この本を読むにあたっては、ｐ167の結語をまず読むべきだろう。どんな解説よりもハミルトン・フィッシュを表している。この本は日本人のためではなく米国人の未来のために書かれている。
FDRの日本爆撃許可署名
Tragic Deception: FDR and America's Involvement in World War II. Devin-Adair, 1983. 『日米・開戦の悲劇 誰が第二次大戦を招いたのか』 岡崎久彦監訳、PHP研究所, 1985
《われわれは、果たして過去の指導者たちの過ちから何を学ぶべきであろうか。アブラハム・リンカーンはこういった。
『アメリカ国民に、真実を語れ、さすれば国は安全ならん。』
そこで私はこういいたい。
『昨日の真実について語る者に耳を傾けよ。さすればおそらく、明日は平和の日がくるであろう。』》
日米開戦がフランクリン・デラノ・ルーズベルト（大統領） FDRの犯罪であるということは明らかなのだがヘンリー・L・スティムソン（陸軍長官）やノックス（海軍長官）ジョージ・マーシャル（将軍）ハロルド・スターク*（提督）ら開戦賛成派によって国民の目を欺てつくられた”戦争内閣”が作り出した最後通牒の交付（いわゆるハルノート）決定。1941年11月25日。送付はその翌日。私たちは日本人の将来のために昨日の真実について語り続けなければならない。
*両洋艦隊法（りょうようかんたいほう、Two-Ocean Navy Act）は、第二次世界大戦勃発、さらに1940年6月のドイツ軍のパリ入城を受け、 アメリカ海軍作戦部長ハロルド・スタークが提案したアメリカ海軍の第四次拡張計画（Stark's planスタークスプラン）の実現のため、1940年7月に成立し、予算措置がとられた法律である。大西洋、太平洋の両方で、ドイツや日本に対抗する海軍建設が決定された。 モンタナ級戦艦5隻 （航空母艦建造に集中するため、のち建造中止）, アイオワ級戦艦2隻（航空母艦建造に集中するため、のち建造中止）、航空母艦18隻、アラスカ級大型巡洋艦 6隻, 巡洋艦 27隻, 駆逐艦115隻、潜水艦43隻など合計133万トン（7割増）の艦艇建造、15,000機の航空機製造などが決定された。この数字は、大日本帝国海軍の当時の連合艦隊の総戦力147万トンに匹敵する数字であり、圧倒的な計画であった。 The Two-Ocean Navy Act, also known as the Vinson-Walsh Act, was a United States law enacted on July 19, 1940, and named for Carl Vinson and David I. Walsh, who chaired the Naval Affairs Committee in the House and Senate respectively. The largest naval procurement bill in U.S. history, it increased the size of the United States Navy by 70%. 英語圏ではすでにスタークスの名前は削られている。FDRの副作用は今も続く。
1年以上前から米国は増強予算をつけていることは議会を通しているので秘密ではなかったはず。山本五十六の長男の証言では、「（山本の）本棚の半分はアメリカの歴史に関する本で、他に黄色い背表紙のナショナルジオグラフィックがたくさん並んでいました。付録地図もケースの中に大切にとってありました。父はアメリカを知るためのあらゆる勉強をしていました」というから山本が知らないはずはない。当時、日本は石油の88％を輸入に頼っており、その80％アメリカから買っていた。しかし当面の戦力では優っていた。それでも奇襲作戦を描いた山本五十六は狂人か工作員ではないのか？という疑問が残る。裏切り者は処刑される。1941年以降の石油の輸入は以下の図のように激減している。 
10万バレル／日必要だった海軍と日本産業が1万バレルで4年間もやっていけるはずがない。これは闇で石油の洋上取り引きをしていたとみるべきだろう。当時の米国の原油生産量は300万バレル／日から400万バレル／日だから日本はいいお客だった。
