歌道については、信長の七回忌(天正十六年六月二日)に詠んだ追悼歌の六首が残っている。六首全てで五七五七七の書き出しの一字がそれぞれ「なむあみだぶ」で揃えられている
南
なけきても 名残つきせぬ なみた哉 猶したはるゝ なきかおもかけ
無
むつましき むかしの人や むかふらむ むなしき空の むらさきの雲
阿
あたし世の あはれおもへは 明くれに あめかなみたか あまるころもて
弥
みても猶 みまくほしきは みのこして みねにかくるゝ みしかよの月
陀
たつねても たまのありかは 玉ゆらも たもとの露に たれかやとさむふくるよの
仏
ふしとあれつゝ ふく風に ふたゝひみえぬ ふるあとの夢