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国崎町の鎧埼灯台から志摩半島を南下して,最南端に位置する志摩町片田にやってきた.志摩半島の最南端は,岬になっていて,麦崎と呼ばれている.岬まで狭い道が続いているが,オートバイでなら麦崎燈台の下まで行くことができる.
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麦崎燈台の下は,ガッサの丘という公園になっている.陽が傾きだした頃の公園には,誰一人としていなかった.そして,少しだけ冷たい海風が吹いてきて,ようやく残暑の蒸し暑さから解放されるのだった.
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麦崎は,海女の磯笛が聞ける場所として,環境省指定の「残したい日本の音風景100選」に選ばれているそうだ.海女漁の時期なると,海面に上がって来た時の海女の呼吸音が,笛の音の様に聞こえてくるという.
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残念ながら,磯笛は聞こえてこなかったけれど,灯台の下で素晴らしい熊野灘の風景を見ることができた.この辺りの海域は,小型船舶や漁船が通航する布施田水道と呼ばれている.
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穏やかな海のように見えるけれど,暗礁が点在しており,夜間の乗り揚げ事故が多いという.麦崎燈台は,布施田水道という日本有数の海の難所から船舶を守り続けている.
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