夏休みは,鳥取・島根方面へ遠征に行って,すばらしい風景に出会うことができた.オートバイもライダーも完全燃焼気味であったけれど,急に紀伊半島の海が見たくなって,8月末に荒船海岸へ向かった.
前回,荒船海岸へ行ったのは,海霧を見ることができた2月頃だった.あれから,半年ぶりとなる再訪になった.コロナウイルスの影響で日常の在り方が,すかっり変わってしまったけれど,変わらない荒船海岸の景色に以前の日常が思い起こされ,とても懐かしい気持ちがした.
8月末の荒船海岸は,とても波穏やかで,白波の飛沫が飛び交う荒涼とした雰囲気ではなかった.いつものように,まず車道の終着地点まで行く.そして,終着地点の広場に辿り着くと,以前まで置いてあった椅子がなくなっていた.これには,とても寂しく思った.
荒船海岸にも変化の兆しは,確実に訪れていた.今回とても驚いたのが,荒船海岸の入り口に立派なゲートが設置されていたことだ.令和2年の9月から,19時から6時の間,関係者以外は立ち入り禁止となるそうだ.この時間帯は,ゲートで入り口が閉ざされて,海岸へは行けなくなる.
こうなってしまうと,日の出の時刻が5時台の時期は,もう荒船海岸で海の下から上がってくる太陽を見ることができない.この日は8月最後の週末だったので,急ぎ近場の宿を探し,翌日に荒船海岸で日の出を見ることにした.
海岸入り口のゲート設置については,2021年から運用が開始される民間企業のロケット打上げ射場に関係していることは間違いないだろう.運用開始まで,あと一年足らずということもあって,荒船海岸の奥地でロケットのテストフライトが始まるのかもしれない.
その他,海岸途中にある分岐道にも進入禁止のロープが張られていた.立派なキャンプ場も随分と前に閉鎖されてしまって,今はフェンスで封鎖されている.荒船海岸自体が立ち入り禁止になる日が,やって来てしまうのではないかという気に駆られた.
複雑な思いで荒船海岸の碧い海を眺めたり,風景を写真におさめていると,汗でびっしょりになってしまった.それでも,久しぶりに見る荒船海岸での海は,やはり素晴らしかった.
陽も落ちてきたし,そろそろ宿へと向かうことにした.明日の朝,きれいな日の出を見ることができるだろうか.そんなことを思いながら,荒船海岸を後にした.
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