しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

コンテンポラリー体感 ②

2012-11-12 00:12:55 | 日記
当たり前だけど、講演は英語で行われた。
通訳さんがついているのだけど、
かなり長いこと英語で話したあとに通訳だったので、
頑張って英語のまま聞き取る方が、なんとなくでも意味がつかめた。
もちろんわからないところもたくさんあるので、
通訳の方のお話もしっかりと。

身体全体を耳にして聞いていた。ほぼ3時間、英語圏。

短編アニメーションが作られるバックグラウンド(制作費とかプロダクションとか)の話も面白いけど、
私はやはりアニメーションそのものに興味があった。

しかも今日の講座の題名が
『社会批評のメディアとしてのアニメーション:チャンネル4の歴史』だったから、
「社会批評としての」ってところにものすごく興味しんしんだった。



今日見せていただけたのが、
1 Dreamless Sleep (David Anderson 1986)
2 Street of Crocodiles (Quay Brothers 1986)
3 Creature Comforts (Nick Park 1989)
4 Death and the Mother (Ruth Lingford 1997)
5 A is for Autism (Tim Webb 1992)
6 The Man with the Beautiful Eyes (Jonathan Hodgson 2000)
7 City Paradise (Gaelle Denis 2004)

アニメーションは「感覚の表現」としてものすごく優れているなというのは前からあったけど、
社会批評としても優れているなあと思った。
暴力的でなくユーモアがあり、穏やかな手段として。
なんて民主的な手段だろうなあ。

個人的には、5番目の「A is for Autism」(日本名:「じ」は自閉症のじ)に感銘を受けた。
自閉症特有の感覚をアニメーションとして表現している作品。
自閉症の子どもの作品とアニメーターの技術が結集して、素晴らしい作品になっていたし、
なかなか一般的には理解されない自閉症特有の感じ方がわかりやすく表現されている。

6番目の「The Man with the Beautiful Eyes」は、
近所の不思議な屋敷に住む男の話。
子どもたちはそこには絶対に近寄るな!と親達から言われているけど、
当然、子どもたちは好奇心で近づく。そして一度だけ、住人である男に会う。
ウイスキーの瓶を片手に、酔っぱらった男が、
「楽しく生きてるかい!」みたいなことを子どもたちに行って家の中へ戻ってしまう。
ものすごく目が美しい男。
子どもたちはもう一度会いたくて、家の周りをくる日もくる日もうろつくけど会えない。
そしてある日、
その屋敷は、周囲の竹やぶごと丸焼けになってしまうのだ。

子ども達は思う。

これは、綺麗な目になれなかった大人たちが、
彼を妬んで全て燃やしてしまったのだ、と。
僕らには自由はない、
将来、僕らは死んだ目して生きる親達のように「死ぬ」しかないのだ、と。

その場面の表現が怖かった。


どの短編アニメーションも素晴らしかった。
時間がなくて、2番目の Street of Crocodilesと4番目のDeath and the Motherは
ダイジェストでしか見られなかったのが残念。
どれも心に突き刺さってきた。
アニメーションってあらためてすごいパワーだ。。

最後の質疑応答では、
研究者の方々や留学生の方が質問していらっしゃった。
専門家の方と学生がほとんどだったみたいだけど、
公開講座で、しかも無料でこんな素晴らしい講座を開いてくれてるなんて・・・。
帰り道はお腹ペコペコだったけど、気持ちはとても高揚してた。



今後も参加できるよう、案内を届けてくださるように登録。
自分でも作ってみたいなと不敵にも思ってしまった、素敵な講座でした。






















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