GPC1特異的CAR-Tは、抗PD-1抗体との併用により、高い治療効果が得られることをマウスモデルで示し、その仕組みの詳細を明らかにしました。
タイトル:
Glypican-1 specific CAR-T cells eradicate established solid tumor without adverse effects and synergize with anti-PD-1 antibody therapy
タイトル和訳:
グリピカン-1 特異的 CAR-T 細胞は副作用なく固形がんを排除し、抗 PD-1 抗体併用により相乗的な効果を示した
著者名:
加藤大貴、谷口智憲*、岩田卓、加藤侑希、守井賢二、坪田欣也、滝瀬義明、田宮将樹、鎌田春彦、秋葉宏樹、津本浩平、世良田聡、仲哲治、西村亮平、中川貴之、河上裕*.
(*は責任著者) 掲載誌:eLife
DOI:10.7554/eLife.49392.
【用語解説】
(注1) グリピカン1:
胎児期の神経発生などに関与する細胞表面の分子。成人では、正常細胞では発現せず、扁平上皮がんや膵がんなど、いくつか腫瘍で高発現していることがわかっている。
(注2) キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞(CAR-T):
腫瘍に発現する標的分子に対する抗体の一部をT細胞に発現させ、腫瘍を識別、攻撃できるように、体外で加工した人工的な抗腫瘍T細胞
(注3) 免疫チェックポイント阻害薬:
抗腫瘍T細胞上に発現する抑制分子であるPD-1やCTLA-4に結合し、T細胞のブレーキを外すことで、抗腫瘍T細胞を活性化、腫瘍への攻撃力を高める抗体薬。