P突堤2

「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

界王様もおったまげな言語学

2021-03-02 | にほんごトピック

東映アニメーション制作のテレビアニメ「ドラゴンボール超(スーパー)」のオープニング曲、「限界突破×サバイバー」(歌唱:氷川きよし)
曲中において何かフックのある歌詞がでてきてうなってしまったので、今回はここを掘り下げてみたいと思います。
問題の歌詞は

退屈は 石になる 重くて落ちちゃう前に♪

の箇所であります。

退屈は石になる の言わんとするところは、英語で言うところのBecome a stone(~になる)なのか、If you are bored(条件文)なのか、
日本語はこういうところが助詞の含みで言い表そうという傾向があるため額面通りの論理構造をハッキリさせるのが苦手な言語と言えるかもしれません。
検証のためこちらの対偶ロジックに当たる

熱中は ポップコーンになる♪

なるものをひねくり出しましたがどうもピンときませんね。
文法的にはこれはウナギ文(僕はうなぎだ)の一種なのでしょうか?あるいはコンニャク文(コンニャクは太らない)?
カキ構文(カキ料理は広島が本場だ)にも通ずるものがありますね。

たとえば

当日(いきなり言われると)は意固地になるよ、そりゃ

みたいに時の提題がマクラにくる場合は割と安易に成り立ちそうですが

ダメな時は意固地になる
キレる程冷静になる

みたいに時や条件を導く句がきても一般的に成り立ちそうです。
退屈や熱中にもそのような含みが隠されているのかもしれませんね。

そもそも退屈という字面からして動作性の名詞という機能なのかあくまで動作・様態の概念なのか
何か漢語熟語になってくると品詞性の境界が曖昧になってくるのも解釈が分かれる原因につながっているのだなあ、と感じざるを得ません(これは外来語やカタカナ語にも言えますね)。
こんな奥深い考察を呼び起こすのも、作詞の森雪之丞氏の言語センスが卓越しているということに尽きると言ったところでしょうか。言葉の化学変化は面白いものですなあ。

以上、今回はプロの作詞家が垣間見せる日本語文法論に刺さるような言葉のマジックを魅せてくれたことについての考察でした。

 


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