学術雑誌名:
Exp. Oncology, 2009, 31, p156-162
表題:
Platinum nanocolloid-supplemented hydrogen-dissolved water inhibits growth of human tongue carcinoma cells preferentially over normal cellsr
(水素水を補充した白金ナノコロイドは、ヒト舌癌(ガン)細胞の増殖を阻害するが、正常細胞には作用しない)
著者:
Y. Saitoh(広島県立大)
概要:
水素水及び白金ナノコロイドは、それぞれに酸化ストレス抑制作用を示すが、両者を併用した場合の効果については報告がない。
抗酸化活性はDPPH補足法によって測定し、殺細胞活性はヒト舌癌細胞HSC-4、及び正常細胞培養系を用いて評価した。
水素水は、白金コロイドの抗酸化ストレス作用を増強するとともに、白金コロイドとの併用により、HSC-4細胞のコロニー形成とサイズの増加を抑制したが、同系の正常細胞DOKには作用しなかった。
がん細胞に対しては、コンフルエント(高濃度細胞状)での細胞数と、ミトコンドリア機能を低下させた。水素水単独では、その作用は無かった。
水素水補充白金コロイドは、癌促進作用の抑制を介して、抗がん剤としての可能性が期待される。水素水情報館より
その後の続報がないからね。ミトコンドリアをどう選択するのかも不明です。 確かにin vitro 試験では水素との相乗効果があります。謎の部分もありますが、水溶液中では触媒効果を高めているらしい。細胞の中に白金ナノコロイドは入らないので、間接的効果ではないでしょうかね。
例えば、毛髪の源となる毛包幹細胞にとって、その機能が最も最適化される環境は低酸素状態といわれています。白金は酸素を表面に吸収するので、閉じた環境では、周辺の低酸素を誘導します。
長く電解水は酸化還元電位によって特徴づけられてきたが、その正体は不明なままだった。活性水素などという水中でありえない仮定に基づくものは考慮しない。
最近、理化学研究所によって水和電子の安定化エネルギーは、水(H2O)中で3.27eV、さらに重水(D2O)中で3.20eVと求めることができた。意外と高いエネルギーである。SDSミセルの安定化エネルギーは4X10の−20乗Jだから、1Jが6.242X10の18乗eVなので、0.24eVと比べても、はるかに安定である。これが酸化還元電位の正体ではないかと思う。