私は毎年「すてきな命」展というのをシティギャラリーでやっている。精神科に入院している人々と、エアロビクスを通じて出会い、紹介したいと常々思っていた。
清水さんは今五十七歳。県庁に六年間つとめ、市町村をバイクで走り回り、健康指導や料理教室、体操教室など一生懸命やった。好きな絵画を学びたくて美術学校へ。
清水さんは、今、精神科に長く入院している。自分の家もきちんと持っているので、お正月やお盆には家に帰る。家に帰った時に油絵など大作を描く。病院では場所がないため、コンテやパステルなどで、コップにさした野の花を描く。
「すてきな命」展の度に、高校時代の友達に手紙を送る。精神科に入院していることも知らせながら。清水さんと友達が、会場で涙の再会をし、抱き合うのを何度も見た。清水さんは立派な人だ。その時その時を一生懸命生き、友達を大切にしてきた。私のことを「せっちゃん」と呼んでと何度言っても「先生」と呼ぶ。今年の「すてきな命」展で、ある会の先生が、清水さんの作品を見た。「ゴッホの絵を教材にしようと思ったが、この作品が欲しい。教材にしたい」と言った。清水さんは「あげますよ」と言った。
(坂口せつ子)
(高崎市民新聞2002年8月23日)
せつ子は「すてきな命が輝くまちづくり」を目指しています。
せっちゃんの明るい「かきくけこ」
清水さんは今五十七歳。県庁に六年間つとめ、市町村をバイクで走り回り、健康指導や料理教室、体操教室など一生懸命やった。好きな絵画を学びたくて美術学校へ。
清水さんは、今、精神科に長く入院している。自分の家もきちんと持っているので、お正月やお盆には家に帰る。家に帰った時に油絵など大作を描く。病院では場所がないため、コンテやパステルなどで、コップにさした野の花を描く。
「すてきな命」展の度に、高校時代の友達に手紙を送る。精神科に入院していることも知らせながら。清水さんと友達が、会場で涙の再会をし、抱き合うのを何度も見た。清水さんは立派な人だ。その時その時を一生懸命生き、友達を大切にしてきた。私のことを「せっちゃん」と呼んでと何度言っても「先生」と呼ぶ。今年の「すてきな命」展で、ある会の先生が、清水さんの作品を見た。「ゴッホの絵を教材にしようと思ったが、この作品が欲しい。教材にしたい」と言った。清水さんは「あげますよ」と言った。
(坂口せつ子)
(高崎市民新聞2002年8月23日)
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せっちゃんの明るい「かきくけこ」