Adoの『罪と罰』のカヴァーを聴くと椎名林檎のオリジナルを辿りながら、もっと深い闇に病む人物が浮かぶ。と、ふと浮かんだ言葉が『蜜と唾』ただの罪と罰のひっくり返し、だが、この方が人間らしい。
ゲフィン・レコードは1980年にアメリカで創設された音楽レーベル。Adoは同レーベルとパートナーシップを締結し、全米進出するにあたって「私自身の限界に挑戦するために、今回アメリカのゲフィンレコードとパートナーシップを結ぶ事となりました。世界的に有名なチームと一緒にJ-POPを、VOCALOIDを世界に発信していきます。10代にカッコいいと思われる20代に、世界にカッコいいと思われる日本人に、自分でカッコいいと思える人間になれるよう、『大人』の皆様、一緒に生きていきましょう」とコメントしている。
蜜と思しき物を舐め求めて、唾を飲む。誰もが蝶のようにその肉と肉の猖獗に誘引され動物のように貪り体液を零す街。
都会の絶対的孤独。何者も慰めることのできない有限な人生、他方に無限拡大する欲望。両方から引き裂かれ、日々意味を失う尊厳。
今日本のボーカロイドポップス界の頂点の一つAdoの今後が楽しみだ。