尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

刺青(いれずみ)

2008年11月26日 23時43分48秒 | フォトポエム


詩のことばは
心の刺青
痛みと熱と
あなたを忘れたら
あとは
後ろ姿で美しいだけ

死ぬほど
哀しい詩(うた)も
体を震わせ
笑ってあげると
背中で
一緒に笑います

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2008年11月26日 01時24分33秒 | 尾崎まことの「写真館」


一本の花というものが
わからないとき
かならず
自分というものがわからない
くねくね蛇になって
地球に巻きついている

すべての花というものが
わかるとき
自分というものが
地球という木を
留守にしているとき

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出発としての「愛」

2008年11月26日 01時10分44秒 | 詩の習作


愛というものが
人の歩むべき到達点と見なされ
しかもしばしば
不可能と結論してしまうところの
私たち共有のシニシズムは
愛がこの二一世紀において
人の到達する目標ではなくて
私たちを出発へと強いる
パワーのそのもであるからだ

二一世紀の私たちに
愛が無いのではない
私たちは
愛したくないのだ
この場に及んで
出発を拒んでいるのだ

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新しい道

2008年11月26日 00時13分36秒 | 詩の習作

昨日
この道を
行っては帰り
今日
この道を
行っては帰り
明日
この道を
行っては帰り

毎日という道が
振り子のような
往復運動に見えるが
その行程の見かけに
ほとほと疲れ果てていると
ふいに風が起こり
雲のようなもの
星のようなもの
良い幽霊のようなものと
擦れ違うので
ほんとうは
夢で見たことのある
あの山の峠を越え
空を駈け登ってゆく
飛行機雲のような
一本道に見えてきた

この道は
いつも新しい

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