秋も深まり,朝晩を除けば,過ごしやすい陽気が続いていた11月の半ば頃.久しぶりに熊野市の松本峠を登ってみることにした.目的と言えば,もちろん,峠から七里御浜の景色を眺めることだ.
前回と同じように,大泊海岸の交差点にある昇り口から,松本峠を目指すことにした.松本峠までは,距離にすると大したことはないのだけれど,勾配が急な石畳の道が続いている.
陽が昇る前の薄暗いうちに登り始め . . . 本文を読む
旧尾鷲三田火力発電所の煙突解体作業が始まってから,その後も頻繁に尾鷲港へ立ち寄っている.ある日の早朝の尾鷲港からは,煙突がちょうど半分ほど撤去された状態になっていた.
元々の煙突高さは,230メートルほどあったはずである.この時は大体その半分の高さで,100メートルちょっとだと思われた.これまでは,背後の山より高く見えていた煙突だったけれど,もう山の下におさまるほど小さくなってしまっ . . . 本文を読む
最近は明け方の冷え込みが強く,早起きしてもなかなかベッドから抜け出せずに,ぼんやりしてしまう.時間はあっという間に流れて,カーテンから明るい光が漏れてくる.慌てて身支度を整え,自宅を出るも,市街の交通量は多く,遠出は出来そうにない.こんな時は,和束町に起点がある三国越林道を走るようにしている.
三国越林道は,和束町から信楽や伊賀へ通じている舗装林道で,交通量は皆無である.運がよければ . . . 本文を読む
今年は,山での紅葉を見に行くことが出来そうにない.そう言う訳で,地の利を生かして,和束町の紅葉の名所,正法寺を訪れた.ここならば,自宅から1時間もかからない.
なるべく人の少ない時間帯をねらって,朝早くに出掛けたので,ゆっくりと紅葉を楽しむことができた.正法寺の紅葉は,真っ赤に燃えているようだった.
明け方の天候は,少し不安定で,晴れたり曇ったりを繰り返していた.紅葉は,太陽 . . . 本文を読む
夜遅くから明け方まで,しとしと降り続いていた雨もあがったようなので,どこ行く当てもなくオートバイを走らせた.市街から深い霧が発生しており,幻想的な白い世界が広がっていた.
和束町へと抜ける峠の途中に,和束町を一望できるコーナーがあるのだけれど,町には真っ白な雲海が下りていた.和束町のシンボルでもある茶畑に囲まれた古墳,安積親王陵墓(あさかしんのうりょうぼ)も雲海の下に隠れてしまってい . . . 本文を読む
紀伊半島の東海岸で最もきれいなビーチと言えば,新鹿湾であるとわたしは思う.三重県の尾鷲市から海岸線を南下して,熊野市に入ると,国道から新鹿湾の青い海が視界に飛び込んでくる.この景色だけは,いつも見た瞬間から,胸が高鳴ってしまう.
尾鷲市から熊野市までの海岸線は,複雑に入り組んだリアス式海岸になっている.そのため,断崖絶壁の海岸が続いており,白砂のビーチというのは大変稀である.それゆえ . . . 本文を読む
熊野市の宿で一晩を過ごし,夜明け前に波田須町へと向かった.行先はもちろん,徐福の宮が見える海岸だ.そこで,日の出を見ることにした.ところが,現場に行ってみると,水平線の先には雲がたなびいていた.
日の出の時刻,6時頃を過ぎると,雲の上の辺りが紅色に染まり始め,急に明るくなってきた.そして,一日の始まりを喜ぶように,きれいな笛の音のような鹿の鳴き声がどこからともなく聞こえてきた.
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梶賀町や磯崎町をゆっくり散策していると,とうとう陽が傾いてきた.今宵の宿は近くに取ってあるので,暗くなるまで七里御浜の景色を楽しむことにした.
七里御浜は,熊野市から紀宝町まで続く22キロメートルの砂礫海岸だ.そして,南国を連想させるようなヤシの木の風景もある.晩秋から冬にかけて,とても暖かな気候であり,わたしのような寒がりのライダーには,もってこいの場所である.
紀伊半島の . . . 本文を読む
尾鷲市の梶賀町から熊野灘の海岸沿いを南下し,熊野市の磯崎町へとやってきた.磯崎町は,大泊海岸の東に位置しており,対岸には鬼ヶ城が見える.山中海岸の斜面にびっしりと並んだ港町の風景は,独特でもあり,また壮観である.
志摩半島から南へとリアス式海岸が続いているが,磯崎町はちょうどそのリアス式海岸の終点となっている.磯崎町のある大泊海岸より南は,七里御浜であり,砂礫海岸が南に22キロメート . . . 本文を読む
梶賀(かじか)町といって,尾鷲市の最南端に静かな漁村がある.梶賀町は,複雑に入りくんだリアス式海岸,賀田湾の湾口に位置しており,東には熊野灘が広がっている.梶賀町に入る直前にビューポイントがあって,木製のベンチが置いてある.
このビューポイントは海岸の高台にある.写真を撮っていると,かなり大きな船舶が,ちょうど賀田湾から熊野灘へ向かって進んでいくところだった.ガット船と言って,水中ポ . . . 本文を読む