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侘び寂び

2024-11-24 | Yahoo!リアルタイム検索アプリで調査



子供の頃、よく地球とか宇宙の図鑑を読んでいました。かれこれ40数年前…のこと。
少し知識がついて小僧くらいになった頃には講談社の科学雑誌「Quark(クォーク)」とかをお小遣いで買って
たまに付録でついてきたペーパーアートをせっせと作りながら、ホーキング博士のブラックホール天文学やカミオカンデとニュートリノの素粒子物理論に目を輝かせていた日々が懐かしいです。

どこかで聞いた話でサイエンス少年には大きな2大派閥があって、
「虫派」と「星派」
に分かれるのだそうですが生命に関心のあるのは虫派で今でいうポケモンなんかも虫派の流れにあるんじゃないですかね?あとは稲作とかペット好きだとか。
対する星派は宇宙に関心があって、システムのダイナミズムに惹かれるというか今でいうとカードバトルとか四柱推命カバラなど占いにも嗜みスイッチが入るケースが多々あるかと思います。
私は完全に後者で友達と深夜のハレー彗星大接近を見に行ったりブルーバックス文庫の書店コーナーを覗いてみたりして
すくすくと順調に宇宙や科学へのあこがれを育んでいったのでした。

やがて物心がついてそんなことも忘れかけていたころ、インターネットでFLASH黄金時代がやってきます。
そこで出会った忘れられない作品が2002年8月にsaparaさんが制作したFlashアニメ作品
「WALKING TOUR」
です。
もはや説明不要な往年の名作でありますが、そこでBGMで流れていた黒石ひとみさんの「PLANETES」が内容とも相まってすこぶる印象に残り、
これの元となったアニメ作品「プラネテス」(ΠΛΑΝΗΤΕΣ)をさっそく視聴したのでした。
当初の触れ込みでは「宇宙版ショムニ」と形容されており、宇宙が身近になってすっかり日常となった近未来において
宇宙ごみ回収業者という日陰の商売で、グダグダの社内事情の描写とかをトホホに描いて、見る者の宇宙へのあこがれを吹き飛ばすそんなしょっぱいお仕事アニメなのかと思わせつつ、
乗組員の一人・ユーリがずっと探し続けていた、奥さんとの別離の際からの思いの詰まったコンパスとついに巡り合うとき。
あるいは未来においてさえ紛争に明け暮れる地上を嘆いて「ここからは国境線なんて見えないのに、ただ地球があるだけなのに。」と思わずこぼすセリフ。
…などなど数々の名場面に心を打たれ、そこにはテクノロジーが主役なのではなく、人間と人間をつなぐ想いこそが主役であるという秀逸なエピソードがぎっしり詰まっていました。
特に終盤への24話25話26話での畳みかけは本当にエモーショナルで詳細はここでは伏せますが盛り上がりの最高潮な場面で流れた曲
"PLANETES"を
この耳で確かめたときには大団円でこの物語が終わってしまうのは本当に忍びなくも美しいストーリーだったな…と、思えばあのFLASHがこの作品へ導いてくれたのだな、
という感謝の思いがあふれていましたよ。


長々と思い出話にふけってしまいましたが、アニメっていいですよね。子供の頃の宇宙へのあこがれがこうして時を越えて結実して、物語の内的体験へと見事に昇華してくれたのです。
バトル漫画やサスペンスストーリーやまったり日常など多彩なエンタメのジャンルが花盛りですが
単に娯楽にとどまらず知的好奇心や社会意識を高めてくれる作品群、それらの成立する土壌が豊かに培われている多様性の充実には驚嘆するばかりです。

 

さて前振りが壮大過ぎましたが、今回のYahoo!リアルタイム検索のテーマは
「博学・道徳・モチベーション ためになるマンガたち」
です。
プラネテスに限らず、「はたらく細胞」や「ベルサイユのばら」など、歴史や科学などの理解や関心の扉を開いてくれる「ためになるアニメ」の学習効果が注目されています。
さかのぼること古くは寺子屋の教材であった「往来物」の普及からして、図やイラストをふんだんに使った子供たちへの理解をサポートする親切な作りで、
いろは歌から読み書き・計算、論語や一般常識にいたるまでさまざまなジャンルのものが流通していました。

昭和の伝統シリーズでもある「学習まんが」では偉人伝や近代国家の発展など多種多様なものがラインナップされており、これらも大きな流れを見てみれば江戸時代の寺子屋文化からの流れの一端が窺えると思います。
最先端の現在では関心対象がより進化して投資やら酪農やら筋力トレーニングまで各種ニーズに応えた学習意欲を喚起する作品が日々生み出されています。
教科書的知識はいうまでもなく、あるいは私たちの心構えというか意識の在り方、そして自分自身の肉体や健康にも磨きをかけてくれるそんなめっちゃカタルシスな体験を提供してくれるジャパン・カルチャーに乾杯♪
我以外わが師ーー心・技・体すべての面からあなたをアップデートしてくれる選りすぐりの10作品を独自にピックアップして計測してみました!

調査対象はコチラ↓↓


ここでちょっとコマーシャル!耳寄りな情報をお届けします。

映画『はたらく細胞』 12/13公開! ・・・赤血球役・永野芽郁、白血球役・佐藤健、「翔んで埼玉」の武内英樹監督がメガホンをとる
映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」12/13開店! ・・・店主・紅子役・天海祐希、「リング」「スマホを落としただけなのに」シリーズの中田秀夫監督
聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団 12/20公開! ・・・イエス #松山ケンイチ × ブッダ #染谷将太、「勇者ヨシヒコ」シリーズ福田雄一
Dr.STONE SCIENCE FUTURE(アニメ4期)2025年1月より第1クール放送‼ ・・・月への第一歩、アメリカ大陸で千空たちを待ち受けているものとは…!?
劇場アニメ『ベルサイユのばら』が、2025/1/31公開! ・・・オスカルcv・沢城みゆき、マリー・アントワネットcv・平野綾、アニメーションスタジオMAPPA制作
2025年11月25日(月)発売アフタヌーン1月号より「もやしもん+」開始です ・・・石川雅之 待望の再発酵 かもすぞー

はい
そして気になる集計結果はこちら↓↓

【ためになるマンガ・アニメ:トピック】
調査期間:2024年11月13日-11月17日(5日間)

1.はたらく細胞      999+
2.聖☆おにいさん     392
3.文豪ストレイドッグス  999+
4.Dr.Stone         999+
5.コウノドリ       286
6.銭天堂         729
7.インベスターZ       58
8.銀の匙         189
9.ダンベル何キロ持てる? 38
10.もやしもん       225


調査期間は正確には日を跨いでしまったので大体4日間ぐらいです。
結構流れが速くて999オーバーが3つも出てしまって解像度が雑で申し訳ありません。
でもそれだけ世間で話題になっているという熱量のあらわれですね。納得の数字です。
各作品の概要とひとことコメントを下記に添えておきます。

【各作品の特徴】

はたらく細胞▶人間の体内で働く細胞たちの日常や、ウイルスや細菌との戦いを描いている擬人化漫画。血小板ちゃんたちがカワイイ。
聖☆おにいさん▶目覚めた人ブッダ、神の子イエスの二人が現代日本の立川のアパートでルームシェアする⁉ほっこり日常コメディ。
文豪ストレイドッグス▶現代横浜を舞台に、中島敦、太宰治、芥川龍之介といった文豪たちが繰り広げる異能アクションバトル漫画。
Dr.Stone▶謎の光線で全人類が石化してしまった地球を舞台に文明から隔絶した世界で千空はゼロから文明を作ることを決意する。
コウノドリ▶周産期医療にまつわる社会の縮図として見えてくる事柄、未受診妊婦、人工妊娠中絶といった命の現場がテーマ。
銭天堂▶店におとずれる客の願いを察して、ふしぎな駄菓子をすすめる「銭天堂」。教訓と示唆に満ちた児童文学シリーズ。
インベスターZ▶全国屈指の進学校・道塾学園にトップで入学した財前孝史が入った部活は、「投資部」なる怪しげな極秘活動だった。
銀の匙▶北海道の農業高等学校を舞台とした学園漫画。仲間との出会いや、農業や酪農の体験を通じて成長していく姿を描く。
ダンベル何キロ持てる?▶ひょんなことからダイエットを決意し筋トレを始めた女子高生が食の誘惑と戦いながら筋トレの楽しさに目覚めていく。
もやしもん▶農業大学を舞台に、空気中の菌が見える学生がゼミの仲間や教授と醸造や発酵について学んでいく姿を描く。

 

ネットでは面白い意見もあって
"フランス人のエリートが、
「日本のアニメ(ベルサイユのばら)は困る。労働者階級が我が国の歴史を学んでしまうから」
と真顔で言っていた時には反応に困りました。"
というツイートもあったというのはまことに興味深いです。
階級社会が厳然と存在するヨーロッパ社会では「教養は知的階級の特権」という見識がまことしやかに流布しており
国を牛耳るエリート層にとって愚民は愚民のままでいてもらわなければ困る/都合が悪い。まるでドラマ「女王の教室」を地でいくような世界観がまかり通っているのも今なお健在なようです。
私は少しねちっこい性格ですので件のドラマのセリフをここにコピペしておきます。

女王の教室・阿久津真矢センセイのセリフ:
「日本という国は、そういう特権階級の人たちが楽しく幸せに暮らせるように、あなたたち凡人が安い給料で働き、高い税金を払うことで成り立っているんです。
そういう特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでいるか知ってる? 今のままずーっと愚かでいてくれればいいの。
世の中のしくみや、不公平なんかに気づかず、テレビや漫画でもぼーっと見て何も考えず、会社に入ったら、上司の言うことを大人しく聞いて、戦争が始まったら、真っ先に危険な所に行って戦ってくればいいの。」

何かドラマだけのセリフかと思ったら令和の日本でもこういった醜いエリート選民思想がじょじょに鎌首をもたげてきているような発言が散見されるようになってきました。

「奨学金も返せないなら、高卒で働け」
「大学教育は富裕層のご子息のもの 貧乏人は中卒高卒で働け 親の面倒は自己責任、国に頼るな
まぁ、どうしてもというなら、尊厳死という選択もあるぞ」
「東大の学費値上げを手始めにして少子化で潰れるのを恐れる私立大学が、「私立並みに公立も授業料を上げろ」という暴言」
「子どもの「海外体験」を買う富裕層、「近所のお祭り」すら行けない低所得層…体験格差は親の自己責任か?」
「日本の富裕層が関心を寄せる「全寮制学校」の全貌 なぜ、世界は「教養・人格教育」を重視するのか」
「貧乏人を本気で殺しにくるのは大学」

まあ挙げればキリがないですが
こと日本のエンタメ・カルチャーにあってはこういった知識・教養を一部の階層だけの専有物とはせずに広く一般民衆にシェアして皆が楽しむ
「教養の民主化」
が成り立っているのは奇跡的で素晴らしいことだと思います。
しかし同時に
教養という概念の深部には階層形成作用という宿痾のようなものを内包しているきらいがあったり、
「階層の乗り越える鍵は教養と信用」なんていう言葉で高位の物への迎合や内面化適応を促すなどのややこしい副作用があったり
単純に安易にマウンティングの道具として排斥材料になったりするしょーもないものまであったりするので
文化への取り扱い方を誤ったりあるいは逆に警戒しすぎて自縄自縛に陥ることのないように、
教育の場において政治的なことがタブーとされる風潮をあらためて材料としてはいっぺん右も左も自由に議論できるような自由な風土を醸成できるようにすること、や
近年相次いでいるクレジットカード会社による表現規制、経済的検閲あるいは金融検閲にどう対処して声を上げなければならないのか予断を許さない状況
など常にアップデートして取り組まねばならない懸案が山ほどあります。
文化の民主化も生まれながら与えられたものではなくフランス革命のように血と涙を流して闘争して勝ち取っていかなければならないのです。
少なくとも日頃から警戒し危機感をもってアンテナを張り巡らせることがわれわれ文化を担う者たちにとって共通の使命であることを認識しなければなりません。

文化のチカラ、感化力は偉大です。お金には代えられない価値があります。
かつてイギリスが日本を植民地化しようとしたとき、伊能忠敬の地図を見てやめた、その正確さに驚きこれは商売相手にとどめておくとしようという話もあったくらいです。
また権力の上位にあるものや強欲資本主義に浮かれて札びらで人の頬を叩くような奴はいずれ必ず文化を軽視します。
侘茶の形式を完成させ日本文化として茶道を発展させた千利休はその政治的影響力を豊臣秀吉に疎まれ
「千利休の下をくぐらなければ寺に入れない状態が無礼である」という難癖をつけられて切腹を命じられました。

今回の記事は
そんなあなたに問いたい、
「渋沢栄一にはなれるかもしれないが、千利休にはなれない」
社会のエグゼクティブ層や子供に投資教育や金融リテラシー教育を躍起になって植え付けようとする親御さんに向けて
垣根のない文化は誰にでも共有できる財産なのだという事をピンポイントに訴えていきたいという思いで書いた記事です。
どうぞご査収ください。

 


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