公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

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KININARU 論文

2021-01-22 07:48:00 | 知識を消費するということ
理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター創発現象観測技術研究チームの原田研上級研究員、大阪府立大学大学院工学研究科の森茂生教授、名城大学理工学部児玉哲司教授らの共同研究グループは、株式会社日立製作所研究開発グループと共同で、最先端の実験技術と新しく開発したV字型二重スリット[1]を用いて、「波動/粒子の二重性[2]」に関する実験を行い、電子の経路情報と干渉[3]の発現の関係を明らかにしました。


今回、共同研究グループは、
ホログラフィー電子顕微鏡[4]の結像光学系と電子波の干渉装置である電子線バイプリズム[5]を利用して、V字型二重スリットを焦点の合った(伝搬距離ゼロ)干渉条件で観察することに成功しました。これにより、粒子として検出された電子の経路をさかのぼり、左右どちらのスリットを通過したかを明らかにできる場合があること、経路情報が不足し通過スリットを同定できない場合にのみ干渉縞[3]が観察されることを確認しました。これは、二重スリットを通過して干渉した電子を分類する究極の実験「which-way experiment[6]」への手がかりを得る結果といえます。


実験はホログラフィー電子顕微鏡を用いて、電子を一つずつ検出できるくらいに電子の数を少なくした低密度照射条件(0.015電子/画素/秒)で実験を行いました。その結果、下部電子線バイプリズムへの印加電圧が大きくなるに従い、V字型二重スリットの像が下側から重なり始め、中央部で重なり、スリット上部で重なった後、二つのスリット像が入れ替わりました(図4)。両スリットの像が重なった領域でのみ干渉縞が観察され、その前後の領域では干渉縞は観察されず、一様な電子分布となりました。

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