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【ゲームクエスト】グルーヴ地獄V

2010-10-21 15:28:13 | ゲームクエスト
グルーヴ地獄V(プレイステーション)

2006年8月10日掲載

関連記事

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 わりと最近、PSPで「バイトヘル2000」として再構成されたゲームの元となったのが、この「グルーヴ地獄V(ファイブ)」です。お金を稼ぐためのバイトとして奇妙なミニゲーム(自称クソゲー)が収録されています。中でも「ボールペンコウジョウ」は評判も高く、プレイしているとほとんどトランス状態になります。

 ミニゲームはどれも、とてもゲームとは言えないようなものばかりです。ところがついついプレイしてしまいます。なぜなのかはよく判りませんが、ゲームなのかゲームじゃないのかの境界を行き来することで、逆にゲームの面白さの端面が見えるいった感じでしょうか。

 私が気になるミニゲームの一つは「薪(まき)割り」です。おばあさんが出す薪をオノで割るというバイトです。それぞれの薪を時間内に割り損ねるとバイト終了です。時々おばあさんがフェイントで出す動物を斬ってしまってもバイト終了です。また、フェイントのフェイントとして木彫りの動物を出したりしますが、これも薪とみなして割らなければなりません。

 必勝法は、色を見ることだと考えました。形にとらわれず、木の茶色だけを見れば簡単です。実際にプレイしてみましょう。
 茶色 → ○ボタン → 「カコッ!」
 茶色 → ○ボタン → 「カコッ!」
 白  → ウサギ! → 「おお~!(歓声)」
 茶色 → ○ボタン → 「カコッ!」
 茶色 → ○ボタン → ・・・
 ○ボタンを押してオノが振り下ろされた瞬間、「しまった! コアラも茶色だった!」
 「ジュビ!」という嫌な音。
 脳天から真っ二つになるコアラ。
 その断面から血の飛沫。
 線香をあげて手を合わせるおばあさん。
 流れる念仏。
 バイト終了。本当に気分が悪いです。

 もう一つ気になるミニゲームは「キノコ or DIE」です。おじいさんをうまく誘導して、車道を横断させるゲームです。おじいさんと言っても、四角のかたまりです。おじいさんらしい表現は無く、くすんだ青のモノトーンで、70年代のゲームのような画面です。

 車線の間で粘るテクニックを身につければ、結構稼ぐことが出来るようになるでしょう。それでも車はどんどん速くなり、いずれはおじいさんが車と接触してしまいます。「キュポーン!」という乾いた音と共におじいさんは倒れ、青のモノトーンながらも頭から流血しています。3人のおじいさんが接触事故を起こしたらバイト終了。本当に気分が悪いです。

 表現こそリアルではないものの、なんかさっきから血ばっかり出てきています。

 そういえばオープニングムービーも、夕暮れの薄汚れた路地でサラリーマンが暴走トラックにはねられるというものでした。メモリーカードにアクセスするためのセーブデパートのお姉さんも、口から血を流しています。ディスクアクセス時の画面も、漫画的とはいえ、建物と衝突炎上して墜落する飛行機とか、背中を包丁で刺された遺体から血が流れるとかいう画面でした。なぜこんなに凄惨なのでしょうか。

 それも当然です。このゲームは「グルーヴ地獄」だからです。地獄なのです。
 グルーヴ地獄はゲーム地獄。
 普通のゲームに満足できなくなった人間が落ち行く地獄。
 ゲームに関してタガが外れた人間が流れ着く彼岸。

 このゲームのことを「ちょっと変なミニゲーム集」だと思っているうちは引き返すことができた。だが、解体されて骨片となったクソゲーを面白がり、いつ果てることも無くプレイしているうちに、いつの間にか地獄の中にいる事に気づいた。そしてもう戻れないことにも。

 ・・・だがそれがどうしたというのだ? もとより戻るつもりなど無かった。私はゲームの最果てを極めたいのだ。それが地獄だというのなら望むところだ。我が身が塵になってもゲームを続けようじゃないか。

 これを読んで買おうと思った人はかなりアブナイです♪

カルガリー出張 その1

2010-10-20 15:30:04 | 旅行
2008年7月にカナダのカルガリーに出張しました。
カルガリーと言えば、冬季オリンピックが開催されました。
関西国際空港から出発し、バンクーバーでカナダ国内線に乗り換えて内陸部のカルガリーに到着。
タクシーで30分くらいで市街です。


ホテルの部屋から見上げると、カルガリー・タワーは目の前でした。
街のシンボルのこのタワーは高さが190.8mです。


タワーの根元はお土産屋になっています。
疲れていたけど、行ってみたくてすぐ出かけました。


高速エレベーターで昇ると、なかなかの絶景です。
これはタワーの北側です。
こんな地平線は日本では見られません。


足下がガラス張りになっている部分があって、真下が見えます。
右上の建物は私が泊まったホテルです。
この周辺はダウンタウンになっていて、左上にあるようにあちこちで再開発が進んでいます。
また、ダウンタウンの主な建物は内部で繋がっていて、外に出なくても遠くまで行けます。


北東です。
街の中を流れるボウ川の手前がダウンタウン、向こう側が住宅地です。


南東にはスタンピード・パークが見えます。
ここで年に一度、カルガリー・スタンピードと言われるお祭りが開催されます。
ロデオ大会や馬車レースを見るため、全国から観光客が来るそうです。
実はこの出張はそのカルガリー・スタンピードの時期に行きました。
出張とはシンポジウムの参加ですが、シンポジウム主催者は参加者を集めるために、地域のイベントと日程を合わせるのです。
実はその主催者にカルガリー・スタンピードに招待されて、楽しませていただきました。

つづく

【ゲームクエスト】みんな大好き塊魂

2010-10-19 19:07:04 | ゲームクエスト
みんな大好き塊魂(プレイステーション2)

2006年7月21日掲載

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 私の妻はゲーマーというわけではないのですが、しばしば家にある幾つかのゲームをプレイしています。その中で最もお気に入りでよくプレイするのが、この「みんな大好き塊魂」なのです。

 本作の何に妻が魅力を感じているのかを考えてみると、前作から引き継がれたシンプルなルールと操作性、ステージのバリエーション、塊のでっかくなった感、対戦の熱さ、おもちゃ箱の中のようなプレイフィールド、奇妙なキャラクター達、お茶目な音楽、あちこちに仕込まれた小ネタ、といったところでしょうか。その上、膨大な巻き込めるモノの種類、新記録を狙いたくなる絶妙な難易度設定によって、私自身のお気に入りでもあります。

 私のゲーム歴は28年にもなります。その私がゲームで妻に遅れをとるわけがありません。操作技術は私の方が上ですし、花や折り鶴を集めるステージでは私は全て100%の回収率を記録しています。

 それなのに、特定の幾つかのステージでは妻の記録を超えることが出来ません。具体的には水中ステージ、金目のモノを巻き込むステージ、牛または熊を巻き込むステージなどです。妻のプレイを見ていてもそれほど上手には見えません。なのに私が同じようにプレイしても、なぜか記録が伸びないのです。ゲーマーとして非常にくやしいです。

 さらにじっくり見ていると、ステージごとに独特のリズムでプレイしているようです。このへんでどのくらいまで大きくした後、あちらに移動して、という感じです。それも、数字で表示されている塊サイズで判断しているのではなく、ほとんど体内時計によるもののようです!

 これは驚きです! 妻は試行錯誤のうちに無意識でプレイを最適化しているようです! ただモノを巻き込む順番だけマネしていたのでは太刀打ちできるわけがありません! ステージのココロを掴まないでうまくいくわけがありません! 人のプレイにこれほど感銘を受けたのは初めてです!

 そして、操作技術に自信がなくともプレイ内容で十分以上にカバーできるという、とてつもなく奥の深いゲームを作ったナムコにも脱帽です。ナムコゲームとの付き合いも27年になりますが、これまでで最大級の衝撃を受けました。

 ゲーマーにとって、ゲーム歴の長さやプレイしたゲームの数なんて、ほとんどどうでもいいことだと思い知らされました。大事なのはゲームに対する親愛の情と、自分なりの究極のプレイを追求する意欲と、ゲームをとことん楽しもうという気持ちなのでしょう。

 妻よ、君こそゲーマーだ。ここまでゲームとシンクロできる君がうらやましい。私も君を見習って、ますます精進することにしよう。・・・だから私が一人でゲームしてても許してね。

時々ダライアス とりあえず500万

2010-10-18 20:26:43 | ゲーム
時々ダライアスをプレイしています。
本日500万点が出たので、記念に掲載します。



 NORMAL(NEW)バージョンで、ノーミス、ウェーブでの達成です。鯨のドリルミサイルでしばし稼ぎました。500万がとりあえずの目標だったのですが、ノーミスでもっと稼いだらどのくらいのスコアになるのでしょう? ボスが出すホーミング弾とかヤズカとか白玉とかで、550万くらいでしょうか。600万はいけるのかな?



 ちなみにこちらは以前に出したEXTRAバージョンの記録です。もちろんノーミスで、100万×5のボーナスが入っています。

 どちらのバージョンもまだまだ記録は伸びそうです。

稲川淳二 真夜中のタクシー

2010-10-17 21:40:38 | ゲーム
稲川淳二 真夜中のタクシー(プレイステーション)

ゲームクエスト投稿文で紹介しました。

 稲川さんがタクシーの客として怪談をしゃべりまくるソフトですが、他の人が乗ってきたり、文章で怪談を読んだりすることになります。一つの怪談が終わるごとに選択肢が現れ、次の怪談が変わります。

 稲川さん以外の人として、モンスター前塚、や乃えいじ等、サムライスピリッツ的な名前が連なっていますが、どうも口調が乱暴な上に、演技が芝居がかっていて、今ひとつ語り口に引き込まれません。その上、怪談内での因果関係を説明しようとするあまり、「まあそんなところだろうね」と白けてしまいます。

 一方、稲川さんの怪談は非常にうまいです。それに、怪談のオチとか真相解明とかも無いものが多く、それがかえってリアリティを感じさせます。黄色い人間が窓の外にいた、なんて理由をどうこじつけても説得力はありませんが、いわくが無いなら無いで余計に異常な現象であることが引き立っているのです。

 全部の怪談をコンプリートし、稲川さんからの最後のお言葉ムービーも観たので、クリア認定しました。これ以上のやり込みはありませんが、怪談の内容はともかく稲川さんの話術が素晴らしいので、たまに聞きたくなるのです。

 ところで、タイトル画面のコピーライト表記で「(c)2000 架空」とありますが、

「架空」って何だよ! 架空会社かよ!



 なんか語り口がわざとらしいのが逆に楽しくなってきます。

【ゲームクエスト】ザ・マエストロムジーク ツヴァイ

2010-10-16 20:29:18 | ゲームクエスト
ザ・マエストロムジーク ツヴァイ(プレイステーション2)

2006年6月15日掲載

参考:ザ・マエストロムジーク

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 世の中にオーケストラの指揮者のゲームがいくつかあるのですが、本作はプレステで出た指揮者ゲームの一つである「ザ・マエストロムジーク」の続編であり、音質が飛躍的に向上しています。また、合唱曲の指揮もできます。以前の指揮棒コントローラも使用可能です。

 音ゲーは、伴奏に合わせて旋律を弾くとか、音楽に合わせてアクションを起こす、というものがほとんどです。一方、本作は指揮棒の振り方に合わせて音楽が進行します。小さく振れば小さな音で、大きく振れば大音量で演奏します。ゆっくり振ればゆっくり、速く振れば速く演奏します。これまでの音ゲーとは逆の発想、と思いきや、結局は音量やテンポを指示通りに振るというルールであり、これまでの音ゲーとほとんど変わりがなかったりします。

 しかしながら、テンポや音量が瞬間ごとに常に変化しうるというのは、指揮者のいるオーケストラ曲の大きな特徴です。他のジャンルの音楽では、それほど顕著ではありません。その意味で本作は指揮者の役割についての的を射ていると思います。

 ところでプレステの前作のケース裏には“誰もが一度は想いをはせた「オーケストラ指揮者」の夢・・・。その果たせなかった夢を実現します。”と書いてありますが、指揮者になりたいと思った人ってどれほどいるでしょう? 私は学生時代にオーケストラで楽器を演奏していました。そんな私でも指揮者になりたいとは思ったことがありませんでした。自分で音を出すことが出来る演奏者の方が魅力的でした。

 本作では、クリアした曲についてはフリープレイモードが出現し、指示を無視して自由に指揮が出来ます。全曲をランクSでクリアし、ゲームとしてはやることがなくなったため、フリープレイモードをやってみました。選曲は、アメリカの作曲家であるガーシュウィンの作品で、シンフォニック・ジャズという語法を確立した名作「ラプソディー・イン・ブルー」です。CMなどにもよく使われています。全曲通すと長いので、後半の有名な旋律から収録されています。

 夕暮れの港のようなロマンティックな旋律が弦楽器によって奏でられるところから始まります。ホルンによる揺らめくような音形が水面に映る街の灯りのようです。指揮の方も、微妙にテンポや音量を変化させてみて、打ち寄せる波のような効果を試みてみます。フレーズの区切れごとにテンポをほんの少しだけ遅くして、あざといまでにメリハリを付けてみます。時には緩やかに盛り上がり、時には消え入るように。だんだんノッてきました!

 控えめながらも突然のピアノの合図を皮切りに、音楽がせわしなくなります。テンポは煽って前のめりに、と思ったら断層を挟んだようにゆっくりしてみたり、ひとしきり遊んでみます。すると高らかにトロンボーンの底抜けの音色が鳴り響きます。テンポを安定させ、しばらくは軽快に進みますと、上昇音形で盛り上がる合図です! テンポを徐々に落としていき、音量も上げていきます! そして、すっ頓狂な旋律を踏みならすように誘導し、ピアノの音が残ったところでまたテンポをぐっと落とします!

 そして大団円! アメリカ的でジャズ風の旋律がビッグバンドのように演奏されます! テンポはゆっくり堂々と、精一杯の音量で指揮! オーケストラの残響の中からピアノによる分厚い和音の旋律が浮かび上がる! テンポは徐々にさらにゆっくりと、壮麗に、雄大に、アメリカの大都会と大自然を見渡すように! さらにテンポを溜めて、引っ張って、全身の力を込めて最後の一振り!!

 あああ~~~~~、指揮者になりてぇ~~~~~~!!!

ジャチント・シェルシ作品集/アンサンブル2E2M

2010-10-15 21:03:21 | CD


ジャチント・シェルシ:
・キヤ
・イクゾル
・コー・ロー
・マクノンガン
・魔法の河
・虹
・プウィル
・プラナムII
・4つの歌
・アイツィ
・ピアノのためのポエム第2番 ”声が頭を貫くように”

指揮:ポール・メファノ
アンサンブル2E2M(ドゥーズー・ドゥーゼム)

ADDA: 581189



 シェルシと言えば微分音(半音程より細かく音高を区切る)を使った音楽だと思っていました。でもそれが全てではありませんでした。

 ライナーノーツによると、なんでも十二音技法での作曲で精神を病んだシェルシは、鍵盤楽器を演奏して録音し、気に入るまで何度も録音し直し、納得できた録音テープを他の作曲家に渡して楽譜にしてもらったとのことです。これだけ読むと、ポップスなんかでもよくありそうな話ですが、実際シェルシの音楽ったらメロディもリズムもない軟体動物のようなものばかりで、こんなテープを渡された人も困ってしまうのではないでしょうか。

 でも、そもそも五線譜を使って音楽を表記するなんて西洋音楽の勝手なローカルルールです。時間的にも音響的にも伸び縮みし蠕動するようなシェルシの音楽は、東洋思想に影響を受けたものだそうです。そう思って聴いているうちに、特にソロ曲でですが、何だか時代劇のシーンみたいなのがイメージされてきて、これは日本の音楽ではないかという気もしてきます。

 また、楽器編成の大きなプラナムIIでは、夜の東京湾にぶよぶよした謎の巨大生命体が流れてきているようなイメージが浮かんできます。その巨大なものは有機体ではあるのでしょうが、どこがどういう器官なのかさっぱりわかりません。暴れて周りに被害を与えるわけではありませんが、とにかく異様です。人々があっけにとられて見守っています。…とかそんなイメージ。

 ピアノソロによるアイツィも凄い曲です。数秒~15秒ごとに音が一つの鳴るだけのものですが、その和音だか何だかわからない音の重なり方が凄いです。ドレミで言えばどれもファ?の音が中心となっているのでしょうが、背筋に響くような「ファー」から、地盤沈下に巻き込まれたような「ファー」まで、なんだかファの壮絶な歴史を見ているようです。よく楽譜にできたもんだ。

 現代音楽なんて日本で最も聴かれない音楽だと思いますが、このイタリア人であるシェルシの音楽はもっと日本人に聴かれるべきです!



 「プラナムII」の動画。それにしても東洋的にもイスラム的にも聴こえる不思議な音楽です。瞑想がはかどりますね。


クラシックCD紹介のインデックス

【ゲームクエスト】SuperLite1500シリーズ ザ・テトリス

2010-10-14 18:58:15 | ゲームクエスト
SuperLite1500シリーズ ザ・テトリス(プレイステーション)

2006年5月18日掲載

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『昔よくかよってたんだけどね、渋谷センター街に「渋谷会館」ってビルがあって、そこは地下から5階までまるごとゲームセンターなんだ。そのビルの看板に「頭と指先を鍛えよう」ってのが二十年くらい前からあったんだけど、今でもあるのかな?

 そういえば最近、脳を鍛えるゲームがはやっているけど、ゲーマーにとってはヤバイ風潮なんだよ。いままでゲームをしたことのない人達にもウケているわけなんだけど、ああいうゲームって、操作の面白さとか、上達の喜びがあるわけだ。つまりゲームそのものの楽しさなんだ。ゲーマーじゃない人がゲームをできるようになってきたんだ。

 一方、今のゲーマーってストーリーとかキャラクターを重視するだろ? つまりゲーム以外の要素ばかり求めて、肝心のゲーム的な部分については、やれ「レベル上げがめんどくさい」だの「ゲームをやらされている」だの言っているんだ。ゲーマーと言われる奴らこそがゲームをできなくなっているんだ。体力、学力に続いてゲーム力まで落ちているんだ。

 そこでだ、この「ザ・テトリス」を見直したいんだ。今さらテトリスなんて、と言うかも知れないけれど、今だからこそテトリスなんだ! このテトリスはな、対戦プレイができる以外はごく普通のテトリスだ。それはつまり、「ゲーム」に必要な要素が全てそろっていて、なくてもいい要素が全くないということだ。誰もが知っているゲームだし、今のゲーマーを鍛えるのにはうってつけだと思わないかい?

 ひょっとしたら、プライドの高いゲーマーはテトリスを認めていないのか? 女子供のやるゲームだとでも思っているのか? そういうゲーマーがテトリスをどれほどうまくできるのか知りたいもんだ。テトリスができないゲーマーの方がよっぽどカッコ悪いじゃないか! そんなプライドは犬に食わせちまえ!

 むしろ、テトリスみたいなゲームを君のゲーム観の中心に置いてみるんだよ。ストーリー中心のゲーム観じゃあテトリスの居場所なんてないだろう? もし君が「ゲームとは…である」と語りたいのならば、少なくともテトリスをカバーできるだけの定義をしなきゃ説得力が無いね!

 ストーリーやキャラクターが大切なゲームがあるのはわかっている。私だってそういうゲームで好きな作品なんていくらでもあるさ。だけど、そういうものを必要としないゲームもあるんだ。だから「ゲームで最も大事なのはストーリー」とか「ゲームはエンディングが全て」とか言うのはもうやめよう! ゲームの発展を願うなら、「ゲームの中の世界」ばかりを語るのはやはり健全ではない。ゲームは頭と指先を使ってナンボだろ? ムービー見てるだけで語れるようなストーリーなんか、まずは脇に置いておくんだ。

 まだ「ゲーム」がわからないのか? じゃあ例えば、将棋や囲碁の楽しさって何だ? スポーツの楽しさは? ゲーマーとスポーツ選手とは本質的にどこが違うというんだ?  

 1ラインでも多く消し、1点でも多く取り、1レベルでも高みに到達するためにテトリスをプレイするんだ! テトリスで、「ゲーム」で、昨日の自分を超えるんだ!』

『うぜぇんだよ』

『すいません……』

手放したゲームたち その2 割と良かったけど、クリアしたからもう十分

2010-10-13 20:00:32 | ゲーム
・SWITCH(プレイステーション2)
【一言】狂ったマザーコンピュータを直すために、そのスイッチを探す。間違ったスイッチを押すと、世界の有名建造物が大変にアレなことになる。ゲーム性はゼロ。全てのスイッチを押すにはマッピング必須!
【もう一言】マッピングして、全部のスイッチを押した。あのマップ捨てなきゃ良かったかな。


・SIMPLE1500シリーズ Vol.53 THE ヘリコプター(プレイステーション)
【一言】アナログスティックを使用してラジコンヘリを操作し、数々のお子様ミッションをクリアする。ヘリ独特の操作感覚がリアル。学校のプールに潜む怪物や、音楽室を飛び交うベートーベンの肖像を激写する。


・SIMPLE1500シリーズ Vol.59 THE 推理 ~IT探偵:18の事件簿~(プレイステーション)
【一言】ネットワーク上で依頼を受け、疑似人格プログラムと対話しながら、送られてきた資料の不審な部分から事件を解決するという、SIMPLEシリーズにしては凝った作り。大きな謎はプレステ2の続編に続く。


・SIMPLE2000シリーズ Vol.17 THE 推理 ~新たなる20の事件簿~(プレイステーション2)
【一言】SIMPLE1500シリーズのTHE 推理の続編。システムは前作を踏襲しているが、さらに掲示板などの情報を読み解く必要がある。事件は相互に微妙に関連。前作最大の謎が明らかになるが、さらに大きな謎が。


・アルゴスの戦士(プレイステーション2)
【一言】ギリシャ・ローマの雰囲気を持ち、独特な武器ディスカーマーを駆使して戦うアクションゲーム。86年のアーケード同名作品はディオニソス的だったが、本作はアポロ的、とギリシャ風に例えてみた。
【もう一言】全難易度でクリアして、アイテムおよび隠しをコンプリート。あの雰囲気がなつかしい。


・ダンスダンスレボリューション 2ndReMIX アペンド クラブバージョン vol.1(プレイステーション)
【一言】DDRの追加ディスク。アーケードでビートマニアとの通信プレイ時の曲を収録。ダンスミュージックとはノリの違う楽曲でのステップは新鮮。曲数もなかなか多い。skaでは地団駄ステップが有効。
【もう一言】こちらも全曲全モードでSSランクでクリア。もちろん、指で。


・テイルコンチェルト(プレイステーション)
【一言】可愛いキャラが3Dフィールドを動き回るアクションゲーム。低年齢向けだが、ていねいに作られている。しかし時々ムカツクほど難易度の高い部分がある。また、やや短いと感じる。尻尾協奏曲って何だ?


・SuperLite1500シリーズ パンゲア(プレイステーション)
【一言】すごろく感覚RPG。ダンジョンの構造、戦闘の勝敗、トラップ回避、宝箱の中身などの全てがサイコロで決まる。今の状況をいかに生き抜くかというRPGの本質を突いている。実は慣れたら目押しも可能。
【もう一言】サイコロによる回避不可能の状況をいかにカバーするか、が面白い。


・機動戦士Zガンダム(プレイステーション)
【一言】ガンダムシリーズでひときわ先鋭的なゼータをゲーム化。今作は基本的に一対一の戦闘で、敵機が常に画面内にいる仕様。ややゲーム的過ぎるが、これはこれでいいかも。シャアモードはテレビ版を補間。
【もう一言】バトルモードも全キャラ全機体でクリア。


・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(プレイステーション)
【一言】ゲームの基本はZガンダムと同等。アムロとシャアの戦いにスポットをあて、1年戦争のエピソードを挿入しながら結着をつける。前作ほどのボリュームはないが、いろいろとクオリティーは向上している。
【もう一言】バトルモードも隠し機体含めてクリア。


・最終電車(プレイステーション)
【一言】ヴィジットのハイパーノベルシリーズ第2弾。主人公が降りるはずの駅を最終電車が通過して、その原因を究明する。舞台が走る電車の中で、逃げ場がないのが恐ろしげ。ギャグシナリオがハジケてる。
【もう一言】再廉価版新品定価800円。


・秘密結社Q(プレイステーション)
【一言】悪の秘密結社の幹部となって、正義の味方の妨害をかわしながらミッションをクリアする。スタンダードなウォーシミュレーションの体裁。幼稚園の送迎バスを襲うなどの悪質かつスケールの小さいミッション。
【もう一言】マルチエンドも全部見た。


・霊刻 ―池田貴族心霊研究所―(プレイステーション)
【一言】故池田貴族によるアドベンチャーゲーム風心霊データベースソフト。館の中で突然に起こる心霊現象はなかなか恐ろしい。さらに故人である池田貴族自らが出演しているのも異様な迫力である。
【もう一言】これは怖かった。プレステで一番かも。オープニングムービーも良かった。

【ゲームクエスト】金鉱脈探査シミュレーション インゴット79

2010-10-12 19:22:50 | ゲームクエスト
金鉱脈探査シミュレーション インゴット79(プレイステーション2)

2006年5月12日掲載、現在は地下に関する仕事はしておりません。

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 私は大学で地質学や岩石学などの地球科学を専攻し、現在でも地下に関する仕事をしております。そんな私がこの「金鉱脈探査シミュレーション インゴット79」を購入したのは当然のことです。

 地球科学とは状況証拠を積み重ねる学問だと言われています。例えば、人類は38万キロ離れた月に降り立つことはできましたが、たった10キロ地下に潜ることはできません。そこは高温・高圧の世界だからです。それなのに、地球の内部がどうなっているかはよく知られています。様々な観測や実験から、まず間違いないだろうという状況証拠がそろっているのです。

 本作は掘削シミュレーションではなく、探査シミュレーションです。まさに、さまざまな状況証拠から地下の金鉱脈を探し当てるのが目的です。ゲーム中の解説では、岩石を溶かし込んだ熱水(高温高圧の水)から石英という鉱物とともに金が沈殿するとあります。ただし、岩石内の石英の成分はほとんど無尽蔵にあるのに対し、金は微量しか存在しないため、石英があるからといって金が必ず含まれるとは限りません。とは言え、探査結果から地下の石英脈を探し出すことがとりあえずの目標です。探査隊を率い、金鉱脈を求めて地球に挑むのです!

 ゴキゲンな音楽にのって探査開始です。探査は簡略化されているものの、なかなか本格的です。ですが、覚えなければならないことも少なく、ゲームを進めているうちに自然と理解できるようになります。解説映像も科学的で、無理なく知識が得られます。本格的な作りに納得です。

 一方、探査隊の方はと言えば、まるで高校生がノリでキャンプをしているようです。ある時は川でパンニング(砂金さらい)をしていると、食糧が川に流されてしまいます。急げ! アメリカン・カウボーイ! またある時は、探査中に野生の熊が襲ってきます。戦え! モンゴル相撲の使い手よ! 負けてしまうと気力が萎え萎えになりますが、そんな夜はテントで筋トレして気力充実だ! 地球に挑むのも大変です。

 しかしながら、そのようなストーリーもキャラクター達もステージを進行させるための狂言回しに過ぎません。やはり最も面白いのは、自分の判断で金のありかを見いだすことです。多くの探査結果をマップ上にずらりと並べると、いかにもありそうな地点が浮かんできます。地球に山ほど状況証拠を突きつけてやれ!

 それでも、どんなに状況証拠を積み上げても、金が含まれている「かも知れない」岩脈を追うことしかできないのです。最後は運任せのギャンブルです。金があるかどうかはボーリング(細い穴を掘って地下深くの岩石を採取すること)しないと分かりません。このボーリングに大変な費用がかかるのです。ステージごとの費用と探査期間は限られているので無駄なことはできませんが、最初のボーリングはハズレなのが普通です。そして一番悩むのが、ハズレた時に近くを再び掘るのか、あきらめて別の場所を探すのかを決断する時です。神経の細い私にはなかなかキビシイ!

 そんな感じでゲームを進め、ついに金鉱脈を掘り当てる時が来ました! ボーリングのビット(ドリル)の先端に黄金のムカデがぴゅるぴゅると吸い込まれて行きます! 轟音とともに黄金のムカデは雲を割って上昇します! 天空を悠然と泳ぎながら、大量の紙幣をふりまく黄金のムカデ!! ……なんなんだ、この表現は?

 このようにちょっとバカゲーっぽいところもありますが、プレイし終えた後に「金鉱脈探査とはファンタジーではなく現実にあることだ」と再認識すると、何やら愉快な気分になってくるゲームです。そして私は、あながち冗談でもなく転職を考えてしまうのです。