
香焼島
浦上天主堂で信者が祈る中 炸裂した
昭和20年9月4日、原爆投下からわずか26日目、長崎市内はいまだ死臭とうめき声漂う
惨憺たる地獄だったはずである。長崎港入り口の香焼島(当時は島)の捕虜収容所
「PAW」に救援物資を投下しようとしていたB29、4機編隊のうちの1機が、霧で進路
を見失い、険しい八郎岳の藤田尾地区に墜落した。現場に駆けつけた村民は、燃え盛る
炎の中から1名を救出し、死亡した13名を丁重に荼毘に付した。現在、この話は長崎
市民も藤田尾付近の人も殆ど知らない。あまり多くを伝えてこられなかった理由は、
補給物資の缶詰を拾ったからとも言われるが、原爆投下からたった26日後のB29の
救出劇である。救助にあたった村民の複雑な気持ちも慮るべきである。
浦上天主堂で信者が祈る中 炸裂した