公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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オメガ3系脂肪酸の摂取により不安症状が軽減する

2018-09-18 17:28:22 | 健康など
秋刀魚が食べたいがグリルが壊れているから、缶詰めで代用するか。それほど不安なことはないけれど。



《国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜斉、所在地:東京都中央区)社会と健康研究センター健康支援研究部長の松岡豊、蘇冠賓 中國醫藥大學醫學院生物醫學研究所教授(台湾)、曾秉濤 文信診所医師(台湾)らの共同研究グループは、青魚等に含まれるオメガ3系脂肪酸の抗不安効果を合計2,240人の不安症状を抱える人を対象とした19件の臨床研究をメタアナリシスで検討しました。メタアナリシスとは、複数のランダム化比較試験によるエビデンスを統合し、関心のある治療薬・ケア・対策の効果の大きさを評価し、より高い見地から正しい結論を導き出す解析方法です。

その結果、オメガ3系脂肪酸の摂取により不安症状が軽減すること、また身体疾患や精神疾患等の臨床診断を抱えている場合にその効果が高いことを明らかにしました。研究成果は、9月14日付けで米国医師会雑誌(JAMA)系列のオープンアクセスジャーナル『JAMA Network Open』に掲載されました。


背景
オメガ3系脂肪酸摂取群(1,203名(日本人179名)、平均年齢 43.7歳、女性 55%)
 オメガ3系脂肪酸摂取量 平均1,605.7mg/d(225mg – 4074mg)
オメガ3系脂肪酸非摂取群(1,037名(日本人183名)、平均年齢 40.6歳、女性 55%)

研究結果
メタアナリシスの結果、オメガ3系脂肪酸を摂取した群はオメガ3系脂肪酸を摂取していない群と比較して、不安症状が軽減されることが明らかになりました(効果量0.374、95%信頼区間0.081-0.666)(図1)。
また層別化した解析の結果、身体疾患や精神疾患等の臨床診断を抱えている人を対象にした場合に抗不安効果が大きいことが示されました(図2)。更にオメガ3系脂肪酸を少なくとも2,000mg摂取してもらった場合に抗不安効果を認めることが示されました。》


老人の不安治療は介護のコストを低減するだろう。

《展望
今後は、オメガ3系脂肪酸の摂取量を2,000mg以上に設定し、身体疾患や精神疾患等の臨床診断を抱える人を対象にした大規模な臨床試験を実施することにより、オメガ3系脂肪酸による抗不安効果の検証が期待されます。同時に海洋由来のエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸、そして植物由来のアルファリノレン酸のいずれが、不安軽減に最も有効であるかを検討する研究が必要です。がんサバイバーにおいても、がん再発不安と血中オメガ3系脂肪酸の関連を観察研究で確認することが必要です。二者の間に関連が認められることが分かった場合、がんサバイバーにおける最大の満たされないニーズであるがん再発不安軽減を目的にしたオメガ3系脂肪酸による臨床試験を計画し、科学的根拠に基づく機能性食品開発につながることが期待されます。同時にオメガ3系脂肪酸の抗不安効果を探るメカニズム研究が進むことも期待されます。

発表論文
雑誌名:JAMA Network Open
タイトル:Association of Use of Omega-3 Polyunsaturated Fatty Acids With Changes in Severity of Anxiety Symptoms: A Systematic Review and Meta-analysis
著者:Su KP, Tseng PT, Lin PY, Okubo R, Chen TY, Chen YW, Matsuoka YJ
DOI:10.1001/jamanetworkopen.2018.2327》
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