に結合させることが可能で結合数は最大400万本。「2000Qでは入力できない問題も扱える」(山本氏)という。

QNNの特徴は、(1)上記のように量子ビットの全結合が可能なこと、(2)「位相感応増幅器」を用いて量子ビットのエラーを自然に訂正する仕組みを備えており、人工的なエラー訂正が不要なこと、(3)常温で動作すること、(4)さらなる規模拡張も比較的容易なこと、(5)解を得る手法として、D-Wave社の量子アニーリングとは異なる、「局値解」に捕まりにくい手法を用いていること、などだ。』日経テクノロジー


Large-scale Ising spin network based on degenerate optical parametric oscillators
Takahiro Inagaki, Kensuke Inaba, Ryan Hamerly, Kyo Inoue, Yoshihisa Yamamoto & Hiroki Takesue
Nature Photonics 10, 415–419 (2016)
doi:10.1038/nphoton.2016.68
Download Citation
Condensed-matter physicsNonlinear optics
Received:
24 November 2015
Accepted:
10 March 2016
Published online:
18 April 2016


/量子コンピュータを大別すると「量子ゲート方式」と「量子イジングマシン方式」に分類でき、さらに量子イジングマシン方式は「量子アニーリング方式」と「レーザーネットワーク方式」に分けることができます。先述のD-Waveは「量子アニーリング方式」ですが、他の方式の量子コンピュータへの期待も高まっています。 日本発の量子コンピュータである「レーザーネットワーク方式」の開発を手がける国立情報学研究所(NII)の山本喜久教授の研究チームは、2014年3月に実マシンを使った動作原理の確認に成功したと発表しました。2019年までの実用化を目標としており、「2の5000乗回の繰り返し計算を10マイクロ秒で完了できる」マシンの実現をめざしているとのこと。 また、「量子ゲート方式」の量子コンピュータの開発を手がける米IBMは2016年5月、量子コンピューティングプラットフォーム「IBM Quantum Experience」を公開しました。パソコンやスマートデバイスからIBMの量子プロセッサにアクセスすることで誰でも実験に参加でき、アルゴリズムの実行や個々の量子ビットの操作、量子コンピューティングで何を実現できる可能性があるかに関するチュートリアルやシミュレーションの探索などが可能/山本教授が2019年の実現を目指しているのは、「2の5000乗回の繰り返し計算」を10マイクロ秒で完了できるマシンだ。2の5000乗は、10進数で約1500桁の数になる。1秒間に1京回の計算ができる理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」を1京台集めて100億年計算し続けたとしても完了しない回数の計算を一瞬で完了できる夢のマシンとなる。/米国標準技術研究所は「2030年にも、RSA暗号を解読する量子コンピューターが出てくる」と予言する。/東京工業大学教授 西森秀稔氏 量子コンピューターの開発は日本勢も頑張ってきた。NTTや富士通はDウエーブより優れた開発陣と技術を持っていたにもかかわらず、実用化で後じんを拝したのは残念だ。私のアイデアを使ったDウエーブの技術は、量子コンピューターのデファクトスタンダード(事実上の標準)になりつつある。今では資金・人材面でも日本勢はかなわなくなっている。日本は政府の支援も乏しい。文部科学省は2018年度予算の概算要求で、「光量子技術の推進費用」として32億円を提示したが、このうち量子コンピューターに費やす予算は、多く見積もっても4分の1程度。官製プロジェクトの期間はだいたい5年間で、結果が出ていないと判断されれば打ち切られてしまう。日本は米国や中国のように軍事大国ではないため、量子コンピューターが国家プロジェクトだと認識されにくい事情もあるのはだろうが、この体制で戦っていくのは厳しい。そのうえで日本の量子コンピューター技術が息を吹き返すカギは2つだ。汎用志向をやめてターゲットを絞って開発に努めること。もう一つは民間金融の活力を生かすことだ。






以上は種々のメディアスラップ。このニュースを見て思った。各記事も何かよくわかっていないまま書かれているようだが、汎用拡張性が本物なら米国標準技術研究所が予測する2030年どころか2020年には、暗号化通信も鍵情報などもはや無意味。今は組合せ最適化問題はデジタル式のコンピューターが苦手としている問題であるからよくでてくるが、方法を変えれば長尺問題も可能となり暗号解読も一瞬にできるようになった。

これで将来、人間と機械の戦争になったら、人間は部隊が丸見えで、機械には勝てなくなった。国家としてこの人たちをガードしなくても良いのだろうか。道脇ゆるまないネジの発明はほんの僅かな時間だったらしい。「僕自身、昔から自分がどうやってアイデアを思いつくのかずっと考えてきましたが、ロジックとして説明できるモノもある反面、説明困難なモノも少なくない(笑)。人工知能の高度化を図るうえで、この思考過程を解明することは、多分に価値があることだと思い、優秀な社内メンバーを入れてディスカッションをしてもやはりわからない謎が残る」

もうちょい考えてくれよ。相変わらず技術が理解されてない。

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