幅員狭小で,かつ路面状況の悪い和歌山県r45を走行して,しばらくすると,目の前に特徴的な景観が現われた.ちょうど一年前,この場所を通過した時,とても印象に残ったところだ.
それは,r45の道路脇にある倒壊した廃屋群だった.どれも去年から,ほとんど姿を変えずに残っていた.この廃屋の木たちが,朽ちて自然に帰るまでにあと何年を要することだろうか.
この一年の間に,台風による大雨が幾 . . . 本文を読む
r43の狭小区間を走り抜けるも,その先に続く道も県道ではなく険道であった.ただし,狭小区間以外はそれほど荒れておらず,次なる和歌山県r45を目指して,少しピッチをあげて走ることにした.
無事にr45との分岐点へと辿り着き,r43に別れを告げて,r45へとスイッチした.この辺りは,標識によると,那智勝浦町の樫原(かしわら)というところだ.集落があって,所々に廃屋と共に民家が立っていた. . . . 本文を読む
ついに和歌山県r43の最大幅1.7メートルの道路区間に突入したわけだが,路面状況は一年前に走行した時よりも荒れているように感じた.
それに加えて,太陽から照り付ける日差しがとても強くて,日向と日陰にて明暗のコントラストが生じていた.これがまた,路面状況の把握に対して非常にやっかいな存在であった.
それにしても,紀伊半島のど真ん中を貫くこの道は,非常にダイナミックであって,岩盤 . . . 本文を読む
和歌山県r43を北上していき,とうとう登りの区間に突入した.そして,標識によると,この辺りから幅員が減少していくようだ.
道幅の狭い過酷な登り道であるが,時折,視界が開けて,紀伊山地の雄大な山並みを眺めることができた.山が列をなしており,青空と共に開放的な景観が広がっていた.
景色を堪能しつつ,適度なカーブが断続的に続く道を,ひらりひらりとバンクさせながら進んで行くのだった. . . . 本文を読む
田原の海岸で海霧を見たあとは,和歌山県r43で山へ向かって北上した.山深くなってくると冷え込みが厳しく,古座川町の瀧之拝太郎という道の駅にて休憩することにした.早朝ということもあって,道の駅には人の気配すらなかった.
休憩を終えて,ほぼ一年振りとなる和歌山県のルートフォーティスリーで山の中に突入した.一年前は今回と逆で,新宮市から古座川町へと南下したのだが,日没寸前での走行だった.そ . . . 本文を読む
和歌山県の串本町で目覚めた朝.お決まりのように荒船海岸へと日の出を見にいくと,散歩していた地元の方から,田原の海岸に海霧が出ているから,そっちに行ったほうがよいと教えていただいた.素直に田原海岸へと直行すると,幻想的な海霧の景色が広がっていた.
田原の海霧は,海へと注ぐ田原川の上流で発生した霧が川を下って,海へ出るとさらに霧の量を増やして海上を漂う,という真冬だけに見られる現象だ . . . 本文を読む
尾鷲港から一路,和歌山県の太地町へとやってきた.久しぶりの森浦湾から眺め.対岸も同じく太地町で右から,捕鯨船だった第一京丸,くじら博物館,三つ星ホテルという順番だ.
森浦湾はリアス式海岸で,その突出した岩場を歩て行けるようになっていて,鶴島という洞窟のある無人島を正面に眺めることができる.夏は暑さが厳しいので,こうやって歩いたりすることはできないが,冬はこうした別の楽しみ方ができて良 . . . 本文を読む
しばらく真冬とは思えない暖かな陽気が続いていたが,最近になってようやく冬本番といった感じだ.奈良県宇陀市の山中にて,電光掲示板の温度が-5℃と-6℃の間を行き来していた.体の芯まで凍ってしまいそうで,震えながらのライディングを強いられることになった.
交通量の少ない道や日陰の路面には,シャーベット状の霜が降りていた.天気は晴れたり曇ったりと変化が激しくて,米粒以下の大きさの雪が常に舞 . . . 本文を読む
木津川と名張川がちょうど合流する静寂な地―夢絃峡―の川沿いを進んで行くと,大きくて立派な日本家屋が現われる.悲運の運命を遂げた男女の伝説が残る地ということもあって,静寂の中に独特の雰囲気が漂っている気がした.
古風な日本家屋の傍までやってくると,かなり大きなお屋敷の様な建屋であることがわかった.そして,窓のほとんどが締め切られていた.それでも少し生活感があることが見てとれた.ここは鶴 . . . 本文を読む