「わが青春の台湾 わが青春の香港」 邱永漢

邱永漢はビジネスマンであり作家であったが、長らく母親が日本人であることを伏せていたのでこのようなまとまった半生記を書くことになった。しかし本人は過去を振り返るのが好きではないらしい。

邱 永漢（きゅう えいかん、1924年3月28日 - 2012年5月16日）は、日本および台湾の実業家、作家、経済評論家、経営コンサルタント。株式会社邱永漢事務所代表取締役。旧本名は邱炳南、帰化後の本名は丘永漢。初期の筆名は邱炳南および丘青台。株の名人で「金儲けの神様」と呼ばれた。

この長女がサイゴンと呼ばれるようになった娘さんだね。


常に困難なことが前にある限り、楽しく充実している。ビジネスはそういうもので気が抜ける時間などない。台湾独立運動の同志たちに嫉妬されながら小包ビジネスが成功すると急にお金持ちになって日本にやってくる。まさかの作家デビューの始まりあたりで終わっている。1994年の時点で作家生活40年だったそうだから、1954年あたりで終わっていることになる。放浪者のように香港にたどり着いてから日本にやってくるまで6年。昭和23年から29年あたりまでの物資の乏しい日本に飛ぶように売れて実入りの良かったストマイやペニシリン小包は大変に繁盛したようだったが寿命も短かった。ちょうどサンモトヤマの茂登山長市郎氏の創業の頃と邱永漢氏の香港時代の終わりが重なっている。