「つくし」
日曜日である
山田さんの旦那さんが
顔を楕円形にして
春の野のつくしのように
立っている
春の野ではなくて
自分の庭で
腕組みもせず
長い手をだらりとさせて
丸い空を見ている
偶然だろう
塀で区切られてはいるが
隣の竹中さんの
旦那さんも顔を長くして
丸いものを
見上げている
放心して
丸いものをみている
時折湧いてくる唾を
呑み込みながら
四角いところから
つくしのように
見上げている
日曜日である
山田さんの旦那さんが
顔を楕円形にして
春の野のつくしのように
立っている
春の野ではなくて
自分の庭で
腕組みもせず
長い手をだらりとさせて
丸い空を見ている
偶然だろう
塀で区切られてはいるが
隣の竹中さんの
旦那さんも顔を長くして
丸いものを
見上げている
放心して
丸いものをみている
時折湧いてくる唾を
呑み込みながら
四角いところから
つくしのように
見上げている