公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

詩の失敗という日本人の墓標 吉本隆明

2019-05-11 16:57:44 | 日本人

詩の失敗として日本人の精神の歴史を叙述分析した先駆者吉本隆明は偉大である。外部世界の内面化に主体性を発揮し得なかった戦後日本人は一貫して何らかの既存正義認識の下僕だった。しかしそれも人類の運命の予行演習のようなものだった。2040年までに人類史の前半が終わる。人間史の原点、資源食糧の確保が第一だった自然史が優勢人類史は終わり、情報と計算能力の差が人類史を改変する。当然既存社会システムと真システムとの間に大きな矛盾を生じさせる。結論として機械学習は人類が国家毎に武装している社会を終わらせた方が資源と地球環境を有効に管理できる。旧社会に行き詰まり、この未来に合意できた側から真システムとの契約という機械学習の成果に委ねる会社が次々と生まれる。西欧にはそういう必然性の認識=正義認識という伝統がある。

ただただそれぞれの正義認識の指し示す現実的歴史とのズレと折り合いに勢力を消耗していた。



大切なことは正義認識の根拠ではなく当該正義成立の歴史的構造であったにもかかわず、日本人は真面目に根拠の探求に走った。西欧にはそういう正義認識1(予言的必然性の認識)が何度も現れては消える、終末思想とアニミズムの戦い、カタリ派ことアルビ派(アルビジョア派)グノーシス主義(二元論)と正統派西方教会との対立、十字軍遠征、プロテスタントとローマカトリックの争いは猖獗を極めつづける理由には収奪による生存利害動機があった。マルクス・エンゲルスの予言も含め正義認識2(自説に社会的発展必然性があるという個別の正当化)の欺瞞を命の限り批判することができなかった。すなわち日本人は獣の正義を撃ち殺す覚悟を詩とすることができなかった。

正義原理主義者の一種 倉本聰の詩を紹介しよう 詩というよりは劇団起草宣言かな


あなたは文明に 麻痺していませんか

 車と足は どっちが大事ですか
 石油と水は どっちが大事ですか
 知識と智恵は どっちが大事ですか
 理屈と行動は どっちが大事ですか
 批評と創造は どっちが大事ですか
 あなたは 感動を忘れていませんか

 あなたは結局何のかのと云いながら
 わが世の春を謳歌していませんか



これが典型的な二分法による正義認識2の押し付けである。
自動車も石油も知識も理屈も批評もなくこの世を作ってみなさい。できないでしょう。これが大切なものだけを選択することができなかった弱き者に罪の意識を押し付けて利用しようする正義原理主義者のいつもの手口です。
結局誠実に今を今までよりも少ししあわせに生きる日本人に罪を着せるこういうタイプの詩はもういらないのです。至誠、仁愛、情熱によって日本人は獣の正義を撃ち殺し、インドを解放したあの時の魂こそが日本人の詩なのです。



F特務機関機関長の藤原岩市少佐の言葉
藤原少佐の国塚少尉への第一声は、
《皇軍の行う謀略は、誠の一字あるのみだ。至誠、仁愛、情熱をもって任務を遂行しなくてはならぬ。広大な陛下の大御心を、身をもって戦地の住民と敵に伝えることだ。》

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