今のるり子さんは、私が初めてお会いした十七年前に比べて百倍も暖かく美しく見える。十七年前は事務長として仕事をバリバリやっていて、その仕事への自信にあふれていた美しさだった。今は痴呆になった夫の幸せのために、あれやこれやと気配りをし、おいしい食べ物を用意し、しものお世話をする愛にあふれた一人の人間としての美しさだ。
るり子さんは、何をするにも、夫の顔色や様子を見て行動する。夫には、何度か説明し、やっとわかって、いい顔になる。「いい顔」で物事を進めないと、後でさらに手間のかかることになる。夫の世話をする人間は、自分しかいないのだという責任感が、るり子さんの心に、さらにリンと張りを作る。るり子さんは自分が健康でなければと玄米を食べている。夫は小学校の校長先生だった。定年前に発病し、退職したとたん、さらに症状は悪化した。
時には、るり子さんは夫をデイケアにあずけて日本舞踊をやったりする。夫を愛するエネルギーを培うために、ちょっとわがままして心のバランスをとっている。夫が喜ぶ様子を話するり子さんは、一番輝いている。
(坂口せつ子)
(高崎市民新聞2002年5月23日)
せつ子は「すてきな命が輝くまちづくり」を目指しています。
せっちゃんの明るい「かきくけこ」
るり子さんは、何をするにも、夫の顔色や様子を見て行動する。夫には、何度か説明し、やっとわかって、いい顔になる。「いい顔」で物事を進めないと、後でさらに手間のかかることになる。夫の世話をする人間は、自分しかいないのだという責任感が、るり子さんの心に、さらにリンと張りを作る。るり子さんは自分が健康でなければと玄米を食べている。夫は小学校の校長先生だった。定年前に発病し、退職したとたん、さらに症状は悪化した。
時には、るり子さんは夫をデイケアにあずけて日本舞踊をやったりする。夫を愛するエネルギーを培うために、ちょっとわがままして心のバランスをとっている。夫が喜ぶ様子を話するり子さんは、一番輝いている。
(坂口せつ子)
(高崎市民新聞2002年5月23日)
せつ子は「すてきな命が輝くまちづくり」を目指しています。
せっちゃんの明るい「かきくけこ」