公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

全員集合 シーウルフ級原子力攻撃型潜水艦3隻

2021-10-08 15:22:00 | 防衛力
核攻撃潜水艦「周」クラスの1番艦で、操縦性の向上のためにX字型になった船尾が特徴だ。情報筋によると、長江沿いの武漢郊外、人口密度の高い都市部にある中国国家造船公社(CSSC)が建造

番号 艦名 起工 進水 就役 母港
SSN-21 シーウルフ
USS Seawolf
1989年
10月25日
1995年
6月24日
1997年
7月19日
ワシントン州ブレマートン
キトサップ海軍基地
SSN-22 コネチカット
USS Connecticut
1992年
12月14日
1997年
9月1日
1998年
12月11日
SSN-23 ジミー・カーター
USS Jimmy Carter
1996年
6月29日
1998年
12月5日
2004年
5月13日

アメリカ海軍最後の冷戦型攻撃原潜となった本級は、静粛性、氷海行動力、弾量を重視し、「聖域」内への積極的攻勢すら可能な、あらゆる面でソ連原潜を凌駕する超高性能艦とするべく設計された。ロサンゼルス級と比較してみると、減少した運用深度を取り戻すべく高張力鋼HY-110を採用し、氷海行動力も当初から盛り込まれた点で対照を成すが、一方で水上艦用原子炉から発展したS6W型を搭載する点は引き継がれている。

 


 
アメリカ 海軍
 
耐圧殻用 (Pressure Hull) 
  • HY80、HY100、HY130があり、数字は耐力 (ksi: キロポンド毎平方インチ) を表す。
  • HYは High Yield の意。

    • HY80 : 耐力 552MPa (80ksi)
    • HY100 : 耐力 690MPa (100ksi)
    • HY130 : 耐力 890MPa (130ksi)
日本の鋼 (160ksi) は、通常、GTA溶接 (Gas Tungsten Arc Weld) により溶接される。これは高品質だが、非常に遅く高価であり、米国ではあまり使われない。米海軍は、潜水艦で使用されるHY100鋼に、この技術 (軟質溶接継手を用いた溶接) を適用したい。三菱重工業株式会社が技術資料の提出を見合わせた理由に、「特殊溶接技術者について、連続建造する場合、耐圧殻 (NS80鋼) の特殊溶接作業者の大幅増員が必要 (溶接技術の習得については、新人で5年、一般溶接技術者で約3年) 」としていることから、主にNS80鋼を使用していることがわかる。また、超高張力鋼材の研究において、NS80鋼とNS110鋼を組み合わせた場合の研究も。

 

また、イギリス海軍での運用実績に学んで、ポンプジェット・プロパルサーを制式としては初めて装備し、キャヴィテーションを起こさずに20ktで航走可能になった。魚雷発射管室内の弾庫の容量も根本的に見直され、冷戦後期から米原潜が悩まされてきた搭載兵器量の問題はついに解決された。

アメリカ海軍は年3.3隻のペースで合計29隻を建造する計画であったが、冷戦の終結とともに必要性は失われた。また、建造途上の技術的問題により建造が遅延し、予算が上昇したことも、本級に対する目を厳しいものとした。結果、21億ドルアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の約2倍)もの建造費を要し、あまりに高価で過剰性能であると判断されたこと、また、冷戦後における潜水艦に対する要求事項の変化があったことなどから、建造計画は大きく縮小され、一度は2隻のみにとどめられることが決定された。後に3番艦「ジミー・カーター」の調達が造船所の潜水艦建造能力を維持する方策として特別に認められた。

 



 

なお、性能だけを見た場合は非常に優秀なため、以降は能力を本級の75%を最低目標とし、その引き換えにコストを下げた攻撃型潜水艦を建造するという影響も与えている。


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