公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

切り取りダイジェスト 有理数時間と無理数時間

2023-07-12 12:12:00 | 意見スクラップ集

この世の時間は時刻の累積として記録されているがそれらはすべてある時間の微小単位1秒間に9192631770回振動で分割された時の倍数 すなわち有理数の時刻である(1993年まで)。

2,3,3,5,7,7,47,44351 に素因数分解できる。


したがってわれわれは分数の倍数である有理数時間で満足し、それで実用上矛盾なく満足しているが、一方で無理数は数学的に無限に有理数の間の時間実数直線を満たしている。


エウクレイデスの原論以後、現代数学において、最も厳密な形で有理数の間に無限の無理数が存在することを証明したのは、ドイツの数学者であるゲオルク・カントールです。


カントールは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、集合論と解析学の分野で重要な業績を残しました。彼は「実数の連続体仮説」と呼ばれる仮説を提唱し、その仮説に基づいて有理数と無理数の間に無限の無理数が存在することを証明しました。


カントールの証明は、集合論や位相空間の理論を用いて行われました。彼は、実数の連続性を保証するために、有理数の集合と無理数の集合との間に1対1の対応関係が存在しないことを示しました。これにより、有理数と無理数の間には無限の無理数が存在することが証明されたのです。


カントールの業績は数学の基礎付けにおいても重要であり、彼の集合論のアイデアは現代数学の基礎からなくてはならない要素となっています。

カントールは以下のように考え、連続体仮説


連続体仮説: 自然数の濃度と実数の濃度との間には他の濃度は存在しない。 


に至った。

1個よりも多い最小の個数は2個である。2個よりも大きい最小の個数は3個である。このように、有限の個数に対しては1を足すことでそれ自身よりも大きい最小の個数を得ることができる。では無限の個数に対してはどうであろうか。自然数や実数は無限個存在する。これらの個数は異なるはずであるが、個数という呼び方をする限りいずれも「無限」である。これに対して、有限集合の場合の要素数の概念を無限集合にまで拡張した「集合の濃度」(二つの集合間に一対一対応が存在するとき二つの集合の濃度は等しいとする)を考えることにより2つの無限は区別される(詳細は濃度を参照)。無限集合の濃度(無限の個数)で最も小さいものは可算濃度(自然数全体の集合の濃度)である。しかし、可算濃度の無限集合に要素を1つ追加した集合もやはり可算濃度であり、有限集合の場合のように新しい濃度にはならない。可算濃度の無限集合同士の合併集合も可算濃度である。しかし、実数全体の集合は可算濃度ではないことが示された。そこで次に、可算濃度よりも大きい最小の濃度は連続体濃度(実数の集合の濃度)であろうと考えられた、これが連続体仮説である。
カントールは実数全体の集合と有理数全体の集合のちょうど中間の大きさの集合は存在することするかどうかいう問いをたてた。これは後になって連続体仮説とよばれ、結局通常用いられる集合論の体系からは証明も反証もできないことがわかった。
濃度の等式

{mathfrak {c}}^{2}={mathfrak {c}}
は濃度の算術を用いれば

{mathfrak  {c}}^{2}=(2^{{aleph _{0}}})^{2}=2^{{2	imes {aleph _{0}}}}=2^{{aleph _{0}}}={mathfrak  {c}}

と示すことができるが、二つの二進列に対する「挿入演算」(interleaving) の一種を考えれば直接的に示すこともできる。実数 x, y の二進展開を

{egin{aligned}x&=0.a_{0}a_{1}a_{2}ldots ,y&=0.b_{0}b_{1}b_{2}ldots end{aligned}}

とするとき、これらの二進展開に対する挿入

z=0.a_{0}b_{0}a_{1}b_{1}a_{2}b_{2}ldots

は x, y が一意的に二進展開可能であるとき矛盾無く定義される。二進展開が一意でないような実数は可算無限個しかない。


われわれの日常の物理観測時間とはスカスカの時刻の累積に過ぎないことを思い出す必要がある。有限な人間は同じ時計で無理数時間に待ち合わせできない。無理数時間は神の時間である。このように数学上の常識を知っているということは普遍的な全体像を知る武器になる。

今読んでる『時間の非実在性』ジョン・エリス・マクタガート - 公開メモ    DXM 1977  ヒストリエ

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香取先生画像
香取 秀俊 氏(東京大学大学院工学系研究科・教授)

1988年東京大学工学部物理工学科を卒業され、その後東京大学工学部附属総合試験所協調工学部門・助教授、同大学大学院工学系研究科物理工学専攻助教授など歴任され、現職である同教授に就任されました。香取教授の研究分野は、量子エレクトロニクス、特に、光原子時計とその応用に関する研究をされています。また、ラビ賞、仁科賞、紫綬勲章、日本学士院賞、江崎玲於奈賞、ブレイクスルー賞などを受賞しています。

普遍な振動現象を利用して、時間を共有する道具が時計でした。かつての天文観測に代わり、現在では、遥かに正確な周期性をもつ原子の振動が時間を決めています。さらに進化した原子時計は、重力によって曲がった相対論的な時空を映し出すことで他者との時間共有の難しささえ浮き彫りにし、原子時計が基礎をおく物理定数の恒常性まで研究の対象にしようとしています。2001年に提案した「光格子時計」は、現行の国際単位系の1秒の精度を100倍以上も凌駕し、「秒の再定義」を迫ろうとしています。この精度では、地上数センチメートルの高低差で、地球に近い時計は重力によって時間がゆっくり進むのを確認できます。最新の研究成果を紹介し、未来の時計の役割を展望します。


 「重力の大きさは時間に影響することが知られており、高い所ほど時間が速く進むが低い場所との時間の差は微々たるもので捉えることは難しい。ただ光格子時計だと計れる可能性が高く、約634メートルの東京スカイツリーの頂上付近と地上に小型の光格子時計を置いて実証実験を試みた。その結果、頂上と地上ではほんのごくわずかだが時間に差があることを示せた。これまでは宇宙から人工衛星を使って実験する方法が採用されていたが、光格子時計ならば地球上であっても実験できることを証明できた」


講演会は聞き逃した。



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