公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

『二度のお別れ』 などなど 黒川博行

2017-08-31 10:28:24 | 今読んでる本
面白いわけでないが、マメちゃんの大阪弁にハマる。鉄板のコンビ刑事もの華がないなどと言われた『二度のお別れ』『雨に殺せば』読み終わったので『迅雷』読み始めた。今度はヤクザ誘拐の全く違う作品だが東三国など土地勘が共通している。食品会社、カレーの匂い=誘拐=グリコ この人わざと書いているような気がする。偽名も喜四郎から貴志夫(「刑事被告人のような名前やな」と丁寧に読者に注意をうながす)。大きなピクチャーで観て楽しめるように黒川は書きながら読者との謎解きで遊んでいる。ピクチャーとは裏のない表はユートピアという事実。

『疫病神』『暗礁』と 『螻蛄』もついでに読了。少しだけ大阪の地名に詳しくなったかな。直木賞受賞『破門』も読み終わり、『喧嘩』、二足のわらじ最後の作品『海の稜線』を読み終えた。これは著者あとがきに泣ける珍しい小説。虚弱和歌山県警に何か含むところがあるのか?『落英』『繚乱 』読了。
 
パチンコ業界と競売稼業に取材した『果鋭』『繚乱 』 も読んだ。『後妻業』からここまで来たらもはや黒川ワールドファンと言っていいのかも。それにしても男女の濡場の書けない作家だこと。本人は華が無いという意味がわからないふりをしている。

右も左も腐れか狸や! 元刑事の名コンビがマトにかけたのはパチンコ業界。 出玉の遠隔操作、極道顔負けの集金力、警察との癒着……。 我欲にまみれた20兆円産業の闇を突く。 堀内信也、40歳。元々は大阪府警の刑事だが、恐喝が監察にばれて依願退職。不動産業界に拾われるも、暴力団と揉めて腹と尻を刺され、生死の境をさまよった。左下肢の障害が残り、歩行に杖が欠かせなくなる。シノギはなくなり、女にも逃げられる……。救ったのは府警時代の相棒、伊達誠一。伊達は脅迫を受けたパチンコホールのオーナーを助けるため、堀内に協力を求めてきた。パチンコ業界――。そこには暴力団、警察も入り乱れ、私腹を肥やそうとする輩がうごめいていた。堀内は己の再生も賭け、伊達とともに危険に身をさらしながら切り込んでいく。


主人公の一人桑原の道理をひこっめさせる一撃は、リアリティーの再構築という哲学的下死点だ。冷静に分析し、強い感情と結びついた判断を瞬時に下して顔面に拳をめりこます。これを一般化理論にしたのが世界を変えてきた真実のリアリティ。道理を摘んでいるだけの偽紳士には永遠に現実はやって来ないのだ。

直木賞受賞講評
『破門 』は 、そういう過去を簡単にぶち破った 。 『オ ール讀物 』二〇一四年九月号に掲載された選考委員九人の選評がそれをこれ以上ない言葉で証明している 。その一端を紹介してみよう 。 「細密なディテ ールの集積は 、まったく映像の表現しきれぬ 、小説ならではの世界である 。 (中略 )強く推した 」 (浅田次郎 )通常の人間社会の常識が通用しない異世界を見事に描いている 。会話の練り方も半端ではない 。 (中略 )作者にしか描けない独自の世界で 、それを貫くことで勝ち取った受賞だと思う 」 (東野圭吾 ) 「実は私は裏社会ものが苦手 (中略 )でもその結果 、私がこの小説を楽しく味わい 、テンポのいい会話にころころ笑ったのは当然のことだったのだとわかって安堵しました 」 (宮部みゆき ) 「独特なペ ーソスがあり 、それに色づけされた小説内の風景に棄てがたいものがあった 」 (宮城谷昌光 ) 「時折 、地の文でぴしっと描写してほしい 、と思うこともあるのだが 、大阪弁の台詞には地の文の表現はあまり合わないのかもしれないと気が付いた 。 (中略 )こんな技のある作家は他にいない 」 (桐野夏生 ) 「文句がつけようもないほど 、スピ ード感があって面白い 。 (中略 )この作品では会話体が描写になっていて 、そのあたりも独得の技である 。私は 『国境 』のころからこだわっていたので 、受賞作となった時 、安堵で大きく息を吐いた 」 (北方謙三 )


幻冬舎 価格: 1,800円(税別)


発売日:

2017/03/16

週刊プレ
パチンコ業界が断末魔の叫びを上げている。7月11日、警察庁が風営法施行規則を改正し、パチンコの出玉を大幅に減らす方針を打ち出したのだ。

ギャンブル性の低下により、ユーザーのパチンコ離れは必至の状況。今回の規制強化の真の目的とは? 今後、業界で何が起こるのか?

* * *

まずは今回の出玉規制の詳細を、パチンコ業界誌の記者が解説する。

「この方針が実施されると、一回の大当たりでこれまで2400個の出玉があったものが1500個ほどになります。また、出玉率も大幅に下がり、現行1時間の遊技時間で300%が220%未満に抑えられる。イメージとしては、現行のパチンコ台の性能が3分の2にスペックダウンすると考えればよいと思います」

この方針に頭を抱えるのは都内のパチンコ店関係者だ。

「ここ数年、パチンコ業界は不況で、参加人口はピーク時(1994年)の約3000万人から940万に激減してます。さらにパチンコ台のスペックが下がれば、その940万人もホールから遠ざかってしまいかねない。警察庁の発表後は、毎晩、ホールがガラガラになる悪夢にうなされています……」

北関東の準大手チェーン店の店長もこう心配する。

「今、ホールに通っているのは一攫千金(いっかくせんきん)が望める、いわゆる“爆裂機”目当てのヘビーユーザーが中心。しかし、新基準の台になると出玉が抑えられ、パチンコは小さな勝ち負けをダラダラと繰り返す退屈な遊びになってしまう。これでは一日で十数万円勝つことも珍しくない現行のパチンコシーンに慣れたヘビーユーザーが満足するはずがない。『パチンコはつまらなくなったからやめた』となりかねません」

前出の都内パチンコ店関係者によれば、ここ数年のパチンコ不況で、店は売り上げを2、3割落としているという。

「そこに今回の出玉規制ですから、売り上げは現状からさらに3、4割減るかもしれない。数年前に比べると、50%近い売り上げ減となる計算です。これではパチンコ店は経営が成り立ちませんよ」(都内パチンコ店関係者)





『ものいわじ父は長柄(ながら)の人柱 鳴かずば雉も射られざらまし』口は災いのもとという古いことわざ

自己犠牲美談プラス人情編の解釈

推古天皇の時代(飛鳥時代)、長柄橋の架橋は難工事で、人柱を立てることになった。垂水(現在の吹田市付近)の長者・巌氏(いわうじ)に相談したところ、巌氏は「袴(はかま)に継ぎのある人を人柱にしなさい」と答えた。しかし皮肉にも、巌氏自身が継ぎのある袴をはいていたため、巌氏が人柱にされた。非常に古い話が古典のように膾炙されるという奇跡。

巌氏の娘は父親が人柱になったショックで口をきかなくなった。北河内に嫁いだが、一言も口を利かないので実家に帰されることになった。夫とともに垂水に向かっている途中、禁野の里(現在の枚方市付近)にさしかかると一羽の雉が声を上げて飛び立ったので、夫は雉を射止めた。それを見た巌氏の娘は「ものいわじ父は長柄の人柱 鳴かずば雉も射られざらまし」と詠んだ[Wikipedia]。妻が口をきけるようになったことを喜んだ夫は、雉を手厚く葬って北河内に引き返し、以後仲良く暮らした。

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