ドラッカー曰く「真の資本は知識である」一般意味論は知識とその関数の集合を取り扱う数学。その応用は知識という病原体に対抗するワクチンである。
あるいは知識の地政学である。一般意味論を簡単にまとめるならば、前段は言語原理による現実の認識という人間の癖を疑うという構造的問題意識から構成される新たな論理学だった。しかし創設者コージブスキーは結局これをこの言語原理という論理の普遍性を取り込んだエージェント洗脳と仲間を偽装する長期的謀議に特殊適用してこの学問をコンサル業化する。だから一般意味論の実践応用を知る人は日本にはほとんどいない。
本当の実践的知識とは神の知識ではなく、地上の知識である。一般意味論はできる限り知識でないものを排除して、知識を自ら得たかのような錯覚を植え付けようとする知識優越者(病原体保持者)たちと戦うための知識エンジニアリングである。《思考を観測する思考》こそが科学としての哲学である。一般意味論はそのような意味で哲学の一分野である。
知識でないものとは、知識優位原則による論理的支配に関係づかないただの知見、過去にあったことである。ほとんどの大学や企業教育は知識でないもの(過去の事実あるいは言説:地上の知識とは関係がない)を教えている。学問の冠がついていれば、知識でないものに世間がひれ伏す。本当の学問は数学しかない。この勘違いで右往左往する衆愚のおかげで、教育産業、宗教、セクト運動が成り立っている。知識優位原則に基づいている古典的知識には、一神教クーランおよびアングロサクソンや共産主義に共通する必然性の認識が正義であるという迷信がある。故にこの迷信が利用できれば、普通の人間が神の代理人のごとく振る舞うことができる。知識優位に関係する知識はこのような迷信の利用、イノベーション、新しい図面、新しい戦略、新しい地政学、新しい戦争のやり方における必然性の「発見」である。
ここにいう『発見』はエンジニアリングである。技術の集成としての知識優位性の手段の構想が『発見』である。この『発見』の無自覚作業を自覚的な支配のために構造化する(イノベーション、新しい図面、新しい戦略、新しい地政学などの)上位概念がジェネラル・セマンティクスである。
たとえばサイバー空間を最初に見つけたwwwの発明者(2019年3月12日はワールドワイドウェブ(WWW)の30回目の生誕記念日 ティム・バーナーズ=リー と ロバート・カイリュー)は、ただ遠隔のCERNサーバーに保存されている文書データを共有したかっただけだった。つまり最初は方法を考案しただけだった(次元1)が、そこにコマースの可能性を見つけること(次元2)が本当の知識である。コマースに決済口という隘路、サイバー空間の”地政学的”要衝を見つけたこと(次元3)、ブロックチェーンや暗号通貨(次元4)がその上の知識である。このように次元が重なるという知識構造の一般予想が一般意味論によるエンジニアリング(未来予想)である。
以上が一般意味論に関する私の解釈である。レコード盤が一次元なのか二次元なのか三次元なのかは、その知識の構造に依存するのだ。IOTとか概念が先行して実現しているかのようであるが、知識の多次元化という性質から逆仮説を立てただけのことで、実現の可能性とは別物と考えておく必要がある。つまり本当の地政学は地図をリアルと混同したり地図上の記号を信用しないのだ。サーバーとエネルギー供給の限界を考えておかなければIOTなどは別のものに置き換えられてしまう。IOTが次元1知識ならば、5G以降の通信が次元2、エネルギーの隘路は次元3、そして次元4が量子通信である。このように知識の多次元性を理解してさえいれば、変化の先頭に立つことができる。
例えばルトワックの戦略の階層という考えをここに応用すると戦略はマトリックスになる。ルトワックは国家戦略は7層の掛け算と考え、部分最適を避けることを提案している。これは別にルトワックのオリジナルというわけではなく、先進国のテクノクラートが共通して学んでいることだ。今技術レベルで次元4までを考えるとこの戦略図は28のマスからなる格子(戦略マトリックスを提示する)。全部かけないが、
世界観:Vision 強奪世界 有利なポジション(通貨×資源)を占有する 神の国の実現
国家政策:Policy 戦略核国際条約と国連からの脱退 諜報機関の経済的独立 米露中による新秩序への合流
大戦略:Grand Strategy MDと空母打撃群を無効化 局所機械戦 超早期探知 長距離飽和攻撃の量子探知無効化
軍事戦略:Military Strategy 超短期 計算戦争 再配置の秘匿 計算機の地球外秘匿化
作戦:Operation AI自立司令部 AI残存能力 AI間通信と通信基盤の防衛戦
戦術:Tactics ドローン 電子戦 小型核エネルギー利用 暗号化の廃止
技術:Technique IOT→5G→自立エネルギー→量子通信
こういう具合に積み上げてゆく。一層でもゼロがあれば、戦争には勝てない。
一般に教義と教義権威たる派閥は知識優位性に階層的次元発展があることは認めない。未来予想は常に怪しさと疑いの対象になる。だからこのエンジニアリング過程は姿を見せない。大衆が自ら知ったという錯覚を伴う。これは洗脳である。
追補 最近の話題を入れておこう。一年債と十年債の逆イールドは、株式相場下落のサインという知識優位性は、なんの根拠もない。ただ常識と現実が逆転して恐れているだけ。だがそういう単純な知識病原体に侵されたものたち(イールドジャンキーと呼ぶらしい)は知識の多次元性を知らない。ただの行動関数の元になる。これが知識を使ってエンジニアリングするということ。こういう知識を仕入れて考える癖の皆さんは操られている。幽霊を見たという証言は幽霊がいるということとは無関係だ。旅行に行くなら他人の地図や旅程表を経由して行き先を決めてはいけない。
つまりコージブスキーとドラッカーが共同作業したならば、知識資本の見取り図と積算表が作成可能になる。前提を一致させ結論が単一となるための逆向き論理構築を行えば、多くの人々を巻き込んで本当の資本が知識の周りに集結する。そのように発想したMBA教育コースもコージブスキーの一般意味論の応用問題にすぎない。世界経済フォーラム(通称ダボス会議)とか、なんとか会議も皆同じカルトの自覚のない知識の”普遍性”を自ら啓発して発見したかのような錯覚を前提とする方向を揃えられた知識群がもたらす、寄進や経済効果を狙ったものだ。例えば、商品販売のマーケティングも一種の知識の地政学で説明できる。購買行動に関係する知識の要衝を抑えるという戦略がマーケティングには埋め込まれている。強制されたのではなく自ら良いと思って手に取った体験が知識優越を消費者に植え付ける。例えば会社名や商品名を知っていると言う状態を植え付ける過程は心理学や認知障壁を利用して巧妙化している。ある種のアハ体験が組み込まれたCFさえある。はじめはノイズにしか聞こえなかったものを徐々に聞こえるようにしてゆく宣伝をわれわれは毎日見ている。注意を引く、情報を伝えると言う巧妙な技術を知っている売手側は優位に消費者行動を誘導できる。
『歴史が示すように、ことばは時空を超えた協力の道具として役立つば かりでなく、闘争や紛争、狂気や社会的混乱の原因ともなってきた。そのことを憂慮したポーランド 生まれのアルフレッド・コージブスキー(1879-1950)は、人間に特有の能力であるとした。『時間を結ぶ能力(タイム・バインディング)と、記号を使いながら記号について意識できる能力 (self-reflexiveness)を活かすことで、人は生存的な記号行動に陥らずに進化できるはずだと考えた。 彼は、1933 年にアメリカで『科学と正気』を出版、自ら開発した体系を「一般意味論」と名づけた。 それは、言語学における意味論とは異なり、私たちが生きる営み一般に適用して正気に生きるための 思考の枠組みやツールなどを提供してくれる。』足立
とアルフレッド・コージブスキーは、人間に特有の知識伝達能力を進化させることで世界を席巻することに成功した最初の破壊的知識は共産主義だった。コミンテルンの社会主義のイデオロギーに洗脳されずに独自の活動を記号に支配された集団の中でもう一度作り変えるカウンター破壊運動の細胞組織を維持するには、イデオロギーに惑わされない社会環境の構造と遷移を把握する精神の集中が必要であると国際主義者たちは考えたのだろう。 コージブスキーの先駆者はバクーニンである。彼は『抽象に頼るものは抽象の中で死ぬのだ。』とマルクス主義を批判していた。その通りマルクス主義は死んだ。しかしその亡霊が生きている。今ならゾンビと呼んでもいい病原体保持者が世界を跋扈している。
明らかに初期の破壊目的を超えて社会主義の亜種は世界中に広がった。カウンター破壊運動が必要になる時、ミイラとりがミイラにならない様にする方法を教えなければならない要請から一般意味論はCIAの必須科目となった。
幽霊を見たという証言や噂は幽霊の存在とは関係がない。幽霊の正体見たり枯れ尾花ということを知った上で偽情報を流す技術が防諜である。
勝共連合の頭目、木内信胤がその時代にゼネラル セマンティクスを知っていたということはCIAのエージェントの情報操作学の教育をどっかでレクチャーされたのだろう。
この学問が始まるのも1919年だ。
『一般意味論には様々な要素があるが、以下にあげる3つは特に重要である。
「時間結合」Time-binding:情報や知識を世代を超えて加速度的に伝達する人類の能力。コージブスキーはこの能力が人類特有のものであり、動物と人間を隔てている能力であるとした。動物も知識を伝えないわけではないが、人間のように加速度的な伝達はできない。動物は以前の世代と同じように行動するが、人間はかつて狩猟採集によって食料を得ていたのが、栽培や養殖を行っている。
「目標レベルにおける沈黙」Silence on the objective levels:単語はそれが表す事象そのものではないことから、コージブスキーは言語を用いないで内外の環境を経験することを重要視した。この訓練をしている間、実践者は外見上も内的にも物静かとなる。
仮定的属性による意味づけよりも関連する事実による拡張を重視する。
一般意味論の大部分は、現実のやりとりを妨げる精神的な性癖をやめるための訓練技術と覚え書きから構成される。3つの重要な覚え書きとして、「非A」Null-A、「非I」Null-I、「非E」Null-Eがある。
非Aとは「非アリストテレス」non-Aristotelianismである。一般意味論では現実が決して(アリストテレス的)二値論理で表現しきれないことを強調する。
非Iとは「非同一性」non-Identityである。一般意味論ではいかなる事象も同一ではないとし(測定限界を超えたところで異なっている可能性があるため)、「現在実行している分析の目的から見て十分類似している」と考えるのが好ましいとされる。
非Eとは「非ユークリッド」non-Euclideanismである。一般意味論では我々の宇宙がユークリッド幾何学では正確に説明できないことを強調する。
これらの覚え書きの根底にある目的は、現実の現地と我々の概念的地図をうまく対応させ、あらゆる地図に制限があることを思い出させることである。そういう意味では、非Aは単に哲学的なものを否定しているのではなく、非アリストテレス的論理の実践を意味している。コージブスキーはこれらがリンクしていると考えた。我々が影響しあう事象の複雑な性質は、本質や定義からの推論では手に負えないことが多い。そのことが不確実さを生むが、一般意味論では非アリストテレス的論理が有効とされる。』
一般意味論を簡単にまとめるならば、前段は言語原理による現実の認識という人間の癖を疑うという構造的問題意識から構成される新たな論理学だった。しかし彼は結局これをこの言語原理という論理の普遍性を取り込んだ洗脳と長期的謀議の特殊適用して学問をコンサル業化、新しい概念の普及により支配する。
前提を一致させれば、結論が単一となるための論理構築学である。時間結合はユニークな人類学だが、家族同族結合も人間という群れが社会を作る特徴である。
つまり、時間を超える知識獲得(未来予想からの逆シナリオ)を同族の間だけで加速する事を目的に高度に技術化(その一部が言語の改良、概念の提出)すると、常に他の群れより優位に立つ集団が人類社会の外に(支配層として)形成される。情報と知識を独占する機関に富を集めるアイディアは、1919年に生まれた。
『「地図で考えるな」「現場で起こっている今を考える」「地図はそれが表わす現地ではない」は有名な彼の言葉である。「非同一性の原理」(principle of non-identity)が彼の思想の端緒になっている。第二の端緒は「地図は現地の全てを表わさない」(principle of non-allness)となっている。』横尾
Manhood of Humanity (1921)
”Humans can be literally poisoned by false ideas and false teachings. Many people have a just horror at the thought of putting poison into tea or coffee, but seem unable to realize that, when they teach false ideas and false doctrines, they are poisoning the time-binding capacity of their fellow men and women. One has to stop and think! There is nothing mystical about the fact that ideas and words are energies which powerfully affect the physico-chemical base of our time-binding activities. Humans are thus made untrue to "human nature." … The conception of man as a mixture of animal and supernatural has for ages kept human beings under the deadly spell of the suggestion that, animal selfishness and animal greediness are their essential character, and the spell has operated to suppress their REAL HUMAN NATURE and to prevent it from expressing itself naturally and freely.”
p. 71. Chapter: What is Man?
ドグマに支配されているのは社会主義の輩だけはない、政治家や、宗教家や科学者さえ、抽象的象徴や単純な二分法に判断の基準を置こうとする。
この一般意味論思想はミカエル・バクーニンの『抽象に頼るものは抽象の中で死ぬのだ。』というマルクス主義批判に遡ることができる。
われわれは猫の生活を見習うべきだろう。彼らは家の間取りを忘れたかのように毎日家の隅々を嗅ぎ周り現在を再構成している。これが正しい抽象との関係の持ち方である。
The Institute of General Semantics, founded in 1938 by Alfred Korzybski.
このロゴ何かの形に似ているだろう。
参考に寺島実郎のやり方がゼネラルセマンティックスに基づくものであること知っておいた方がいいだろう。誰も指摘しないが、どこかで、おそらくは米国の研究所で、エージェント教育を受けた痕跡がある。
中東・エネルギー・地政学
作者: 寺島実郎
出版社/メーカー: 東洋経済新報社
発売日: 2016/08/26
メディア: 単行本
『孤独なフィールドワークの積み上げと、文献研究が視界に化学反応を起こした。
「坂の上の雲」から7年間、論考を書くことをやめて、沈黙せざるを得なくなった。
教養を高めるための情報とサバイバルファクターとして死にもの狂いで収集・分析している情報は別物ということに気づく。物事は色々な要素の相関の中で多面的・重層的に考えなければ本質には迫れないことを思い知る。
知的三角測量。おそらく知的三角測量というのは寺島実郎の造語であろうと思われるが、ここに一般意味論の初学の形跡がある。
イスラエルの史跡巡り、色々な人々との話し合い。
空港ではその空港が世界のどの空港とつながっているかを確認する。二国間と二都市間の親密度がわかる。
出張の前に徹底した準備。書籍、文献、論文、歴史書。調べればわかるようなことは事前に頭に入れておくのは必須。複眼的視座の構築。問題解決のために本当に価値ある情報を救いあげることができる知的能力がインテリジェンスだ。
文献とフィールドワーク。自分の見たものを整理し、新しい時代認識、世界認識を踏み固めて発信する。
会社の末席を担いながら、心中期すものがあって何かを蓄積していく。
ワシントンの日本人の足跡を訪ね歩いた。
私自身の立ち位置はどこにあり、どこに定めるべきか、自問自答を繰り返す。
「マージナルマン」として生きる覚悟。組織に軸足を置きながら、組織を客観視する視界を持ち、内と外との緊張感野中で生き抜く人間。この緊張が課題解決に向けて創造を生む。
定点観測。毎年最低10回の海外出張。70ヶ国を訪問。大事な国には波状的に何度も足を運ぶ。
自分の存在目的を見つめ、あるべき社会、実現すべき価値を求めて、筋道だった生き方で、自分の役割を果たす。
九段の寺島文庫には地理・歴史、国際交流に関する書籍が6万冊。』久恒
学問ではなくMBA留学も以下のように変化した。
しかし、 90年代以降は状況が変わってきます。アメリカ経済の中に、タックス・インバージョン(税金の安い国への本社移転)のスキーム、タックス・イロージョン(収益の減額と損金を増額させるためのテクニック)のスキームなどが入ってくるからです。これは先ほどから言っているようにとてもグレーなビジネススキルになります。違法ではないが、限りなく違法に近いということです。当時の MBA留学者はそういったアメリカのビジネス文化を吸収して帰国し、日本で実践していったのです。