P突堤2

「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

初めて訪問された方へ

P突堤2へようこそ♪
キーボード解説文を大幅増量してリニューアルしました!
こちらのリンクからコンセプトをご覧ください。

「創造すること」について――座右のメモ・スクラップ集

2023-07-22 | ビッグマウス(砕けた文体)(仮)

新しいタイプのクリエイターさん

・みふねたかし氏(いらすとや運営)
・プロ奢ラレヤー氏(人にご飯を奢られて生計を立てている)
・北洋建設・小澤社長(前科のある人を雇用し続ける)
・深井龍之介氏、楊睿之氏(通称:ヤンヤン)さん、樋口聖典氏(コテンラジオ制作)
・こんまり(近藤麻理恵)氏(片づけコンサルタント)
・時代と寝る女💋あいめこ氏(SNS運用代行/バズの女王)
・傾城の猫好き氏(Q&Aサイト・Quora回答者)

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「楽屋に茶色抜きのM&M'sのチョコを用意すること」世界的バンド、ヴァン・ヘイレンが要求するルールは一見ヤバすぎるが実は明確な目的があった - Togetter
▶派手な演出で電力や火薬を使うからライブ運営を成り立たせるためには超絶志向のリスクマネジメントが要る。ショーマンシップの賜物。

常識破りの6分のシングル、クイーンの名曲「Bohemian Rhapsody」を振り返る
▶複雑な構成、曲の長さ…レコード会社の上層部やラジオ局のDJの当初の反応は否定的なものだった。だがしかしふたを開けてみると…。

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「創作者が覚えておきたい星新一の言葉」
(2012年出版の「きまぐれ星のメモ」より):

無から有をうみだすインスピレーションなど、そうつごうよく簡単にわいてくるわけがない。
メモの山をひっかきまわし、腕組みして歩きまわり、溜息をつき、無為に過ぎてゆく時間を気にし、
焼き直しの誘惑と戦い、思いつきをいくつかメモし、そのいずれにも不満を感じ、コーヒーを飲み、
自己の才能がつきたらしいと絶望し、目薬をさし、石けんで手を洗い、またメモを読みかえす。
けっして気力をゆるめてはならない。

 これらの儀式が進むと、やがて神がかり状態がおとずれてくる。といっても、超自然的なものではない。
思いつきとは異質なものどうしの新しい組合せのことだが、頭のなかで各種の組合せがなされては消える。
そのなかで見込みのありそうなのが、いくつか常識のフルイの目に残る。
さらにそのなかから、自己の判断で最良と思われるものをつまみあげる一瞬のことである。
分析すれば以上のごとくだが、理屈だけではここに到達できない。私にはやはり、神がかりという感じがぴったりする。 

 この峠を越せば、あとはそれほどでもない。ストーリーにまとめて下書きをする。
これで一段落、つぎの日にそれを清書して完成となる。
清書の際には、もたついた部分を改め、文章をできるだけ平易になおし、前夜の苦渋のあとを消し去るのである。

◆◆◆◆(コピペ ここまで)◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【リンク列挙】

MIT Tech Review: 「この原稿は違法です」中国のワープロソフト、未公開小説をロック
▶テクノロジーの発達による"検閲"はプラットフォーマーの一存でこんなにも容易に執り行われるという危機感。創作環境以前にこんな死角のような圧力も実在する。

日本のオタクに知って欲しい、西洋のオタクスラング「Proship」という単語の意味と「Proshipper」という概念|マロミチャン🐶
▶日米の創作風土の違いにこんな温度差があるのか。ネットポリスが気に入らないクリエイターを標的に悪意をばらまくのはいただけない。風土以前の問題だな。

トム・クルーズも…損失は4000億円以上か?米国のハリウッド俳優・脚本家らがストライキ 「AI規制」「動画配信の報酬見直し」求め【Nスタ解説】(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
▶俳優という商売もコモディティ人材になってしまうのか?否!制作資本サイドが強欲に転倒し始めたという事だ。俳優も労働者なので団結しなければ均衡が破られてしまう。

【シン・ゴジラ小噺】
▶シン・ゴジラ、82.5億円の大ヒットの陰で制作当時東宝サイドから「恋愛要素を入れろ」との提案があった。(突っぱねてよかったね)
あるいは「君の名は。」に怪獣要素を入れておけばもっと売れていたのに(皮肉)、との分析が。

【クリエイター志向の方々に刺さる作品:映画大好きポンポさん】
▶敏腕幼女映画プロデューサー・ポンポさんに見込まれたジーンはいきなり大物俳優と、同じくポンポさんが連れてきた新人女優ナタリーと共に映画を作る事に。
一見地味な「編集作業」が作品全体の中でキーになっているのが見どころ。
杉谷庄吾【人間プラモ】によるPixiv発作品。話題のwebコミックがアニメ映画化!「映画を作る映画」「映画賛歌」

『スパロボ』開発者が“ファンからの一方的アイデア提案”の危険性を吐露し注目される。“盗用”を主張されると困る - AUTOMATON
▶これと同様に【注意】円谷プロのデザイナーさん「俺宛に僕が考えたウルトラマンのアイデアを送らないで」と異例の注意喚起、というのもある。

一度なってしまうと抜け出せない?! 今も深刻な「ポスドク問題」|転職Hacks
▶アカデミアの世界も創作の層の厚さを支える基盤リソース。クリエイターの世界も無関係ではない。

◆◆◆◆(ここから少し書き物、リンク添えて)◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

日本で「AI倫理」についてみんなが本気で考えだしたの自動運転とかではなく「AIアート」だった、という話 - Togetter

【駄文その1】
日本のクリエイターは種粒的に小さくまとまる事ばかりに腐心し、「包括」のいとなみを軽視してサボっている。
フォーマットの上でいかに立ち回る事しか考えていなかった甘さがある。
クリエイターという肩書を軽々しく名乗らないでほしい。フォーマットそのものすらないような未踏の地を切り開くのがクリエイターであって、
皆が一様に考えているようなクリエイターというのは、実は「職人」と言った方が正しい。
職人になるには資格を要するが、クリエイターになるには資質を要する。
職人は身体の業であり、クリエイターは概念の業で勝負する。立ち回りだけがうまい人はかえって創造性の邪魔になる。
世界は「包括をめぐる戦い」を皆しのぎを削って渾身の力で展開しているというのに、日本人は所有権明白でない領域だと関心を示さずすぐに美意識の適用をすっかり放棄してしまって
みすみす包括のもっとも創造的な果実「ルールのないところにルールを作る」を収穫する事ができずに指をくわえて眺めるばかりである。
所有権がある事、プロパティが明確であること、そんなことは現状実効力があるかすらも定かでないのにすがり続けていて何の意味がある。
たしかに概念に所有権はない。しかしビジョンに価値は宿る。
コスパしかモノサシがなくて"「安いから」の呪い"にかかっていないか。
個人という粒度から、社会という粒度へ跳躍すれば自己の境界もグロス(総量)も一段大きなカオスへと還り
新たな局面を展開することができるのだ。


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(「ガラスの仮面」速水社長のセリフ)
「いいか!自分たちを安っぽくみせるな!」
「無料だと世間はきみ達を甘くみるぞ。誇りを持って観客からは料金をとるんだ」

【駄文その2】

たとえば歌詞の情報濃度がベラボーに濃密で
饒舌なロジックキレキレで人の認識や行動様式に初見で一発で修正不可能なほどの変更を促すような
利害や境遇にクリティカルににコミットしてくる、そんな歌詞をもったアーティストならいいけど
ロックやパンクが社会的メッセージを発して固定観念を打ち払うなんてことももうないし
単に逸脱することがカッコいいっていう風にすり替えられて行っているんだよね。

正直今の成熟した世の中にあってそれほどの影響力を与える音楽ってないよね 小説はどうだろう 個人で完結するやつって純粋には成立しづらいか
でもアニメや映画のような動員創作物はわからんけど パースペクティブが分散するね。

好きこそものの上手なれといえば聞こえはいいけど クリエーター志願の人なんかはこれから苦戦しそうだよね。
創作自体は尊い行為であると思うけど メタ風が飽和しすぎているんだよね だから 創作物全般の価値が低い。
今や空前のアイデア買い叩かれ時代になっているのも知らずに AI創作物の暗黒時代になるかもわからないし
上滑りした斜め上の意識高い系が幅効かせているのもあるし 幻惑としての投げ銭経済でモチベーションが歪んでしまうリスクもある。

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【最後にひとつQ&Aサイト方面のリンク貼り貼り】

まともなメロディを構成し得る音階の組合せは有限であるので、早晩作曲し尽されて新たな楽曲は絶えるのではないかという心配をバッハの頃にはされていたそうですが、実際のところはどうなのでしょうか? - Quora

▶にゃーさんの回答に注目↑

687億以上のメロディーをアルゴリズムで作り、著作権登録した弁護士 | ギズモード・ジャパン

 

◆◆◆◆(以上でメモ・スクラップ 終わり)◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

手前味噌ではありますが拙案の「ペンタクラスタキーボード」というのも細々ながら創作行為の端くれとして地道に奮闘しております。
最近では煮詰まってきてなかなか本筋にたどり着けなくて苦戦中なのですが
創作活動を頑張る皆さんにも届くように、収集したコピペやリンクをまとめてみました。

7月に入ってからの直近のニュースやトピックから触発される材料も多くありましたのでこうして問題意識とともに皆さんと共有できたら幸いです。


おまけ
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【マウス登場時、その将来性に関して発表された専門家の意見 】


「マウスは良いアイデアだが、ビジネス ユーザーの役に立つかどうかは疑わしい」(George Vinall、PC Week、1984 年 4 月 24 日)
「ユーザーがこういったものを使いたがる根拠はどこにもない」(John C. Dvorak、San Francisco Examiner、1984 年 2 月 19 日)
「使うのはとても楽しかったが、ビジネスの視点から考えると生産性に疑問を持たざるを得ない」(George Vinall、PC Week、1984 年 4 月 24 日)
「会社役員のような特定のターゲット層にとって、マウスはコンピューターを使いやすく馴染みやすいものにしてくれるのだろうか。答えはノーだ」(Computerworld、1983 年 10 月 31 日)
「会社役員にとって、このデバイスがキーボードよりも快適に感じられる可能性はまったくない。”回転性” のあるマウスは、仕掛けばかりに凝ったおもちゃのような感が否めない」(Computerworld、1983 年 10 月 31 日)
「現段階では、マウスとその仲間は単におもしろいというだけだ。革新的に見えるものが常に有用とは限らないわけで、そこには商業的寿命という真の試練が待っている」(David A. Kay、Datamation、1983 年 10 月)

 


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自衛のために独自の通貨記号を提案する

2023-05-23 | ビッグマウス(砕けた文体)(仮)

少し時間がたってしまいましたが、先日こんなニュースを目にしました。
キャスター:「あるネット通販サイトで、ガイドブックが『¥1680』でいいな、買おうと思ってポチッとしたら、3万2916円の請求が来たといいます。国民生活センターが注意喚起しましたが、どういうことでしょうか?」
解説者:「この¥のマーク、日本円かと思いきや、中国の人民元だといいます。今のレートでは人民元は日本円の約20倍なので、3万3000円ほどになってしまったということです」

表記の盲点を突いた嫌がらせ、従前より中国元の英語表記が”Yuan”で円通貨記号とカブる「¥」表示だったことは知っていたのでもしかして悪用する輩が出るのでは…という悪い予感が的中してしまいました。
日本では海外サイトまで乗り込んでいったのだから自業自得だろ…って冷たい自己責任に帰す人が多すぎて嫌になるのですが
問題のサイトは明らかに日本語話者のユーザーを標的にしていて詳細の確認をしようとしても導線が辿りにくくしてあるかUIが不親切な作りで
故意に誤認を誘っている悪意あるつくり。自己責任の前に悪意の糾弾というプロセスをすっ飛ばしていないか?という疑問が湧いてきます。

これは根源的な問題であるように思えます。
中国の当局が自ら襟を正して対処するかと言えばそんなこと1ミリも期待できません。
やはり異なる国同士が同じ通貨記号を共用しているというのは間違いのもとであります。
一般的な表記の分け方として、日本円の場合はJPY、人民元の場合はCNYという通貨コードの書かれ方がされていますのでそちらの表記をもっと一般化させればいいじゃないか、
という声もあるかとは思いますがリージョナルな前提条件でユーザーは見ていますから日本においては日本円、中国においては人民元、というように解釈が相容れない非対称的な構造を内部にはらんでいます。
今のWebの世界はユーザープロファイルがあまりにも開放的過ぎてアクセス資格に何の制限もないことが問題の一端であると考えています。
私はもっと、アーキテクチャの問題は国家・地域や課金/非課金メンバーシップ、商圏運営者あるいはネットショッピング配達実績、公的身分証明の有無、多重アカウント取得の無効化などといった
従来では組み入れられなかったプロファイリングをOSレベル・エコシステムレベルの高いレベルでリンクすべし、というのを展望しています。

ペンタクラスタキーボードのグローバル展開というのには私はやや慎重で、ここでの配列アイデアは所詮日本という一地域に最適化されたローカルの産物に過ぎないもので
各国・地域にはそれぞれ最適化された形状・仕様のデバイスを使えばよいという考えは当然持っておりますし、
全体構想としてプラットフォームの統一性という領域にはいまだ思いも及びません。
在外邦人はどうするのか、事実上の名義貸しが横行してルールが有名無実化するのではないか、など懸念材料は山積しておりますが
なんなら偉大なるCERN(セルン)の科学者ティム・バーナーズ=リーのWebとは違う"別のWeb"を構築していこうというアーキテクチャ自体の模索ももっと議論されるべきであります。
そして肝心の社会的レイヤーでの実効力のある仕組みづくり、商習慣に対するわれわれの新たな認識をどう培っていくのか、難題ではありますが真剣に取り組まねばならない課題であると考えております。

と、まあこれだけ大風呂敷を広げたのですから¥記号の表記問題なんて小さなものです。
文字コード自体、字形も違う¥記号と区別できる別の記号を作ってしまえばいいのです。

独自の通貨記号 P円
(パソコンではテキスト文字が表示できないので、ここでは便宜的に「P円」と書きます)

新しい円記号、*primum(プリムム)・(エン)略してP円です。どうです?P突堤2らしくていいでしょう?
日本のリージョンにおいてはもっぱらこの記号を使い、海外由来の提供サービスの事業者はこの記号を商売には使えません。
ユーザープロファイリングは一般ユーザーだけではなくて事業提供者にももちろん適用されます。
海外のサーバーを使っていたらダメなの?という疑問もあるかもしれませんがペンタクラスタキーボードのエコシステム(P陣営)はまだ始まってすらいないのですから
プロファイル認証の信頼性を担保するために国内サーバーのみで展開すればいいのです。
始めが肝心、隗より始めよ。ネイションはリージョンとともにある。仕様・挙動はドメスティックの裏付けで規定する。
もちろん中国自身が自国の通貨単位として¥を使う分には一向にかまわないのですけれど日本ユーザー向けにサービスを展開するのであれば
当然、日本に現地法人を置かなくてはならないですしプロファイリング有資格者が責任者になっていないといけません。
まず、越境してP円の記号を使ってはならないという事です。ペンタクラスタキーボードでは音声読み上げが標準となっていますから、
中国サイドでお買い上げありがとうメールを作成したとしても読み上げの際はプロファイリングアノテーションが付いてきますから
「¥1680」は中国語で解釈され「yī qiān liù bǎi bā shí rén mín bì」と読まれるので最終チェックの段階で音声を確認すればたちどころにわかります。
越境と申しましたがP陣営のエコシステムには「商圏施政権」というのがあってこういう通貨の齟齬であるとか適用される法規制というのは各リージョンごとにユーザープロファイリングの背景を酌んで成立させているものであります。
商取引もどこのユーザーが主体となって舞台となっているのか、その勢力圏のあり方も「商圏施政権」という旗印を基盤に据えていくというのを構想しています。
国民生活センターの報告書では、そもそも特商法で記載すべき事業者の連絡先表記もなかったとのことです、という有様でしたが
もちろんPエコシステムのもとでは日本なら日本の特定商取引法の法令に則って連絡先明示・売買・解約・返品等が執り行われるという事であります。
販売側に罰則を…と言っても向こうさんは無尽蔵に湧いて出てくるのでいたちごっこ必至で根本的な解決にならない…アーキテクチャ自体を変えない限りこの非対称な構造は変えられないのです。
こちらに決定権のある仕組み、バウンダリーのこちら側で実行定義できる強力な機構がなくてはならない――Webマナーしかり、ダイナミックプライシングのような新しい商習慣の試みしかり、セキュリティしかり、でありますが
まずは身近なネットショッピングという場面においてこれ以上の被害者を目にするのは心中いたたまれないとの思いから
こうして思い付きではありますがまだ形になっていないおぼろげなP陣営構想も交錯する中で貴重な発言の機会を頂いた、と思っております。

卑近なところで話を戻しますと、わたくしぴとてつは現在目下ペンタクラスタキーボードの基本コンセプトの練り直しにかかりっきりであります。
そんな中でこのニュースを目にしてちょうどキーボード配置図もいじっていたな…というモメンタムな状況もありまして
今回の提案「P円」の配置も実際試してみようという事で若干の修正をほどこした盤面配置図を作ってみました。
サムネイルがちょっと小さいのでクリックして拡大してみてみてください↓

 

ペンタ 人民元s

(画像をクリックすると別タブが開いて拡大します)

相互主義の観点にもとづいて、中国(あるいは他の第三国)には中国の商圏施政権というのがあるのでしょうから日本はそれを尊重してそのリージョン独自のレギュレーションを行使させておけばいいだけです。
たとえば日本でアメリカの製品を買うのにアメリカの商圏施政権が及んでくるとは思いますが表現規制やクレジットカード会社の事実上の圧力など細かな点でもっと煮詰めていかなければならない点は残りますが
自由や民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する二国間ですので商取引上の不便益はそれほど生じてこないといってもいいでしょう。
中国にしてもあまり規制でがんじがらめにすると越境購買者に魅力を低下させる負のインセンティブが働き諸外国からそっぽを向かれ実質的に転売ブローカーがのさばる事態に陥りかねない状況は避けたいはずです。
消費者はユーザープロファイリングによって守られていますから商取引自体のトポロジーが変化しているのでよりベネフィットをもたらしてくれる商圏のほうがますます好まれるという構造に世界はなっていくと思います。

日本企業が中国へ進出しても、人民元の他国通貨への換金は出来ません。
ようは、儲けても中国国内で使うしかありません!ということを今更ながら知って驚愕しております。
これははよくよく考えてみたらおかしいことですし、こんな片務的なことが成り立つのならP陣営のエコシステムみたいに各国が防波堤を作る施策もあってしかるべきです。

今記事は
ドメスティック・キーボードの住人を守る――P陣営は日本円通貨の新たな記号を提案する

との触れ込みでインスタントにこたつ記事でも書こうか…との目論見で思い立ったこの記事ではありますが
エコシステム自体の練り込みも甘くてマーケットの温度も法知識の裏付けも全然理解不足なままで記事を書きなぐっていくがままに任せて、筆を走らせて
己の未熟さを痛感するとともに、懐中に忍ばせてあった"P陣営構想"の一端を皆様にお見せすることができて
なんだかいろいろ起伏の激しい、心地よい疲労感で満たされております。
最近夜更かしが続いていたので、今夜くらいは早めに寝ようかとも思っています。

新しい記号、「P円」なのですけれど従来の「¥」を使いたい未練や自己言及的に、あるいは引用的に旧来の「¥」を使っていきたい衝動というのもあるかと思います。
試しの提案ではありますがついでに言わせてもらいますとたとえ引用や回顧の文脈であろうとそうそう気軽には「¥」記号を使わせない作りにしちゃってもいいではないか、とも思います。
物理的にキーアクセスしにくくするのはもちろんの事、たとえ必要性があって使いたい場合であっても裸の文字コードで記号を使わすことを許容せず、
ペンタクラスタキーボードでは液晶サジェストや文化変換の助けを借りて個々のワードにアノテーションを付加するサポートが付いてきますから
使うとすればそういったインターフェースを活用して「¥(非P陣営での¥記号)」というアノテーションをつける方式にすればいいのではないでしょうか。
あるいは中国人民元としての¥記号という文脈なら「¥(商圏越境使用:中国人民元¥)」というのも同様です。
アノテーションならそのワードを使う目的や文脈を明示することができます。
日本のユーザーの方は最初は違和感があるかと思いますが「P円」の記号を日常的に使ってください。
もちろんテキスト読み上げでもただの「エン」としか発音しないので問題ありませんし何しろP円はタイプしやすいですからそのうちわずかな違いなど気にならなくなります。
JPY(P円)のユーザーは最初世間は歯牙にもかけないほど軽んじられるかとは思いますが
そんなのはこっちも先刻承知、一から歴史作ればいい、なんて悠長に構えております。
信頼性が保証されるプラットフォームを確立して、なによりPエコシステムで買い物するときにはこういった誤認表示のワナややらせレビューやなりすましアカウントの心配をすることがない
…こういったサービスが一度浸透してしまえば気づいたら無視できない存在に…なんてことももしかしたらあるかもしれません。

一方で管理社会への危機感が叫ばれる今、こういった過剰なユーザープロファイリングは一部の方には受け入れられないものだというのも十分わかります。
ただわれわれにとって幅広い選択肢というのは確保していきたいところです。
私自身OSや通信インフラ、プラットフォームのエコシステムというのに精通していないのはもちろん自覚しておりますが
少なくともP陣営では過去との継承性を断絶して「別ラインを走らせる」というロードマップで青写真を描いていきたいのです。
まだ現実化されてはいないのですからこうして試行錯誤することぐらいは許されてもいいでしょう。
ペンタクラスタキーボードのファイルシステム的に単純なtxtファイルというのは新規には生み出されません。
アーカイブとして読むことはできますがべた書きのtxtとして出力された時点で固有IDというのを失って
少なくともPエコシステム上でのWeb空間においては検索で埋没しますし文法的要素でのサーチ、アノテーションでのサーチ、ユーザーリアクションを受ける権利を失うなどの利便性を毀損して文書価値が著しく低下します。
txtファイルともxmlファイルとも違う、もっとリッチなアノテーション情報やユーザープロファイリング情報、翻訳サポート情報などさまざまなメタ情報をふんだんに含んでおりますので
従来上のtxtファイルからのコピペは「コピペ由来」と一目瞭然でラベリングされて構文解析や音声読み上げに干渉することのないただのフラグメントデータに成り下がってしまうのです。
こういったリッチテキストというか入力フォームのクエリでさえもいっそのことリッチ化してしまえ、という野望もあるのですがこのへんのところは宿題にしておきます。

ただ昨今話題になっているAIによる自動生成文なのかの判定でも目鼻をつけていくべくP陣営は前向きに取り組んでいきたいかと思っております。
オーガニックな人間の領域というのを絶対不可侵に墨守していくというテーマ…まず欠かせない重要な課題であることは間違いありません。
ペンタクラスタキーボードのでにをは別口入力やユーザープロファイリング、あるいは先ほどふれたアノテーションタグに加えましてリッチ化されたテキストにIME練度情報を埋め込むなど
ありとあらゆる角度からAIによる人間のなりすましを徹底的に排除して、画像や音楽はともかく、テキストにおいては可能な限り創作者への敬意を留意していきたいと設計していきたい所存であります。

今回は以上です。
久々のビッグマウス、ご精読(ご清聴)ありがとうございました。
Pエコシステムについては今後もコンセプトを練って新アイデアの記事などを書いていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
まだまだいくよぉ~!気分は「Rally Go Round」ってことで。


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金子勇氏の軌跡をたどった映画「Winny」が10日から公開中ですってよ

2023-03-11 | ビッグマウス(砕けた文体)(仮)

推奨BGM:do U Know where you're coming from(M-Beat Feat. Jamiroquai)

ナンカいにしえのインターネッツの例のリンク貼ってくれって言われたような気がするので…投下…リンク接続緊張する

「コピーさせないこと」に課金するのが合理的な理由: 「コピーに課金」でなく(妖精現実 フェアリアル)
(httpリンクです閲覧注意)

…なかなか刺激的な内容ですが、これを初めて読んだときにはハンマーで脳天を殴られたかのような衝撃を受けたものでした。
情報が人に属するものかコミュニティーに共有されるべきものなのか、それはその情報自身の望む性質にもよるでしょうし
安易な切り口で主語の大きい「チョサクブツ」一般を乱暴に処断できると考えること自体、観念でしか物事を考えられず身体感覚を軽視しているきらいもあります。
著作物の所在はスペクトラムなものでありそこへ至る文脈や素材そのものが持つ経済価値を推し量らねばならないものであり
「あり方」よりも「為し方」に主眼を置くことの方がよっぽど実際的というものであります。

ただ、遠い未来に人類と電脳空間が今よりもっと緊密に接続されて、自己と他者の境界が接近してくるような一定のシンギュラリティが訪れた際には
こちらの妖精現実で言っているようなことの方が本質的であり説得力があると思っています。
われわれがこのような哲学的な問いをしなくなって久しく、ただ卑近な評論家問答と目の前のコンテンツを消費するのに精いっぱいで
あれから19年たった今でもわれわれの精神性はなんら進歩してはいなかったのか…自身を深く省みたい所存であります。

そんなインターネット老人会の回顧録はほどほどに…かと思ったらもうひとつの真打ちが残っていた…オゥフ(無事死亡)
今絶賛公開中なんですね。映画「Winny」。
あのころの空気感をもう一度追体験してみたいなんて自分がいるのですけれど、今の若い人にはピンと来ないかな?
でもなんかブロックチェーンだとかWEB3とかの惹句も絡んで価値を再発見する人も増えてきているようです。
手放しで持ち上げてばかりではダメだ、との自戒も込めつつ、論点視点の整理も兼ねまして関連リンクや着眼点メモをラフにではありますがまとめてみました。
私も近日中に劇場へ行こうと思っていますがそのまえのリサーチと奥行きのある鑑賞をするための理論武装の下準備も兼ねてのラフメモです。
自分としての見解はまだ固まっておらず、とにかく今は材料をまな板の上にのせるところまでで精一杯ですが
これから映画を観たい、あるいは検討中の方がいらっしゃったら簡単なまとめですがご活用ください。
では↓


・Winnyを包丁理論で擁護するのはちょっと無理筋の気がする。例えていうならwinnyは銃だ。ポエム放流があったとしてもそれは衒いの一種だ

・金子氏が逮捕されてから無罪が確定するまでの7年間にWinnyの改良する猶予がなされていればウイルスは蔓延しなかったかもしれない
(金子氏の逮捕:2004年5月9日、Antinnyによるプライバシー漏洩が発覚したのは2003年8月12日のこと、変種Antinny.G(別名キンタマウイルスは2004年3月15日))

高木浩光氏「Winnyは適法に使えない」 - INTERNET Watch Watch
▶ファイル共有ソフトと、コンテンツ配信などに活用されるP2P技術が一緒くたになっていると指摘
▶Winnyネットワーク自体が「ワームのプラットフォーム」の役割を果たしていると強調する

・15 名前:番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイ b5e5-L1wp) :2020/11/10(火) 18:39:09.02 ID:bZiks30R0
ナップスターの開発者は、フェイスブックのCEOになり、Spotifyに出資して大金持ちになるアメリカ Winnyの開発者を逮捕して殺すジャップ

・ノンフィクション 『Winny天才プログラマー金子勇との7年半』を読むで以下のように紹介されている。
▶欧米の技術者は開発したソフトで金儲けしようとしたのに対して、金子氏はソフトを開発しただけだった。にもかかわらず刑事訴追され、一審では有罪とされた。
しかもナプスターやカザーは民事訴訟で、Winnyのような刑事訴訟ではない。米国の著作権法にも刑事罰はある。
ナップスターは会社側の発表によれば、ピーク時には7千万のユーザー数を誇るほど猛威を振るった。それでも起訴には踏み切らなかった。
▶view:日本では(当然匿名掲示板での事なので何の金銭的見返り要求は無しだ)

・漫画村、anitube、warez、ぶっこ抜き、違法mp3…同じ土壌の文化…蜜月は終わった。近年では合法的視聴の枠組みは整備された。創作者へ敬意を

【検索エンジン関連で、こんな視点もある】

ASCII.jp:検索エンジンが「違法」、いつまで続く? (1/2)
▶厳重な著作権法が官製不況をもたらしているのだ。 

金子勇氏とWinnyとともに日本が失ったもの | 池田信夫 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
▶金子氏の逮捕で「P2Pは違法だ」というイメージが広がり、日本ではP2Pシステムの開発が止まってしまったのだ。
それどころか検索サーバにキャッシュを置くのも違法だといわれ、検索エンジンの開発も止まった。

【プラットフォーマー待遇の分水嶺をもたらすのはさじ加減一つ】
・匿名掲示板は議論のプラットフォームとしての真骨頂を見極めることができぬままに衰退してしまった。
環境要因もあるだろうが投稿内容全部責任取れの号令が出たのが大きい。個人掲示板は軒並み潰れてしまった
112 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ブーイモ MM85-7RsG):2020/08/09(日) 01:44:25.10 ID:K0Xq6EF2M
    >>107
    いまTwitterはなんの責任も取らないのにな
    薬物売買やら児童ポルノやら放置しすぎなのに 


【甚大な被害と先進性のコントラスト…あえて併記】
・非公開プロトコル/ダークウェブの彼岸ではあったが独自プロトコルの開発、TCP/IPの30倍近いスループットなど一周回って最先端の技術の萌芽
・中央集権でない分散型SNSのひな型としての可能性もあった(winny掲示板というのが一体になっている)
・住基データ流出、原発の内部情報流出、トラフィック帯域の占有によるインフラ不全
・2006年3月には当時の安倍晋三官房長官が広く国民に対してWinnyの利用を自粛するように呼びかけた。
・金子本人もWinny使用が著作権侵害に繋がることを認知しており、自身はダウンロード専用の特製Winnyを使用していた


…以上が片手間に調べたごくわずかの材料であります。
考えがまだまとまっていない状況でさらに追い打ちをかけるかのように
今度は「AIの作りだした創作物」への態度表明をどうすればいいのかという問題が浮上してきました。
期せずして、われわれは先般のような哲学的問い、根源的な問いというものを再び喉元に突き付けられてしまっているのです。

今取りざたされているのは
無断で学習されたデータでドメインを主張するのはけしからん!…というものであります。
私はこのへんのダブスタ具合に議論の危うさと親切ごかしの片鱗をうっすら感じます。
かたや海賊版イケイケどんどん礼賛の熱気が蹂躙したのも一時代であるし
かたや絵師の存亡をかけて著作権を尊重せよといってもアーキテクチャーとしてコピー/抽出/加工としてデータの生々流転は止められない…これも一時代
AIには著作権はないってやるとじゃあ無いならおとがめなしなんだ!利用は自由なんだ!って誤変換起こす人もいるだろうし
ましてやAIの成果物は「ネオ電脳公共財Z:いらすとや3.0」みたいな解釈でパブリックの共有財として仲良く使おうね、なんて合意できる社会なんて想像もつかない。
かつてのコピー天国の阿鼻叫喚の風景も消費者欲求の極大化が招いた結果だと言えるだろうし
今般のコピー以上に作者のエッセンスさえもを盗み取ることに対しての危機意識も、あえて辛辣な言葉を使えば
データは人間それ自体から離れデジタルエージェントとの対話によってでさえも成立するしもちろん創作の一形態の拡張であってと解釈しても何も不自然という事ではない。
創作のイデアは人間不在でも生き続けるし概念生命体はそれ自体が精霊みたいなものでそれが半人半機の形をとって拡張することも十分可能だということです。
消費者意識の暴走ももちろん質が悪いが創作物を作者自身が厳格にコントロールできるという幻想も、創作物に立ち回りの人格が宿ることを認めない当世風のエゴ3.0だともいえます。
難しいことはよくわからないがチャットGPTはおおむね歓迎されていてAI絵師には拒否反応が大勢を占める、この温度差というのもよくわかりません。

話をwinnyに戻すとまあ皆さんの嘆き節の多いこと。
Winny開発者を逮捕してなかったら日本でGAFAを超える企業ができていた!とかね。
お上が金子さんの才能を潰し日本がIT後進国へと衰退した一因であることは間違いないんだけれど
何か「喪失の物語」を延々と語っていることに浸りつづけたがる人たちがいる。あまりよろしいことではない。
これもあまり度が過ぎるとTRONとかサトシナカモト(Bitcoinの創始者?)なんて陰謀論やフェイクニュースなどと導線がつながっているのでそっち方面に転んでしまう人も出てくる。
私が思うに客観的なファクトを理解したいなら、もう「物語」というフレームで理解しようとするのは弊害の方が大きいのではないか、ということだ。
人間にとって大事な「初心」を想起する機会を奪いかねない。先に物語を刷り込まれてしまうと以降は修正するのが困難になってくる。
「物語」には私も泣かされてきた、自己を必要以上に呵責し、コンプレックスでその人間を呪縛する。
代わりに必要なのは「パラメータ」だ。
ややこしい文脈や、同調圧力を軽々と飛び越えて、事実やデータだけで物事を判断する。情緒的に情念をたぎらせたり、あちこちに累を及ぼすような前近代的なこととは無縁だ。
ただデータを、数値を淡々と修正していく。それが「パラメータ」というフレームだ。
「物語」にとらわれている人は敗者の視界でありタイムラインでありダッシュボードだ。だから物語指向の人は負け癖がつきやすいし容易に人を神格化したりもする。

というわけで
「ミスは忘れなさい。ミスの原因だけを記憶するのです。ミスそのものは財産とはならないのでミスを背負ってはいけません。」
という金言をあげておきます。


【『風の大地』(5):坂田信弘・かざま鋭二より】

winnyの話題でこれをたとえに出すのは不適当ではないか?とお叱りを受けるかもしれませんが
事件当時の猥雑さと現在の四角四面の教条的さの両者正反対のベクトルなんだけど私はその「振幅」が気になるのです。
どちらも情緒で物事が動いている。
情緒や空気で早合点してエイヤッと方向性が決まってしまうと生き残るべきファクターが再起不能になってしまうのっではないかっていうのを危惧しているのです。
あのときP2Pは生きるべき技術だったのだけど価値を顧みられることなく十把一絡げに悪とされてしまった。
今回のAI創作物もひょっとしたらフェアユースの線引きもあるかもしれないしデータの加工・学習はアーキテクチャー上止めることはできないから
止めるとしたらアーキテクチャーの一個上の社会通念っていうレイヤーを引っ張り出さなくてはならない。
このレイヤーはアーキテクチャーとはちがって明確な定義というのが定めづらくコンピューターのこととは違って客観的に運用できないし実効力が工学的でないので情けないほどぜい弱だ。
絵に描いた餅で終わるかもしれない。
コンピューターとの落としどころを見据えた「手打ち」はどの程度見込めるのか、ここでも人類の敵とはいえやっぱり生き残るべき揺るぎない機構というのは保持していかなければならない。

今はとにかく「パラメータ」を注意深く観察して事の成り行きを見守っていくしかない。
あとは環境とその中にいる人間というもの(系)をもう一度捉え直して、「自己」の及ぶ実効範囲というのをもう一度再定義していくこと、それを
ゆっくり時間をかけながらやっていけばいい。

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか
金子さんは今の著作権事情をどのように思っているのだろうか?
金子さんなら天国で究極のインセンティブをそなえた共有と創造性が両立した理想のアーキテクチャを実現するP2Pのソフトウェアを練っている事だろう。

ああ、そういえばサマーウォーズに出てくる電脳世界、「oz」は偶然にも
「ny」のアルファベットを1個づつずらしたやつだったのだな。(mx ny oz)


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老成という言葉に憧れる…僕たちはまだ神シニアに出会ってないだけ

2023-02-24 | ビッグマウス(砕けた文体)(仮)

徳川家康は少年時代に人質として織田家と今川家の間を揺れ動き翻弄され、相当の葛藤があっただろうかと思います。
6歳から19歳になるまで、実に十年以上もの長い歳月を竹千代~元信~元康時代に人質として過ごしてきているという過酷な境遇。
人間というのはデリケートにできていて物理的拘束でさえも拘禁反応というのを起こすというのに
こういった社会的枷はめっていうのはどうなんでしょうか?人格形成にも多大な影響を及ぼすと思うのですが…。

今年の大河ドラマ「どうする家康」ではそのへんはどう描かれるのでしょうか?
近年の歴史考証のアップデートが進み人質とはいっても思ったより不遇ではなくて
パワーゲームのキャスティングボードを握るキーパーソンとして士官候補、エリート候補として厚遇され
長期的戦略のレールの上で英才教育・報恩謝徳の慈しみの中で育まれたものであったという解釈が有力になってきています。
今後の展開・演出が楽しみですね。

その後の活躍は皆さんの知っての通り。武侠武勇にはあまり興味はないのですけれど
正室の瀬名と竹千代を殺した家康っていう字面が飛び込んできて歴史に疎いぴとてつはうろたえております。
生兵法であまり見当違いのことを言うと大怪我しかねないので、このへんに関するツッコミは今は自重しておきます。

いやぁそれにしても
「織田がつき 羽柴がこねし天下餅 座して喰らふは徳の川」
という歌は大器晩成であった家康の行き方をよくあらわした句だと思います。
その裏では鬱屈やドロドロがあったとしてもこの境涯を腑に落とすところまでには今の自分ではまだ経験が浅かったかなと反省あるのみです。
なんでも盤石の体制を築いて幕府を開くころには還暦を越えていたのだそうでありますか。ほぉ。
派手なところの器や鋭さという人物評のものではなくて時を操る魔術にステータスを全振りしたかのような素朴な巧緻を感じます。
そこから始まって将軍15代、およそ265年にわたって天下泰平の世を紡いでいくーー。
なんか、今の世の中と完全に別物ですね。ナムナム…

…そんなわけで
今回はデビューが遅い/大器晩成/遅咲き/人生後半で転機が訪れた…というざっくりとしたくくりで
歴史上の偉人たちの足跡を辿っていきたいと思います。
巷ではリスキリングだとか90まで働けだとか言っておりますが人生は長い。
先人の生き方から勇気をもらってまずは馬力をつけてからスタートしたい。
そんなあなたを応援するとともに自分自身への励ましの記念碑としてこの記事をうやうやしく投入したいと思います。
なにか行き詰ったときにはこのページを思い出してください。
それでは、いってみましょう!


【デビューが遅い/大器晩成/遅咲き/人生後半で転機が訪れた著名人列挙】

カーネル・サンダース…30代でガソリンスタンドを経営するものの失敗、フライドチキンをFC化したのが60代

伊能忠敬…50歳で19も年下の高橋至時に弟子入りし、55歳から日本地図を作りはじめる

葛飾北斎…北斎が72歳のとき富嶽三十六景が世に出る。90歳になっても中二病心を失わず画狂老人卍と名乗る

松本清張…作家デビューは42歳。「私には時間がないんだよ。出発が遅かった私には、書きたいことがヤマのようにある。人生が足りないんだ」

山本一力…土佐出身で40代後半にデビュー。ジョン万次郎の生涯を描く歴史小説「ジョン・マン」シリーズは拙ブログ過去記事でも紹介した

佐々木正…シャープの元副社長として同社を世界的な電機メーカーに育てた。79歳で国際基盤材料研究所を起業し、ナノテクノロジーの技術開発に取り組む

草間彌生…かぼちゃモチーフの作品で知られる芸術家。活動再活発化の90年代、ヴェネチア・ビエンナーレ参加時には60を越えていた

ピート・モンドリアン…『赤、黄、青と黒のコンポジション』抽象画家としてのスタイルを確立したのは49歳のとき

やなせたかし…アンパンマンがアニメ化でブレイクしたのは69歳のとき

綾小路きみまろ…潜伏期間30年、ゲリラ作戦で漫談のテープを観光バスのサービスエリアに配って夢をあきらめず52歳で世に出る

スキャットマン・ジョン…吃音を逆に強みに変えて52歳のときにCDデビュー。スキャット歌唱で世界的大ヒット

安藤百福…容器や製法に工夫を凝らし世界中で愛されるカップ即席めん「カップヌードル」を発売。このとき61歳

エドワード・エルガー…身分違いで大反対された末に結婚した愛妻のアリスの献身もあって42歳の時にエニグマ変奏曲の大成功。作曲家としての地位を確立

ユリウス・カエサル…カエサルは40代で共和政ローマにおける最高の地位コンスルに就任している。後継者に全く無名のオクタヴィアヌスを託す慧眼もスゴイ

窪美澄…44歳で作家デビューに至るまで仕事と子育ての両立や自身の離婚も経験。女性の生き方を通して社会問題にも鋭く切り込む作品

緒方貞子…学者出身であったが63歳のとき国連難民高等弁務官に就く。身長5フィートの巨人と呼ばれアジア各地の貧困や難民、人権侵害などと向き合った

シンディ・ローパー…1953年ニューヨーク市ブルックリンで生まれる。20代の頃からバンド活動をしていたが転機の30歳という遅咲きで全米スーパースターに

J・K・ローリング…「ハリーポッターと賢者の石」は12もの出版社から断られ続けるが…32歳のときシングルマザー・生活困窮から一転億万長者に

銭屋五兵衛…「海の百万石」と称された加賀の豪商。躍進の原点になったのは質流れのボロ船で海運業を営みはじめる39歳の時から

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

このなかであまりポピュラーでない銭屋五兵衛なのですが
日本でもこんなスケールの大きな人物がいたのかっていうくらい商才と先見性をもった人物であります。
不遇な晩年を迎えましたがなんてったって名前に五がつく!ペンタクラスタキーボードを標榜する私ぴとてつにとりましても他人とは思えない!
というわけで当ブログ一押しの神シニアに認定いたします。
小説「銭五の海」(南原幹雄:著)は序盤の商売が軌道に乗るところまでのワクワク感が爽快で非常に読み応えのある作品でした。
今でいうテンセントとアリババが中国当局に1兆円超の寄付を共同富裕の名のもとに壮大な「公金逆チューチュー」で召し上げられるなんて場面も
巨大になった御用商人が政治の圧力をかわすために苦労させられる描写ともリンクするホットなテーマだと思いますよ。
骨太な時代小説もたまにはいいかな…なんて興味のある方はぜひ読んでみてください。

今回は以上です。よかったらブックマークしていただくとうれしいです。
カテゴリは迷いましたがビッグマウス(砕けた文体)(仮)とさせていただきます。
ありがとうございました(^^♪


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TRON OS 原体験がペンタクラスタキーボードに与えたもの

2022-07-11 | ビッグマウス(砕けた文体)(仮)

子供の頃、たまに横浜・関内の書店:有隣堂に連れて行ってもらって本を買ってもらったりしていた。
当時お気に入りだったのは今は廃刊になってしまったが講談社の科学雑誌の「クォーク」。
僕にとって科学の扉を開いてくれた雑誌であり宇宙論や量子論の記事など頭をくらくらせさせながら読んだし、日常雑多なサイエンストピックなども適度に織り交ぜられていてバラエティに富んでいた。
記憶が定かではないが人文記事も割とあって仏教の歎異抄のくだりや禅宗の全機現という言葉を知ったのも当時の思い出だ。

そんな中、コンピューター書のコーナーにひときわ異彩を放つ雑誌が陳列してあった。その名は
「TRONWARE(トロンウェア)」。
まだオペレーティングシステムの何たるかも知らない少年(青年?)の心の片隅に、それはまぶしく映ったものだった。
限られたお小遣いの持ち分で敷居の高い専門的な内容であったため実際に買ったのは数回しかなかったが、
有隣堂へ立ち寄るたびにもれなくTRONWAREのコーナーをチェックして並んだバックナンバーの中から特集・トピックなどをつぶさに吟味することが恒例となっていった。

エルゴノミクスデザインのキーボード、ツリー型のディレクトリとは全く違うネットワーク構造で記述された独特のファイルシステム=実身仮身モデル、BTRON準拠の18万文字のTRONコード文字が使える超漢字OS(今でいうPC的な位置づけ)、IoTの概念を先取りした「どこでもコンピュータ」構想
…などなど開発者の東京大学教授(当時)の坂村健氏のあまりに先進的なビジョンに驚嘆と憧憬の念をいつしか抱くようになり、そのころパソコンは所有してはいなかったものの折あるごとにマンガ喫茶などで検索にいそしむ日々があったのである。
こういった原体験とともに自分自身のアイデアスケッチ・ノートの断片を胸中に携えつつ比較対照の往復をおこなっていたので世間でいう「クリティカルリーディング」のいとなみを無自覚に身につけていったことを思い起こす。
ペンタクラスタキーボードの核心アイデアである「助詞別口入力」はこのようなプロセスの中から萌芽していったのはいうまでもない。

近年、TRON OSのビジョンや先進性について再評価する動きが高まっている機運を感じる。
先般のNTTの株主総会や国会質疑などで相次いで、象徴的なやりとりがあった。
「デジタル自給率を向上させることが求められる」
「国産の検索エンジンやツイッターのようなサービス作れないの?」「マイクロソフトのような国産OSはできないの?」という質問。
これに対するネット界の反応は
「株主の妄言」「何をいまさら」「寝言は寝て言え」「めっちゃ使いたくない、迷惑 < 国産OS」
「IT基礎技術で国籍にこだわると死ぬ」
など否定的な反応が多く見られた。(嘲笑半分)
しかし少数ながら
「アメリカのスーパー301条でつぶされたTRON」
「組み込み向け用途のリアルタイムOSとしてのITRON(アイトロン)は今でも結構シェアあるぞ」
「80年代にTRONの重要性に気が付かなかったほど先見の明がないヘボい政府や企業にそんなこと期待する方が無理」
などの意見もみられた。こちらは(くやしさ半分)といったところか。

これは根っからのTRONファンにとっては古傷を痛めながらの予想外の遅咲きに困惑気味にまんざらでもない面持ちでもあるのではあるが
最近目立つようになってきたのが安易なナショナリズムや陰i謀i論iと結びついた、訳知り顔の新参どもがはき散らかす「扇動的言説」の流布が気になっている。
検索のノイズになって迷惑この上ないのはともかく、こういった言説が一定数の支持を得て潜在的なバイアスを広く植え付け、もしかしたらさきほど俎上に上った発言を引き出す要因となっているとするのなら心胆を寒からしむるものがある。
やれi開i発i者iがi陰i謀iにiよiっiてi殺iさiれiたiであるとか物騒で思慮のない思い込みをパブリックなところで目にしてしまうのは不愉快でもあるし精神を消耗させられるのだからとても厄介だ。

フェイクをまき散らす彼らには彼らなりの悔しい思いがあったのかもしれないし筋違いではあるが義憤によって物申しておられるに至ったかもしれないのだが、少し冷静になってほしい。
欠乏や喪失は推進力にはなるが、源泉にはなれない
ということだ。
ほかでもない私には有隣堂で培った"原体験"がビビッドに焼き付いており、それは喪失の物語ではなく「獲得の物語」であったということだ。
今後ももこうした言説に惑わされることなく、技術動向をシビアに見定めつつ、夢想家の夢も捨てることなく獲得の物語のレールのその先を走っていきたいと心を新たにしていこう。

 

…失礼を承知で筆汚し申し訳ないが締めにひとこと書き添えておくと
TRONプロジェクト提唱者にして開発者の坂村健氏はもちろんご存命であるし、
先般のNTT株主総会での「国産OS」を巡る発言の一端もよくこんな質問が出るなと思った方、それも当然、
坂村健氏は2019年よりNTT取締役・執行役員に名を連ねており件のやり取りが出たのも坂村氏が臨席することを念頭に置いたうえでの質問であったということ。

以上で懐古と最新事情が交錯した6月の出来事であったが90年代当時の店頭でTRON搭載機というのは見たこともなく
デモ動作も動画すら知らない私にはTRONファンを自称するにはまだまだ修行が足りないということなのであろう。

今度どこかで展示がしてあったら見てみたいな。
ハッシュタグは、自重しておく。
今回は以上でした。

 


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