東北大学大学院工学研究科の輕部修太郎助教、新田淳作名誉教授らは、ルテニウム酸化物(RuO2)の反強磁性磁気秩序によって生成される全く新しいスピン流生成現象を発見し、さらにそれを応用することで、外部磁場を全く必要としない垂直磁化反転を実証しました。従来のスピントロニクス技術では垂直磁化反転に外部磁場のアシストが必要であり、応用上の大きな壁となっていました。本研究成果により、外部磁場無く効率的かつ、簡便なデバイス構造で磁化反転動作が可能となるため、情報保持や情報処理を担う磁気デバイスの高性能化が期待されます。
本研究成果は 2022 年 9 月 19 日付(米国時間)で米国の科学誌「PhysicalReview Letters」でオンライン公開されました。
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オープンアクセス論文
スパッタリング法で作製したCo置換La4BaCu5O13+δ薄膜の高温電気特性
辛禹錫1,*ORCID,鶴田昭宏1ORCID,伊藤俊夫1ORCID,赤松孝文1ORCIDおよび寺崎一郎2ORCID 著
1
産業技術総合研究所(AIST)、〒463-8560 名古屋市守山区下志段味
2
名古屋大学理学部物理学科 〒464-8602 名古屋市千種区不老町
*
著者名
Materials 2021, 14(10), 2685; https://doi.org/10.3390/ma14102685
投稿受理: 2021年3月22日 / 改訂:2021年5月12日 / 受理:2021年5月17日 / 掲載:2021年5月20日 2021年5月17日 / 掲載:2021年5月20日
(この記事は特集「エネルギー生産と貯蔵のための薄膜」に属しています。)
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要旨
RFスパッタリング蒸着と熱処理によって作製したLa4BaCu5O13+δ(LBCO)薄膜のペロブスカイト酸化物の高温伝導性を調べた。バルクのLBCO化合物は金属的であったが、スパッタリングとポストアニールプロセスによってSi基板上に成膜されたLBCO薄膜は半導体的な伝導を示し、これはSi基板上のLBCO薄膜の欠陥と乏しい結晶粒連結性に起因すると考えられた。SrTiO3基板上に成膜したLBCO膜は膜質が高く、金属伝導を示した。カチオンサイトCuをCoで置換した場合、LBCO膜は金属伝導を示した、